2008年11月01日 |
今日から11月。
カレンダーがめくれたと同時に、街からかぼちゃのお化け達が居なくなった。
シンデレラもビックリ。
急に魔法がとけるのは、お話の中だけじゃないんですよ。私の住んでいる町だってほら、もうプププイっと景色が変わってしまったのです。
メリークリスマス!
ハッピークリスマス!
ハロウインのハの字ももうどこにもないのだ。
そう言えば!
私のお財布の中も。
一歩外に出たら、何故かしら中身がなくなってしまう。
あっという間に。
世の中は普通に暮らしていても、不思議がいっぱい。
あるんです。
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2008年11月02日 |
友人の千宝美ちゃんの行きつけの喫茶店が閉店することになったそうで、今日はそのお店で千宝美ちゃんのプライベートライブがあった。
S駅を降りてすぐの角っこにある建物の2階に、その喫茶店はあった。白い壁とこげ茶色の木が印象的な落ち着いた雰囲気の店内。私は行きつけの喫茶店が欲しくて、今の家に住んで2年半探しているが、喫茶店自体がまずウチの近くにはない。店内に入ってまず最初に、もし自分が近所に住んでいたらきっとこのお店に通っていたなぁと思ったのだ。
コーヒーの香りがしてきて、店内の灯りが少し柔らかで・・・。
千宝美ちゃんは大阪から東京に引っ越してきてからずっとこのお店にお世話になってきたのだそうだ。思い出だけでなく、この店でたくさんの曲を書いたと言っていた。
なくなったら、かわりになる場所なんてそう簡単に見つからない。
いや、簡単には見つからないのではなく、同じ存在のものはもう見つからないだろう。
居心地の良さというのは、コレだけが理由ってことはない。きっといくつもの理由が重なっていて、それらが全体でその場所の温度を作っている。その目に見えない温度が、自分の着ている上着を無意識に脱がせてくれるものなのだ。
そうか・・・。
お店、なくなっちゃうのか。
寂しいよね。
MCでお店との思い出話が語られ、自分もその景色を想像して一緒に思い出を振り返ってみると、コーヒーの香りと思い出の匂いが私にも少ししたような気がした。
大事な人と同じぐらい、大事なお店はなくなったら後で尾を引く。
振られたわけでもないのに、苦い別れをしたわけでもないのに、更には辛いと泣き叫ぶこともなく日常が普通に流れて行くのにもかかわらず、でもその中で長い時間小さくぽっかり穴が開いた状態になる。
それでもそんな想い入れのあるお店があるということは素晴らしいことだなと思う。自分が自らの上着を脱ぎたくなるような店なんて、そんなにどこにでもポコポコとあるわけじゃない。行きつけの喫茶店を持っていない自分には、その豊かさを羨ましくさえ思う。
グルリと店内を見回した。
よく話を聞いたらお店はもう先月末で店を閉じたのだそうだ。
私にとっては最初で最後のお店。
だけど、今日私もここに居られてよかった。
何故かしら言葉に出来ないあたたかい気持ちに包まれていた。
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2008年11月03日 |
駅前のスーパーの中にあるパン屋さんは、店をリニュアルして以来、パンの袋詰めがセルフサービスとなった。これが買い物の負荷になって仕方がないのだ。その上、パンは重たいアクリル板の扉を手前に引き上げてその奥からトングで取り出さねばならない。
誰がなんでこんなに不便にしたの。
おかげでここの店でパンを買うのは、今や一仕事になっているのだ。
「袋詰めはセルフサービスでお願いしています」
レジを打った後で店のお姉さんは言う。だが、例えそれがメロンパン一個であってもわざわざトレーごと押し返して来るのだ。
「今ちょちょいと袋に入れた方が早いやん!」と、言いたいのだが毎度間髪入れずに「セルフサービスのプレゼントです」とちっこい源氏パイを乗せられるので、流れでついそのまま能面でトレーを受け取り、袋詰めをしているのであった。
しかし、「袋詰めをお願いしています」と言ってそのあとで店員さんたちが談笑をしている中、やじろべえみたいに荷物やトレーを持って袋詰めコーナーに移動をする時、やっぱりムカッとくる。源氏パイはいらないから、手が空いているんなら袋詰めをしてよと言いたくなるのだ。
だが一度、私と同じ気持ちの人だったんだろう。お客さんで怒りを店員さんにぶつけた女性が居て、レジで文句を言っているところを見たことがあった。
「もうっ!@%&7#@%!」
だがこのご婦人、怒りを上手く文章にまとめられなかった。
肝心のクレームが、ちゃんと口から出ずカタコトの日本語のようになって、勢いと怒りの部分だけが前面に出てしまっていたので、逆に店員さんの方がタッグを組み、”なに切れてんのかしら。変なヒト”と顔を見合わせて笑ってそれでおしまいとなったのであった。
惜しい。
敗退。
トレーを持ってご婦人退場。
後ろに並んでいた私がその後、トレーにポロっと置かれた源氏パイを店員さんに投げつけて援護に出れば、もしかしたらセルフサービス制度は廃止に出来たかもしれなかったのに・・・・、私も最大のチャンスを失ってしまったのだ。
レジで私は呪文のようにいつもつぶやいている。
<源氏パイはいらない>
家に帰って、おまけでもらった源氏パイを食べる時、言いようのない敗北感に覆われるのであった。
