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2008年03月 アーカイブ


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2008年03月01日

今日から3月。

2月は短かった。今年は29日まであったので、いつもより長かったはずなのだが、それでもやっぱり何か足りない感じのする月だった。

30日で終わる月と31日ある月の差はあまり感じないのだが、29日の月と30日の月の差は大きい。

同じ1日分だけが足りないだけなのにな・・・。やっぱり1日って大きいんだなぁ、などと思う。

カレンダーをめくってしまえば、前の月にどんなことがあったのか、もう忘れてしまっていることもある。更地になった場所に、前に何があったのか思い出せないのと同じように。

オシリは29日だったり、30日だったりとまちまちだが、1日は一年に12回ある。

今日からまた1日に戻って。

3回目の「1」の日を迎えて。

カレンダーをめくるまで、みんなまた今月を積んで行く。

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2008年03月02日

今日は何の日。

遠山の金さんが北町奉行に任命された日らしく、「遠山の金さんの日」というのもあったが、一番目を引いたのが「MINIの日」だった。

32がミニと読めることから、日本のBMWが数年前にMINIの発売に連動して制定したそうで、なので「MINIの日」は、今世紀になってから生まれた日でまだ歴史が浅いのだ。

私はあまり車種に詳しくないので、「この車が好き」といった好みはない方だ。だが、BMWMINIになってからのこの車は好きで、もしも今”好きな車を一台買うことになりました”というシチュエーションになったら、「これ下さい」と言ってMINIの何色かを買いたいのだ。

しかし、

それにしても毎日のようにある、この「今日は@@の日」。

MINIの日は抽選で10台ぐらい、「新車プレゼント!」ということがあったらいいのに、そういうことではないらしい。毎月の「フロの日」の時、近所の銭湯ではゆず風呂だったりよもぎ風呂だったりと、ちゃんとイベントが催されているが、そう言えば「タクシーの日」の時も特に何もない日だったっけ。

乗ったタクシーにシールが貼ってあって、それで知って運転手さんに「タクシーの日って、何か特別なサービスがあるんですかぁ?」と尋ねたが、そもそもその運ちゃんはシールを貼っておきながら、タクシーの日のことをすっかり忘れていたのだ。

「タクシーの日」は、「タクシーの日だったら、乗車記念に何かもらえたりするのかな?と思っていたが、特に何もなくいつも通りに運賃を支払ってタクシーを下りた日」だった。

「MINI」の日も、「どこかでMINIプレゼント抽選会をやっているのかな?と思いながらBMW浜田山では何も抽選会をやっていなかった日」だった。

しかし、今日はいつもより街中でこの車をよく見掛けた。

偶然なのか何なのかわからないが、「やっぱりミニって可愛いなー」と、度々MINIについて考えた日であった。

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2008年03月03日

誕生日を迎えた。

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私は父と母にとっての待望の赤ちゃんだった。本当は6歳上に兄がいたが死産となり、その時のお産で母は心臓を悪くし、もう子供は無理だと言われていたのだそうだ。

もう子宝には恵まれないとあきらめていた夫婦の元に、神様が送り込んだのが私だった。

3つ下の妹に比べて、エラく叱られていたという記憶の方が強くて、あまり「待望の赤ちゃんだった」実感が自分にはないが、それでもアルバムの写真は妹のものよりも一冊分ぐらい写真の枚数が多かったと思う。今は「あんた」と呼んでよそよそしい父も、幼い頃は足の裏でお腹を持ち上げてくれて「ひこうき」をやってくれたり、毎週土曜日には会社の帰りに大好きなシュークリームをお土産に買ってきてくれたのだ。

本当は3月2日生まれの予定だったが、一日遅刻をしたのだそうだ。私は2日からほんのわずか遅刻をして、3日の午前0時13分にオギャーとこの世に生まれたのだった。

私が生まれた日、父と母はとても喜んだのだろう。死産だった兄のことがあったから、無事に生まれてくれてよかったと、きっと心から神様に感謝をした。

どれだけ嬉しかっただろうか。

その日は、どんなお天気でどんな風が吹いていた日だったのかな・・・と思いをめぐらせるようになった。

父しか聞ける人はいなくなったけれど。

お猿さんみたいな私の存在を、喜んでくれたんでしょう?!

自分のことを、大事にしないとね。

今日、おめでとうといろんな人に声を掛けてもらったよ。
なんだか、誉めてもらったような嬉しい気持ちになったよ。

今日は私の誕生日。

父と母にとって、人生の中で忘れられない幸せを感じた日なんだと、父とそれから亡き母を想った。

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2008年03月04日

少しずつ、春めいた暖かな日が増えてきて、嬉しいのだが・・・・。

去年まいて敷地内にコロンと落ちている”コンバット”を見ると、少し心は曇る。

30個ぐらい外にまき、家ん中にも10個ぐらい置いたが、残念なことに杉並区のゴキブリのお口には合いませんでした。

塩味が足りなかったのですか。

ホワーイ、何故。

どこのゴキブリもそうなのだ。

「どうして食べないのか」「どこからやって来たのか」「あと何人ぐらい家族が居るのか」「何故、ここに来るのか」「どうしたら、ここに来ないでくれるのか」etc・・・。

全てに沈黙をして答えることはない。

不気味な軍団よ。

はぁ・・・あ。

明日は暦の上では「啓蟄」、冬の間眠っていた虫さん達が目を覚ます日なのだ。

ウチの敷地に眠っている虫さんたちよ、君等は起きなくていい。起きてもいいが、どうぞ近くに自然溢れる公園があるからそっちに引っ越しなさいな。

引っ越した年、ヤモリが居て気持ち悪かったが、ゴキブリは居なかった。通りがかりのゴキブリは存在したかもしれないが、恐らく居住はしていなかったのだ。それが去年ある日突然、でかいゴキブリを見つけてからは殺しても殺してもでかいのが部屋に侵入をするようになってしまったのだった。

おかげで熱い夏にも私は部屋ん中で震えて過ごした。

・・・・。

明日、どうしてもみなさんはお目覚めになられるのですか。

花粉と黄砂が舞い、恐怖のミニミニ生き物が土ん中から這い出て来る。

明日は啓蟄、春の乱なのである。

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2008年03月05日

「これは・・・何て種類の犬?」

今日、ダンボはまた何の犬かと尋ねられた。

ダンボちゃんは、おじいさんかひいおじいさんがチャンピオン犬の純血のチワワなのだが、血統書が偽物なのではないかと思う程、私もダンボはチワワには見えないと思っている。

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チワワとジャックラッセルテリアとミニブタのMIX犬だと答えるのが、一番納得度が高いのではないかと思うのだが、ずっと前に「柴犬」に似ていると言われた時は、さすがにどう返事をしたらいいかわからなかった。

おじいちゃんかひいおじいちゃんは、チャンピオン犬だったのにねぇ。

チワワには規定というのがあるらしく、体重は2、7キロまで。ダンボは体重、体長、体高全て規定の最大値の更に1、5倍なので、チワワ規定によるとダンボではチワワの枠に於いて失格となり、チワワではなくなることになる。

そんな・・・。

どう頑張っても私が22センチの靴が履けないのと同じで、どう頑張ってもダンボの体の長さをそこまで短くすることは出来ないのだ。

チワワじゃないんだって。

どうする?
いいよね、それでも。

私も引っ越しの時に、ダンボの血統書をなくしたようで、チビ太とゴン太の血統書は今もお骨の前に飾ってあるのに、犬のだけがない状態なのだ。

証明するものは、何もなくなり。

本人も自分で名乗るわけでもなく。

何の犬か、誰もわからない。

「ダンボはチワワです」

「え、そうなんですか」

こんな会話を何度となくして来たが・・・。

”本当なのかな・・・”

ダンボちゃん、私心細い。

唯一の血統書もなくなった今、私も自信がなくなり、ふと自分が狂言を言っているような気がしてならないのであった。

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2008年03月06日

代官山、晴れたら空に豆まいてにてライブ。

今日のイベントタイトルは、「a bird sing”la la la”」。

誰がつけたのかわからないが、素敵なタイトル。どこにも春という単語が出て来ないのに、春の柔らかいイメージを思わせるところがいいなと思っていたのだ。

私の実家の庭には、春先になるとウグイスがやってきてはホーホケキョと美しい声で鳴いていた。同じウグイスなのか、毎年つがいでやって来て、ある期間家の庭で春を歌ってくれていたのだ。

東京に住むようになると、もうウグイスは来ないだろうと思っていたが、最初に住んだ中野でもウグイスは居た。その声が聞けたのは嬉しいことだった。

「ホーホケキョ」

ところがある年、ウグイスにも上手く鳴けないのが居ることを知った。

「ホー、ホケ」

「キョ」

「ホー、ホー、ホケ」

「キョ」

一息で鳴けないウグイス。どこで鳴いているのかは知らないが、その声が聞こえて来ると、美声に耳を傾けるのではなく「頑張れ」と応援をしてしまうので、こっちまで妙に疲れたのだ。

後になってから知ったが、まだ若いウグイスくんは、上手に鳴けないのだそうだ。その後、病院に居た頃にも鳴けないウグイスくんがやって来ていた。

いつか、思うように鳴ける日がきっと来るよ。

別名、春告鳥。

春がもうすぐやって来るよ。

リハーサルが終わると、少し涙が出た。どうして思うように歌えないんだろうと、やっぱり悲しくなる瞬間はある。

今日は5羽の鳥達が集まりました。

私が一番目に飛ぶ鳥。

空が見えたら、迷わず飛べばいい。

春がもうすぐやって来ますよと、だからいい春になりますようにと、その気持ちを持って今日はピアノの前に座った。

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2008年03月07日

古川昌義さんとのレコーディング、「ダッタン人の踊り」のピアノの録音とトラックダウンで、今日はエンジニアの永井はじめさんのお宅にお邪魔する。

ご自宅の地下にあるプライベートスタジオは、歌録りの出来るブースまであって、プライベートスタジオとは思えない環境なのだ。

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永井さんとは今日が私は初対面だが、古川さんとは、数年前の古川さんのASKAさんプロデュースのアルバムが出会いだそうで、ご自身もエンジニアのお仕事だけでなく、プロデュースもされたりと幅広く活動をされている。

スタジオの奥でウーリッツァを見つける。

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本物を見るのは初めてか2回目かぐらいで、今日のピアノ入れの音はまずウーリッツァから試させてもらった。ウーリッツァはローズピアノよりもっと柔らかくて丸い音がする。シンセサイザーの音源を買えば、ピアノのカテゴリーの中に入っている音色だが、本物を触るのは私は初めてだったのだ。

結局OKテイクは別のピアノの音になったが、弾いていて気持ちのいい楽器だった。音と同じで柔らかく弾き手を受け入れてくれる優しい器の楽器で、すっかり今日弾かせてもらって好きになったのだ。

TDは夕方には終わって、それから成城学園前で夕飯を3人で食べた。

家からそれほど遠いわけではないが、成城にはほとんど来ることがなく、駅前は10年ぶり以上になるかもしれない。数年前に駅ビルが建ったらしく景色がずいぶん変わっていた。

お酒がすすむと、古川さんと永井さんが音楽の話を始める。

学生の頃も、こうして音楽の話をしている場で聞いていたなぁ。

そういう場所に居るのが昔から好きだった。楽しそうに好きなことを話している人達の傍らに居るのが好きだった。

いつの間にか雨が上がっていた。

レコーディングも一歩一歩、仕上がりも目前となった。

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2008年03月08日

渋谷に鞴座のライブを観に行った。メンバーの金子さんと岡部さんは、私が京都でバンド活動をしていた頃に知り合った先輩で、鞴座は関西を拠点に活動をされている3人のユニットだ。

グループ名前の鞴座(ふいござ)。蠍座や魚座のように何かの星座なのかなと思っていたら、「鞴(ふいご)」が空気のポンプみたいな物のことを指すらしく、メンバーの担当楽器がアコーディオンやバグパイプだったりと、鞴を使って音を出す物なので、そこからユニット名がついたのだそうだ。

いろんな楽器を持ちかえながら、曲が続く。バグパイプの本物を初めて見たが、脇に空気のポンプのようなものを挟んで、演奏をするにはかなり複雑そうだ。他の楽器の応用ですぐに出来る楽器ではなさそうで、意外に難しい楽器なんだなと思った。

インストで歌のない世界。ケルト音楽の方には、普段ほとんど触れることがないのだが、楽器自体が持つ温かさからなのか、童話を読んでもらっているような身近な感じがした。

ライブハウスに来るまでの道、渋谷はいつもに増して人が集まっていて洪水のように人が流れていた。

駅からそれほど遠くない場所なのに、渋谷は少し歩くだけで疲れる時がある。

洪水の中からはみ出たどれぐらいかの人達が、ここにこうして座ってゆっくりとライブを楽しんでいた。

扉を開けて中に入れば、渋谷を忘れる土曜日の夜がそこにあった。

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2008年03月09日

東京の夜の空に、月が上っていた。

昨日新月だったから、今日は三日月の手前の二日月。

満ちては欠けて、また満ちては欠け。

東京の夜は思った以上に明るくて、地上にはいくつもの明かりが散りばめられているから、月は「あんなところに星なんてあったかな」と、さぞかし不思議がっているだろう。

夜景を見下ろすお月さん。

私はビルの赤いチカチカが瞬くのが大好きだけど、貴方はいかがですか。

東京タワーがありますね。

レインボーブリッジが見えますね。

お台場の観覧車、あれは乗り物なんですよ。
日曜日の夜は、恋人達が乗っていることでしょう。

あまりに綺麗な二日月だったから、私は貴方に見とれていたけれど、きっと貴方の方は私が見上げていたことには気がつかなかったでしょう。

でも、観覧車の中を覗いちゃだめですよ。
お月さん。

今日は二日月。
満ちてはまた欠け、形を変えながらずっと地球の傍に。

昨日、また生まれた月がうっすら目を開けて、地上を見下ろしていた。

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2008年03月10日

引っ越してからずっと床に置いてあったテレビを、今日はDーnaughtのメンバーにもらってもらった。

ウチにあったのはブラウン管のかなり大きいテレビで、部屋の隅に暫定的に置いたらそこから動かせなくなってしまっていたのだった。

ちょっとしたことで、物は稼働率が悪くなる。

そのテレビは、画面を見るには椅子を移動して行き、なおかつ少し前かがみにならないと見えない。面倒臭くなった私は、おかげでまだ十分見られるテレビを全く見なくなり、去年の秋にベッドのある部屋に新しいテレビが来るまで、テレビのない生活を送っていたのだった。

完全に物置となってしまったそのテレビ。だが、映りなどの機能には問題がなく、「テレビも見られる台」にしておくのは勿体なかったので、誰かもらってくれる人は居ないかとずっと引き取り手を探していたのだ。

廃品回収の車が来た時に声を掛けてみたが、2000年より製造が前の物はお金が要るのだそうだ。

「え〜っ?だってまだ、十分見れますよー」

大分ムっとした顔で言ったが、もう少しで「何で、若い娘やないとアカンの!!」と、訳のわからないことを叫んでいた。見合いサイトに登録しようとした時に、年齢制限でアウトになった時と同じ敗北感に覆われたのだ。

やっと、その売れ残りテレビが本日もらってもらえることになった。

こんなにでっかいテレビ、本当にもらってもらっていいんだろうか。誰も要らないと言って引き取ってくれなかったのに・・・。

私「ほんとーに、もらってもらっていいの?」

kazzkiくん「いいですよ」

私「じゃ、お願いしていいかな」

kazzkiくん「はい」

私「わぁ、助かるぅ〜。ありがとう」

しかし。

なんだか急に、自分が年齢のさばをよんで若い男の子を騙して婚約を取りつけた悪い人間に思えてきた。

・・・・。

何だそれは。

私は今日家にあるテレビをもらってもらった。

ただそれだけの話なのである。

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2008年03月11日

「あれ・・・?みきさん」

「あれ・・・?なっちゃん」

今日はラジオの収録。渋谷のスタジオの外の椅子に座っていたら甲斐名都ちゃんにバッタリ会った。

名都ちゃんもここのスタジオで収録をしているらしく、私も一年以上通っていたのに、お互い一度も会わなかったね、なんて話をしながら記念に撮影をした。

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撮った写真を見てちょっと驚いた。

自分はなっちゃんより、10センチぐらい背が高いつもりでいたが、なっちゃんの隣りに写る私は思った以上に豆タンクだった。

最近はマスクをつけている人が多いのだ。なっちゃんもそうだが、この時期にマスクのヒトを見ると、「風邪ですか」と尋ねるよりも先に「花粉ですか」と訊くようになった。なっちゃんも花粉症に参っているらしい。

そうか、今年は花粉が例年の2倍だもんね。

いや、ちょっと待てよ。

そう言えば誰かが言っていた。

「毎年、今年は例年の2倍とか1、5倍って言ってません?」

例年の数値自体が怪しい。

もはや春の定番アイテムとなったマスク。

花粉が例年の何倍と言われても、もうだんだんわからなくなってきたので、これからは米袋何俵分とか、東京ドーム何個分とか、そういう数値で教えてもらいたいのである。

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2008年03月12日

外来日。

お茶の水は楽器屋さんの街というイメージだったが、楽器屋さんのある方とは反対のエリアは大きな大学病院が二つそびえ立っていて、今は楽器屋さんではなくそちらの方に用事があるようになったのだ。

今日も病院は混んでいた。

外は少し暖かくなった感じがするが、病院の中は日が差さず相変わらずひんやりとしている。

でも、ここに座っている人達は家からやってきて、また家に帰れる人達。病院の中の生活とは大きくかけはなれている。

例え外来で来ても、病院から外に出た時は「あぁ、家に帰れるんだ」と、自由を味わう。

病院からの帰り道に、よく私は季節を感じる。入院をしていると年中適温で、季節を肌で感じなくなってしまい、頭でしか季節をとらえられなくなるからだ。

外に出ると、少し冷たい空気を吸い込んだ。

”暖かいけれど、まだ春はもう少し先かなぁ。”

神田川の橋を駅の方に向かって歩いていると、中央線が走っていくのが見える。ここからの位置の景色は、人ではなく鳥の目線を味わえる独特の距離感がある。

鳥達が散って行った。

自由を毎日、私達はもう十分得ている。

そう思うのだった。

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2008年03月13日

D−naughtのライブのリハーサルが終わり、待ち時間にすぐ近くにある「東京ミッドタウン」に探検に行ってきた。

ここは会社のすぐ近くなのだが、Y氏は全然興味がないらしく、意地でも行かないぞといった頑なな姿勢なのだ。じゃぁ、とTちゃんに情報を教えてもらおうと思ったら、「行ったら感想を聞かせてくださいね」と言っていて、ターゲット層のTちゃんもATMしか使ったことがないらしい。会社には他にも女性達がいるが、彼女達にも詳しい人が居ないということなので、結局今日行けば私がミッドタウンに一番詳しい人間に一躍踊り出るということになるのだ。

よし。ならば余が見聞に行って参ろう。

コロンブスってこんな感じで出掛けたのかもしれない。

こんにちは〜。

木っぽい造りのビルの中。雰囲気は東京駅近くの新丸の内ビルの中にちょっと似ているのだ。こういったビルがあたらしく出来て見に行くと、「天井が高いなぁ」と感じているような気がする。

しかし、ビル内に入り数分で早くも疲れる。こういう場所は空間が広くてゆったりしていていいのだが、私は歩数が多くなるとそれに比例してグッタリ度が増すのだ。

まだ鞄屋さんしか見ていないのに。

むむむ、あれは何の店。

スィーツのお店デショウカ。

一軒、平日のこの時間にしてはやけにお客が入っている店を見つけて吸い寄せられて入ってみた。洋菓子業界もいつしか店の名前に自分の名前を入れる所が増えてきて、「スナックミキ」みたいなものなんだろうか、この店も名前を使った店名である。

丁度明日がホワイトデーなので、ホワイトデー用の商品がズラっと並んでいたが、短いクレヨンみたいなチョコレートが数本でも、白い素敵な箱に入ってフランス語っぽい印刷がされていると2500円などの値段になっていたのだ。

定食「八代」などとは違って、洋菓子店で自分の名前を使った店名のところは、商品のお値段が他店と比べて高い店が多い。

店を出てしばらくすると、セブンイレブンを発見。

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セブンイレブンの看板は、電球が一つ中で切れているのかな?と思わせる、やや顔色が悪めの赤と緑とオレンジが目印なのだが、ここは木目調セブンイレブン。山の上でのジュースが値上がるようにミッドタウン値段になっているのかと思ったら、中は普通だったのでちょっと安心したのだ。

かなり疲れたのでちょっとベンチにて休憩。ここでもう帰ってもいいのだが、一軒だけ行きたいブティックがあったのでそこを探しに行くことにした。「R」というその店は渋谷の駅ビルに入っていたが、去年突然閉店してしまった。結構カジュアルな物が置いてあったので久しぶりに覗けたらいいなと思ったのだったが・・・。

行ってみると、渋谷の店とはエラくテイストが違っていた。

中に入ると店内は日が入らないような造りになっていてとにかく暗い。壁は黒く明るさはコンサート会場の客席ぐらい暗かった。店員さんに自動ドアの奥に案内をされ、それから専用エレベーターでまたもや真っ暗な2階に連れて行かれたのだが、こちらは2階は完全に窓がなかったと思う。置いてある普通のTシャツが3万円台で私にはその良さがわからず、「R」という店がどうかなっちゃったんだわというガッカリ気分で店を出たのだった。

結局このあとは、自分の名前をつけた洋菓子屋に戻ってシュークリームを買い、ミッドタウンを後にして会社に行ったのだった。

あぁいう場所に行くと、つい「貧乏人に見られないように」と変にシャキシャキ歩こうとしてしまう。

コロンブスはそれからシュークリームを食べながら、ミッドタウンという不思議な外国の話を、Tちゃんにして聞かせたのであった。

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2008年03月14日

ZEPP東京にKANさんのライブを観に行ってきた。

KANさんのツアーを見せてもらうのはこれで4回目か5回目になると思う。過去のライブはステージの途中にお芝居があったり、ユーモア満載の楽しい内容で、だがどんなに楽しくても最後には曲が沁みてジーンとして帰って来るといった、どれもとてもいいコンサートだった。

今日はテレビの生中継が入っていたので、ステージすぐ前にはレールがひいてある。テレビカメラが一番前の席のお客さんだ。

今日のライブは「BAND LIVE 2008 NO IDEA ツアー」の最終日。東京の追加公演で、メンバーはKANさんを含めて全部で5人。長年のメンバーということもあるだろうが、演奏がとにかくすごく良くてそこもとても楽しめた。

好きな曲が始まると、やっぱり胸きゅんになる。KANさんの歌を聴いていると、自分がKANさんの彼女か元カノになった気分になり、ホロっときてしまうのだ。KANさんの歌は、私を大阪のおかんからキュートな女性に戻してくれる魔法があって、歌の前で私はどんどん切ない女性になっていった。

だけど、こういう気持ちって大事だ。

毎日の中で女性達は「綺麗になりたい」「綺麗でいたい」と思う半面、自らが照れてしまって女性らしさを放棄してしまっているところがある。私もそうして勝手におかんになってしまった。

KANさんは今年このあと弾き語りのツアーをされるのだそうだ。

そうなんだ・・・。

KANさんの彼女達が一人また一人と会場を後にする。

私も頬を紅潮させて。

また自分も彼女になりに行こうと妙な決心をしたのであった。

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2008年03月15日

相変わらず毎日、私が最初に会う他人は知らないところからやって来る迷惑メール達なのだ。

おはよう、バイアグラが今なら70%オフです。

おはよう、自宅に居ながら楽に200万稼げます。

おはよう、今度の週末は主人が留守なんです。

おはよう、みゆきです。この間は楽しかったです。

おはよう、貴方にピッタリの熟女が見つかりました。

はいみなさん、おはようさん。

砂金取りのように、知人からのメールをすくい出しては読んでいる。で、今までに恐らく何通かはすくい出しそこねて、バイアグラと一緒に友人からのメールも捨てているのである。

毎日、まず私は中年オヤジとして挨拶を受ける。

向こうは勝手にこっちをオヤジだと決めつけている。出来れば楽して稼げて、若い女の子と遊んだり熟女とも付き合えたらいいなと思っているエロオヤジだと、毎日決めつけているのだ。もう何年になる。毎朝パソコンを開いてずっとだ。

私にも理想があるのだ。

もしも自分が中年のオッサンだったら、そんなオッサンにはなりたくない。バリバリ仕事に燃えて、休みの日は完全オフに頭を切り替えて好きなことをするかうんと休むかのどちらかにする。オンオフめりはりのついた毎日を心がけていれば女性は向こうからやって来るものなのだ。私ならそっちの中年に惚れる。あくせく働くオッサンは魅力的なのだ。

最も私の尊敬出来ないオッサン像を押し付けられ、うんざりする毎日だったが、先日初めて新しいパターンのメールが届いたのだった。

「片想いで終わらせない恋愛術」

中身を読んでみると、初の「若い女性」としての扱いを受けるメールではないか。

あら、まぁ。

私に?デスカ?

待っていたんですよ。ずぅううっと。

嬉しいじゃないか。性別女性として初めて送られてきた記念すべきメール。やっと私の情報は「男性」から「女性」のカテゴリーに入ったのかもしれない。長い1/2の確率間違いであった。

だが、そのメールはそれっきりであった。あれを機にヤル気のない中年オヤジから外れられるかと思ったが、本当にあの一回だけが普段とは違うタッチだった。そうしてまた変わらない日常が・・・。

おはよう、私の写メ送ったから見てね。

おはよう、会員No.56231のゆみ様よりアドレス交換依頼が届きました。

おはよう、担保保証人不要で即ご融資致します。

うううぅうーーーむ。

毎日迷惑メールを受け取って数年。

20000ポイントで一回何か変わったメールをもらうシステムになっているのかもしれない。

未だに謎の多い迷惑メールなのである。

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2008年03月16日

半年ぶりぐらいに近くのプールに行った。ここは去年の夏から秋にかけてよく行った温水プールで、行くといつもはじっこの水中ウォーキングレーンで約一時間水中を歩いていたのだ。水の中だと体も軽く動かせて負担もほとんどなく、夜帯は人も適度な数で利用しやすかった。

しばらくサボっちゃったからなぁ。

よく来ている人は顔も覚えるようになったし、手を貸してもらって以来、会釈するようになった人も居る。恋人同士で来ている人も居るが、一人でやって来ては、それぞれが自分のメニューを黙々とやっている人が多い。

チャポーン。

久しぶりにプールに入って歩く。水の中って体がとにかく軽くなるので、足も軽々と上がって気持ちがいい。

冬の間もずっと通っていたのか、何人かの人は顔を覚えている人達だった。

プールに通っている人達は、健康と共に体型のシェイプアップを期待していたりするんではないだろうか。私はそれを目標にしているのだが、ここに来ている人達は何を目標に来ているのかなとは思っていたのだ。

とすると。

あかんやん。
変わってへんやん。

内蔵はともかく、外見は半年ぶりに見る誰も変化はなかった。

「久しぶりぃ〜っ。全然変わってないよねぇ」

は、この場合イヤミになる。

むむむむ。

プールは効果がないということなのか。

水ん中を、歩く。歩く。
水ん中を、泳ぐ。泳ぐ。

みんな、目指せ筋肉質。

定期的に井の頭線がプールの横を通る。
また中の乗客達がこっちを見ている。

ここは水族館。
トド達は頑張っています。

春、到来。

私のプール通いが今日からまた始まったのだ。

Posted by 吉川みき 2008年03月16日 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2008年03月17日

ここ最近はパソコンを開けると「オフィス椅子」をよく閲覧していたのだ。

確かに自宅スタジオで作業をしている人の家に行くと、椅子は長時間の作業に耐えられるものに皆さん座っておられた。決してそれは見栄や贅沢で買ったのではなく、「本当に腰痛が楽になった」そうで、私も椅子は買った方がいいのかなぁとだいぶ心が決まってきていたのだった。

今座っている椅子は、当時の椅子探しが「あまり事務椅子っぽくない」ことが私の大事な条件で、ベージュに近い布製で足元が木目になっていることが決め手となって買った椅子だ。

一応、だから「くつろげる」をテーマにしてはいたのだが、それは視覚の問題で、長時間の作業があるのならやはり、カーテンやお部屋の感じを優先にしてはいけなかったのだろう。木目は相変わらず綺麗なのだが、布はくたびれてすっかり中古になり、上げ下ろし機能のレバーの調子も悪くなった。で、気のせいか若干左に座面が傾いているので、座布団を敷いて微調整をして座らなくてはならなくなった。

メッシュタイプ、布タイプ、このどちらかで探していてだいぶオフィスチェアにも詳しくなったのだ。

しかし、オフィスチェアって意外に高い。閲覧していると「あ、この椅子は知ってるなぁ」と思い出すような物にも出会い、普通のなんてことのない「会社にあるような椅子」だったという印象のものが10万円近くしている。オフィスグッズって思っているよりずっと高いのだ。

「イトーキ」「オカムラ」「ハーマン」「ノール」「スチールケース」etc・・・・。人気メーカーはだいたい何社かに絞られていて、中でも中古になっても人気なのが、「ハーマン」社の椅子だった。

ここの椅子を使用している岡崎さんは、確かギターが肘あてに当たるという理由で右肘部分をボキっと折って使っていたのではなかったか。これは3万円くらいを破いて捨てたという勿体なさなのだ。

やっぱり椅子は機能性。

いい椅子に座る先輩方のお話にすっかり影響を受けて。

本日、私も椅子購入。さすがに新品は買えず、だが中古で「ヴィトラ」社製の状態のいいものが見つかったので買うことにした。

ところで。

椅子はやっぱり機能性なんじゃなかったっけ。

もう一つ別のタイプのとで迷っていたのに、最後の最後で「赤い色が可愛かった!」のでそれに決めたという、やはり本末転倒な一面が出た椅子選びなのであった。

Posted by 吉川みき 2008年03月17日 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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2008年03月18日

犬のダンボは、一緒に暮らしている中で動物として大丈夫なのかなと思うぐらい鈍くさい時がある。

最初に驚いたのが子犬の頃。彼はベッドの上で飛び跳ねていた。一人ベッドの足元と枕元を往復するという遊びに夢中だったのだが、ある回に足元から枕元に向かってピョーンと飛んで、そのままベッドの柵を越えて床に落ちて行った。

子ブタみたいな物がピョーンと目の前を飛んで行き、そのまま私の視界から消えた時、一瞬信じられなかったぐらいだ。

それ以降は、はしゃいでいてそのまま足をすべらせて転んだり、叱られて逃げて行く途中にベッドで頭をぶつけることをたまにしている。

こういった「読み」を間違えるのは、動物としては良くないのではないだろうか。

頭がいいところもある。私が居なくなるのを待ってゴミ箱をあさったり、机の上から盗んで行った物を「落ちたのを拾ったんだよ!」と嘘をついて持って来たり、あとはオヤツの空中でのキャッチは、かなり成功率が高い。今まで覚えた芸は15分あればマスターしているので、賢い面もあるにはある。

のだが。

今日は夕方の散歩の時・・・。

近頃のダンボは少し気が大きくなったみたいで、散歩に出ても少しの距離なら威張るようになった。

自分よりうんと大きな犬に向かって行ったり、人にも威張って吠える。やめなさいよ、そういう態度は。彼には「友好的」という部分がなく、強気に出るか弱気になるかの二つに一つしかないので、散歩の時はダンボが人様に何かしやしないかと緊張するようになったのだ。

今日も家に帰って来た時に、近所のご婦人を見掛けてワンワンと吠えに行ったダンボ。

もうやめなさい!

リードを引っ張って家に入ろうとしたら、ダンボは最後にもう一度ご婦人の方を振り返って「ワン!」と言った。

通訳すれば「今日はこの辺にしといたろ!」だった。

そうして、私がまだ窓を開けていないというのに、開いていると勘違いをして思いきり部屋に向かって飛び、窓ガラスにぶつかって転げたのだった。

よく私も小さい頃、調子に乗って悪さをすると、その直後に怪我をしたり痛い目に合って、母親に「ほら、バチが当たった」と言われたものだ。

ダンボもバチが当たりやすい。

ダンボが威張った後で窓ガラスに当たって転げたのは、今日で3度目。

痛いのに痛くない顔をするところが人間の子供に似ている。

いや、尼崎の悪ガキだった頃の私にそっくりだなと思うのであった。

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2008年03月19日

朝起きた時、空はそんな感じじゃなかった。

天気予報では、午後から「降る」のだという。

近い時間の予報なので、きっと当たるんだろうが、空を見る限りでは「いいお天気」だった。

そんな時に限って、我が家の洗濯サイクルは「今日が洗濯時」だったりする。

ちょこっとだけでも干せたらいいんだがなぁ。
やっぱり降るのかなぁ。

午後は外出をするので、結局今日の洗濯はやめにした。

あんなにいい天気だったのに。
午後になって空は曇り、予報通り雨になった。

すごいな。
雨か。
本当に降った。

私達は自分の明日のことがわからないのに、明日の天気は知っている。

先の自分のことはわからなくても。

未来は変えられる。

今日、天気予報を信じて私は洗濯をやめた。

おかげで洗濯物は外で濡れずに済んだ。

今日、未来を変えた人は沢山いるんだろうな。

お互いラッキー、よかったね。

時々、誰でも未来を見ることが出来るんだ。

お天気のいい日に、ハタハタと私の洗濯物は風になびいているだろう。

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2008年03月20日

去年買って、夏にだめにしてしまったと思った雪柳が、今年になって芽を出し、そして今日花が咲いた。

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実家の門のポストの所に植わっていて、子供の頃から見慣れている草木はやはり思い入れが強くなるみたいで、雪柳は散歩をしていても目にとまることが多かった。

蕾は少し赤みがかった白なのだが、開くと真っ白い花が咲く。

雨の中、咲いた。

雪柳は枝が柔らかくしなるのがいい。風に逆らわず優しく身を任せて、だがそうすることで決して折れない。弾力性があるってとても女性的で素敵だ。

雨が降れば雨つぶみたいなものにでも逆らうことなく、打たれて揺れる。

花は花自体を見ていても楽しめるが、茎の性格を見るのもなかなか面白いのだ。雪柳のように長くしなるもの、チューリップのようにスラっと真っ直ぐ伸びるもの。真っ直ぐに伸びても折れにくい茎もあるし、バラのようにトゲを出しているものもあれば、這って周りの物に巻きついたりするものもある。

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何かを植えようと思って放置していた鉢にも、去年のこぼれ種のノースポールが一斉に芽を出している。

日の高さと長さが随分変わってきたね。

明日は晴れるよ。

今日、春分の日。
私の暮らしにも一歩一歩、春が近付いてきている。

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2008年03月21日

今までに行ったこともない場所や会ったこともない人達しか出て来ないというのに、何の疑問も持たずに自分がその中で普通に過ごしているという、妙な夢をたまに見るのだ。

昨夜の夢は、音楽スクールのもっとこじんまりしたセンターで、キーボード講師の仕事を紹介され、毎週火曜と水曜一時間ずつレッスンをすることになったという夢だった。軽い面接を受けると、前任の先生の穴埋めで早速やることが決まり、本当の講師ではそういう額は有り得ないのだが、「時給900円です」と決まってから言われたので軽いショックを受けたのだ。

火曜と水曜は、数時間学校に通うのに費やすのかぁ。

学校は高田馬場にあって、二階建てのヤマハ音楽教室のような所で、間取りも自分にとって初めての場所だったが建物としての辻褄がちゃんと合っていて、二階は専門学校の学生風の若者達が出入りしていた。

先輩講師らしき人の姿も見る。

何の楽器を教えている人なんだろう。

「じゃぁ、どうぞよろしくお願いします」と挨拶をして1階に下りると、女の先生とすれ違った。

「あなた、見ない顔ね」と声をかけられて自己紹介をしたのだ。

一階にはレッスン用のエレクトーンが何台も置いてあり、生徒はなく時間は夕方、外はアーケードのない商店街だった。

そこで私は目覚めて夢は終わった。

別に何てことのない夢なのだが・・・。

全編通して知っている人や場所は一つも出て来なかったのに、よく普通でいられたなということに我ながら驚いたのだ。

知らない土地に行っても「住めば都」で、馴染んで行けたりすることはあっても、人生自体が知らないものにワープするということは考えもしなかった。だが、案外人って全く違う人生をある日ひょいと渡されても、受け取ったらそのレールに乗ってやっていけるものなのかもしれない。

高田馬場で講師をしている私か・・・。

何をどう教えるつもりでいたのか。

続きの人生を見てみたかったが、残念ながらもう夢の続きはいくら眠っても見ることは出来なかった。

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2008年03月22日

南青山マンダラに服部祐民子ちゃんのライブを観に行った。

今日のライブタイトルは「弾き歌い」。ゲストには去年私も一緒にステージに立ったうんちゃんことunnoさんのグループ「ちんどんうさぎや」が出るので、ちんどんとのコラボってどんな感じになるんだろうと、こちらも楽しみなのだ。

祐民子ちゃんは、私が今までに観たライブと一緒に演奏をした数回のライブでも弾き語りで歌っていたので、弾き語りがベーシックにある人だと思っていたら、意外にもギター一本でライブをやるのは今回が初めてなのだそうだ。

「弾き歌い」というタイトルっていいなと思う。

よく考えてみたら本当だ、「弾き語り」じゃなく「弾き歌い」が楽器を演奏しながら歌うスタイルを言い表している。

今日の「弾き歌い」はギターの弾き歌いから始まった。

近くで接するようになってから、私は祐民子ちゃんと彼女の歌がもっと好きになった。

祐民子ちゃんのライブに行くと、ステージ中に何かしら彼女が小さな選択をする場面に居合わせることがある。
弦が切れてしまった。

歌詞が出て来なくなってしまった。

ここから歌が入る予定だった。

祐民子ちゃんに限らず、どんなライブにも、CDにはない「事件」が大なり小なりいつも起きている。

さぁ、困った。
どうしよう。

走っていたら転んでしまった。
そんな例えにするならば・・・

祐民子ちゃんは転んだ後、土をはらってもう一度そこから全力で走るのだ。そうして歌の中で言っていることと、本人の行動が更に一致して並走する。その時に、一瞬息を飲んで見守っていた人間達が今度は逆にハっとさせられるのだ。

だからこの歌なんだ。

と、思って

そうだ、私も自分のやっていることや、仕事を誠実に正直にやりたいなと今度は自分自身に思うことが、今までにも何度かあった。

意図しないところで本質が見えて思わぬ心が動く。
感動ってこういうことなのかなと思う。

君にこの声が届くのなら、ぼくは声の限り歌おう。「声」という曲の一節で、好きな曲の一曲だが、今日はこの曲が私にはよりグっときた。

「うさぎや」の女性3人が加わると、ステージはグっと華やかなムードになった。「ちんどん」とのコラボは難しい組み合わせでもあるのに、とても音楽的に楽しめるアンサンブルになっていたので、私もこういったトライはどんどんしていける柔軟なアイデアを持ちたいなのだ。

終わってから、いつものようにそそくさと帰るのはやめて、外でうんちゃんと祐民子ちゃんに会えるまで待っていた。

一目顔を見てから帰りたくなった。

そんな夜だった。

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2008年03月23日

夕方、花に水をやっていたら、お向かいのご婦人が自転車で帰って来られた。

「桜が少し咲き始めたみたいですよ」

「え!そうなんですか」

水をやり終えるとダンボを連れて、近くの公園に偵察に行った。

尻尾をフリフリ。
フリフリ。

いつもは行かない川沿いの道に行くと、ほんの少し桜の蕾が開き始めていた。

この辺りは花見スポットなので、満開の頃には花見客がわんさかやって来るのだが、もう花見に来ている人達がいるではないか。みんな手にはカメラを持っていて、記念撮影をしたり、アップで桜の蕾を撮ったりしている。

「ほら、桜だよ」

犬というのは、本当に植物に全く興味を示さない生き物なのだ。

「サクラ!」

「さくら!」

「sakura!」

花が綺麗だということを心に留めるのは、少なくとも犬にはないことらしく、いくら指を差してもダンボは桜を見なかった。結局彼は”もう帰ろう”と訴えるだけで、最後まで私のことしか見ていなかったのだ。

今年も東京では桜が咲くよ。

100円玉で年中貴女にはお目にはかかっていますが。

これが本物。

桜色って綺麗だな。

たくさん人が居るけれど、
大丈夫、怖がらなくていいからね。

ほんの少し人見知りがちに、川沿いの桜が咲き始めた。

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2008年03月24日

今日は雨。
シトシトと降る春雨だ。

食べ物で、同じ漢字を書くもので春雨がある。

お店で食べたことはあるが、私は自分で買って調理をしたことは一度もなく、多分スーパー内における私にとっての存在は「ライスペーパー」と同じグループにあるのだ。

別に嫌いというわけではないが、常に前を素通りしてきた。

春雨は、緑豆やイモのでんぷんで作られている。日本には最初禅宗の精進料理の材料として、鎌倉時代に中国から伝わったのだそうだ。

今日みたいな雨の日にやってきたのかなぁ。

台湾では「冬粉」と呼ばれている。
日本に来たら、「春雨」。

どちらも風情のある名前だなと思う。

シトシトと雨が降っていた。

ここからひと雨ごとに春になっていく。

この雨が上がったら、きっと桜が一気に咲くのだ。

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2008年03月25日

今日からが春休みという小・中学校が多いのだ。

学生時代の私は、だいたい実年齢の2歳下ぐらいに見られていた。早生まれなので4月生まれの同じ学年の友達とは1年程の差があるわけなので、成長も遅かったとは思うが、子供の頃はより子供に見られることがとてもイヤだったのだ。

小学4年生の時には2年生だと言われる。

中学生になっても私は小学生に見えたらしい。

だいたい中学生になってからも母親が駅で切符を買う前に、「おねえちゃんは、小学生。いいわね」と私に厳しく指導をしていたのだ。嘘つきは泥棒の始まりだと言っていたが、万引きをそそのかすのと同じじゃないか。

正しい学年を言い当てられたことは、ほぼなかったと記憶している。そうして私は真面目にいちいち「いいえ、中学1年です」と返事をしていたのだった。

早く大人になりたい。

大人っぽく見られたい。

これが当時の日々の夢だったのだが、「春休み」は自分の学年を名乗りにくいあいまいな時期だった。

「今度高校2年になる」のか「高校1年」なのか、春休みの間というのは学生本人達も表現がマチマチで、バイト先で知り合った友達や学校が違う友達との会話では、この人はいっこ上なのか同じなのかわからない状態で、接していたこともあったのだ。

今は1つ上も下も全部同じ感覚だが、学生の時の1学年の差は「敬語を使わないといけないヒト」か「使わなくていいヒト」か、特に体育会系クラブ出身の私には大きな問題だった。

3月31日まではその学年で、4月1日から新しい学年を名乗るというのが、区分としては正しいらしいが、学生時代に私はそれを知らないままだった。

春休みは自分が何者なのかがわからなくなる時期だった。

2歳若く見られたらラッキーだという感覚を知らない、遠い遠い昔の話なのであった。

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2008年03月26日

最寄りの郵便局のガードマンの初老の男性と、チョイノリのご縁で顔見知りになった。

おじいさんは個人的にチョイノリに興味がある様子で、行く度に乗り心地を聞かれたり、チョイノリに関する質問やおじいさんの持っている知識を聞いたりと、私にとっては今チョイノリ談議が出来る一番の相手になったのだ。

「それは、乗り心地はいいのかい」

「今日は風が強いから気をつけて」

「自転車がわりに便利そうだねぇ」

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一見おじいさんは、「チョイノリ」を知っているような雰囲気の風貌ではない。車の運転だって木の葉マークをつけて走らないといけないような、「ザ・老人」だが、会話をしていると、どうもおじいさんが”自分が乗るのに欲しい”様子なのだった。

その郵便局にチョイノリでやって来る私は唯一のお客なのかもしれない。

生チョイノリを見て、おじいさんはもっとチョイノリが欲しくなってしまったのだろうか。

おじいさんは、仕事を終えて家に戻る。

夕飯の時に、ばあさんにもう一度話を持ちかけてみる。

「なぁ、ばあさん。」

「もう車は乗らんから。」

「そのかわりに小さいバイクを買うてはどうかと思うんだが」

ばあさんは、答える。

「だから、あなた」

「何度言ったらわかるんですか。」

「だめだと言ったらだめですよ。」

「転んだら骨を折って即入院」

「どうするつもりなんですか」

「史朗にも聞いてごらんなさい。だめってみんな言うに決まってるんですから」

そこで、じいさんはたまに郵便局にやって来る私の話を引き合いに出すのだった。

「でもなぁ、ワシが行っとる郵便局に来る女の子が便利ですよって言うとったんだよ」

「その子は足が悪いんか、杖をついとってな」

「ワシの方が元気だよ」

「たぶんあの子の方がどんくさい」

「自転車だと、やっぱり坂がキツいんじゃ」

「便利だと思うんじゃが」

「だめかのう」

勝手に買わずにばあさんのお許しをもらおうとする健気なおじいさん・・・・。

そんな風に今までおじいさんのことを思っていたのだが・・・・、

今日の会話でそれはなくなった。

「チョイノリ、実はそれほど売れなかったんだよねぇ」

「え!」

・・・・・。

おじいさん、貴方は何者なのだ。

前の仕事はバイク関係、今も休日はハーレーを乗り回しているベテランライダーなのかもしれないのであった。

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2008年03月27日

桜が満開になったと聞いて、ダンボを連れて見に行ってきた。

家の近くに絶好のお花見スポットがあって、日曜日はこの辺りで服部祐民子ちゃん達とお花見をするので、一番近所に住んでいる私がここはいろいろと情報を持っているときっと良い!

ダンボ、偵察に出掛けるからついて来てよ。

我等、サクラ探検隊。少なくともどこに桜が生えているかぐらいは知っておこう。

ダンボと一緒に、エイエイ、オー。

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桜が綺麗なスポットは、確に家の近所なのだが、ほんのちょっとだけ遠い微妙な近所という距離にあるので、一部のエリアは知ってはいるが、まだよく知らないというのが本当の所なのだ。

だが、去年の花見の時期にこの辺りはすごい人出だった。夜でもたくさんのグループが花見をしていて、高円寺駅前にあるような道端にまで椅子が出ている飲み屋さんが、店と客ごとこっちに来たというような賑わいだったのだ。

私達も日曜日に花見をするのはいいが、席ってちゃんと確保出来るんだろうか。とにかく下見をしておこう。

夕方に出掛けたら、平日だったが花見をしに来た人達が結構遊歩道を歩いていた。

最近はデジカメ普及率が高くなって、桜を写真に収めようと撮影する人が本当に増えた。

私もパチパチと写真を撮る。

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この道ってこんなに綺麗な桜道になっていたんだなぁと川沿いを歩く。いつも思うのだが、植物は一斉に示し合わせたかのように歩調を合わせてせーので咲く。遅刻をしないところを見習わないといけないなぁと思う。

「きゃー、ちっちゃい」
「かわいい」

ダンボはかわいいと言われても、桜がいくら綺麗でも関係ないらしく、今日も尻尾をおしりの下に入れてブルーな気分で私の散歩に付き合っていた。

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優しい色の桜が咲いていた。

冬は寒々としていた川沿いのこの道だった。

花が咲くっていいね。

だってそれだけで歩きたくなるんだもの。
写真に収めたくなるんだもの。
誰かを誘ってお花見がしたくなるんだもの。

桜偵察隊、本日桜が満開であること確認。

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桜の写真を撮っている写真族も多数確認。

また来てね。

最後にもう一度振り返ると桜達が大きく手を振っていた。

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2008年03月28日

朝目覚めたら、しんどかった。

風邪だ。

突然になったのではない。月曜日ぐらいから、少し喉が腫れ気味だなと思って、うがいを強化して注意しながら過ごしていたのだ。だが少しずつ風邪エリアは広がって行き、今日は具合いの悪いエリアの方が多くなって、それでとうとう起きられなくなった。

お花見の日は、それまでに地図を把握して当日は、「何でも知ってる吉川さん」として、株を上げようと思っていたのだ。こういう団体行動でのイベントでは、手伝おうとしてひっくり返して「ごめんなさい」ということはあっても、役に立ったことはまずなかったが、今回は現場をよく知っている人間になれるという、初の野望があった。

「水道ならあそこにあるよ」

「お手洗いはその先のところね」

「コンビニまでは2分ぐらいかな」

「この道が近道だからね」

一度、物知り人間になってみたかった。だから、今日も桜偵察に行くつもりだったのだ。

だが、

花見の前に、風邪菌は私の体にまるで花見の場所を取ったかのようにゴザを敷いて、ドカっと腰をおろしてしまった。

いつまで・・・居座るつもりなんですか。

私も花見の準備が・・・・。

「何でも知ってる吉川さん」になりたい。

すごーい!と言われてみたい。

そうしたら、「えー、そんなことないよぉ」と言うのだ。

このままでは「近所に住んでいる割りに全然この辺のことを知らない吉川さん」になってしまう。

むむむー。

またもや、使えないヒトになってしまうのか。

今日の風邪菌達は相当飲んで酔っ払ったようなのだ。風邪菌達のお花見会場になった私は、悪酔いした風邪菌達に暴れられてただただ具合いの悪い一日を送ったのであった。

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2008年03月29日

今日も風邪で一日部屋で寝ていた。

花見スポットがこんなに近くにあって、桜も満開になったというのに。

もう桜が咲いているのは見たんだからいいじゃないと言われそうだが、よくない。またあらためて近々来るということが前提となっていたので、あれで終わりでは座りが悪いのである。

私は・・・桜も見たいが、近所に人がたくさんやって来て観光スポットのようになっているのが、嬉しいのだ。

年中そういう場所に住んでいる人にとっては、そういう感覚はわからないだろうが、私は町内環境だけでなく、実家自体お客さんが家に来るなんてことの滅多にない家だった。「観光スポットのような」体験が出来ることは、ものすごくワクワクすることなのだ。

もしも、桜の道の近くに家があったら、庭をオープンカフェにし一部屋をカフェ仕様にして、期間限定のカフェを開きたい。ちょびっと雑貨屋さんのような感じで、ちょびっと模擬店のような感じの店。そこで私は桜ティをお出しして、クッキーを焼いて、接客もして・・・。

「いらっしゃいませー」

着なくなった洋服や小物はガレージセールのように出す。コーヒーだってぼったくり値段はつけないのだ。

そして日没までの営業。

そんな楽しい想像をしながら、盛り上がって張り切っていたのに・・・。

桜、満開。

近所にあると言っても、窓を開けても別に桜はない。

テレビのニュースで咲いているのを見たというだけで終わったのであった。

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2008年03月30日

天気が悪かったが、お花見は決行。

欠席する私のかわりに、ダンボに参加してもらうことにしたのだ。

私が偵察に行った時、結構花見犬というのが居たのだ。花見をしているグループの誰かが連れてきたワンちゃんが一緒に居るというパターンで、昔はビニールシートのはじっこには石を置いて、シートが飛ばないようにしていたが、今は時代が変わりそこにワンコが座っている。

ダンボちゃん、いいかい。

今日は私からのこれはお願い。

このあいだ一緒に偵察に行ったよね。

「使える吉川さん」デビューを狙っていたことも知っているよね。

ダンボちゃん、だけど私は風邪をひいてしまった。

どう思う?

ダンボちゃんは、こんな時どうする?

もし私がお前だったら・・・・

今日はキミがお花見の参加メンバーだよ。

ね!

ビニールシートが飛ばないようにしっかり押さえて来るんだよ。

「いってらっしゃーい」

そうやってダンボを送り出したのだった。

そして、数時間後。

お花見メンバー達が家に立ち寄ってくれたのだが・・・。

「ダンボちゃん、ずっと暗くて」

グループの輪に、意地でも入らないぞといった風でお花見犬どころか、誰にも懐かずずっとただのいじけた犬のまま輪から離れた所に一匹居たらしい。

お前、ビニールシートが飛ばないように座ってくれていたんじゃなかったのかい。

家に帰って来たら、別のワンちゃんみたいに明るくなったと言われて、なんとなくどうしていたのかが頭に浮かんだのだ。

急にみんなに懐くな。
遅い。

花見ももう今年はこれで時期も終わり。このあとは一気に葉桜になり、またこの辺りはのどかな住宅街に戻る。

ダンボちゃん、私達似た者同士だわね。

使えない吉川家の面々なのであった。

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2008年03月31日

私がよく利用する駅の一つ、京王井の頭線の某駅前は他の駅に比べて店が少なく、割とすぐ住宅街になるのだ。駅の北側に大きいスーパーがあって、そこが24時間営業なのだが他は8時や9時に店が終わるので、駅前はそれぐらいになると少し静かになる。

この駅を利用するようになってから2年近くになるのだが、「平和だなぁ」と思いながら「大丈夫なのかなぁ」と、初めて来た時からずっと思っていることがあって、それは駅前のDIYセンターの花屋さんが、店を閉めたあと苗を軽く囲っているだけで、盗ろうと思ったらいくらでも”苗盗り放題”であることなのだった。

昔、バイトをしていた時に「万引きというのは、こちらもされないように工夫をすることで、抑止効果はずいぶん出るのだ」と教えてもらったことがあって、それは万引きをしにくい心理状況を店側が注意して作ることなのだと言われたことが記憶に残っていて、未だに買い物をしながらそれを思い出したりする。だから、最初この花屋さんの前を通った時には、なんてスキの多い店なんだろうかと心配したぐらいだ。

しかし、あれから2年が経とうとしている今でも、閉店後の囲いは甘いままで、しかもどこにも「お花を盗って行かないで下さい」という張り紙がしていないから、この駅を利用する住民達は大変善良な人達なのだなぁと、妙な感心をするのだった。みんなもし、生まれ変わって犬になったとしても、「待て」をいつまでも出来る優秀なワンちゃんになれるのだ。

しかし、私はハッキリ言って、たまに花を盗っていることがある。

盗るというのは変だが、前を通りながら「こうやったら、この花は盗れるなぁ」というシミュレーションをしていることがあるのだ。頭の中にあることをやれば即泥棒。他の店ではそんな想像はしないのに、この前を通る時だけそんな自分が生まれるわけなので、いつか教えてもらった「抑止効果」というのは、やはり大事なんだろう。

前に住んでいた所もとてもいい住宅街だったが、「バイクを盗っていった人へ」「お花を盗まないで下さい」の張り紙があった。

苗盗り放題なのに、誰も盗らない駅前。

いいんだが、ちょいとずさんだなとも思う。考え方によっては、前を通る人達を試している罪な店なのだ。

平和なはずなのに、心配症の私は前を通るといつもドキドキする。

片や頭の中では泥棒になっている私、片や「お花を盗らないで下さい」の張り紙がなくてホっとしているのである。

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