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2008年11月04日 |
今日は何日。
4日、偶数の日。
毎日、私は数種類の薬を飲んでいて、そのおかげでこうして日常生活を送ることが出来ている。大事な薬のうちの一つ、ステロイドが今は隔日服用になったので、間違えないように顔を洗ったら「今日は何日?」と口にしながら、カレンダーの前に立っているのだ。
頭でわかっていても、必ずカレンダーの前に立って指を差して日付けと薬の印を確認している。
7月は奇数日だった。
8月は偶数日。
9月、10月は奇数日が隔日服用薬が増える日。
30日までの月と31日まである月とがあるので、こうして月によって偶数日になったり奇数日になったりと変わるので、そこを注意しなくちゃいけない。
2ヶ月間奇数日で続いたが、今月は偶数日。
指差し、オーライ。
朝ご飯の後は、車掌さんのように声を出して確認をしている。
しゅっぱ〜つ。
進行〜。
のどかな田園地帯を電車がトコトコと行く。
時刻通り、各駅に着けるかな。
11月になってから、うんと寒くなってきたね。
ダンボはヒーターの前で毛づくろい。
私の列車はこんな風に一日をゆっくり走り出している。
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2008年11月05日 |
「ウワフッ、ウワフッ」
またダンボは夢の中で吠えているらしい。
寝ている時の「ワンワン!」は、実際の吠える声とは違って小さな声が出るだけだが、寝ながらでも怒っている様子は伝わってくる。吠えている時、ダンボの体はピチピチと陸に上がった魚みたいに跳ねているのだった。
「ウワフッ、ウワフッ」
小さな声に気付いてダンボの方を見ると、顔は寝た顔のまま。体は横になっていたり伏せになっていたりいろいろだが、寝ている時の姿勢のいずれかで、初めて見た時は具合いでも悪くなったのかと思って心配になったのだ。
犬の夢も日常の景色が描かれているらしい。夢の中で彼はネコを見つけたり、家の前に誰かが通るのを発見して、いつものように吠えに行っているんだなぁと思うと可笑しくなってくる。
放っておいたら割と長い間「ワフワフ」言っているので、たいていは途中で私がダンボに声を掛ける。
「ダンボ!夢だよ」
するとダンボは目が覚めて「あれ、夢だったのか」という顔を一瞬する。
「ダンボ、これは夢。あははは」
納得してくれたかなと思っていると、またウツラウツラし始める。そんな時はまたそこで夢の続きを見るみたいで、しばらくしたら「ウワフッ、ウワフッ」と体をピクピクさせて言い始めるのだった。
「ダンボ!」
一度、ちゃんと起こすとようやく寝言が収まるというのが、ダンボのパターンだ。ダンボは他にイビキもかくが、前に実家に居たジャスは寝ながら吠えることもなかったし寝言自体言っていた記憶がないので、犬にもそれぞれ寝相やら何やらがあるみたいだ。
ダンボは寝相も悪い。
一体キミは夢の中で誰と戦っているんだい。
だけど、寝言で思わず私の心は緩む。
なごむ。ほっこりしている。
「ウワフッ」
怪我をしないようにしなさいよ。
時計の針のように向きを変えながら、ダンボはよく眠りよく夢を見ている。
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2008年11月06日 |
あっ。
ジョージ。
テレビを見ていたら、不意に最新映画のコマーシャルでジョージ・クルーニーの姿がバーンと映し出された。
ERでファンになって以来、ジョージ・クルーニーに恋をしてきたが、映画にもっと出る為と言ってERを降りた後に出ている映画に個人的にはあまりハっとするものはなく、だいぶ贔屓目で見てきた私も最近はちょっと熱が冷めてきていたのだった。
この間、TSUTAYAで姿を見掛けたが、観終わった後でまたガッカリするのはいや・・・と、借りるのをやめたっけ。
ジョージ。
また新しい映画に出たのね。
今度の共演者はレネー・ゼルウィガー。
で、最近はどうなのよ。
あっ。
これっ、人前でキスをするのはやめなさい!
短いCM中にいろんな展開を投げ掛けて来るので、もう冷めつつあると言えども、それでも気を引かれて行ってしまう。
コマーシャルが終わった。
ふぅっ。
ちょっと時間が長く感じちゃった。
だが、同時に私の中のジョージブームも終わったことを悟ったのだった。
なんだろう。
ちっとも切なくない!
”元気そうで、よかったわ”
昔の彼を偶然、街で見掛けた。
なんか、その時の感じに似た後味が残ったのであった。
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2008年11月07日 |
高円寺JIROKICHIで、植田くんのバンド「Tokyo Smooth」の初ライブに参加をした。
みんな音楽に長けている人達ばかりなので、一緒に居ると独特の緊張感と楽しさがある。普段の私は「自分が音楽好き」なのかどうか、自分でもそういう目で音楽の存在を計れなくなっているのに、こういう空気の中に居ると嬉しくなるので、こんな時にようやく「あぁ、私は音楽が好きなんだ」と実感が出来たりするのだ。
リハーサルを終えて、本番となり・・・。
ずっと前に使っていたメインのシンセサイザーが本番演奏中に壊れたというハプニングがあったが、今日も2度「あれ!」というトラブルが起きたのでヒヤヒヤしたのだ。生ピアノでのライブでは起きないようなことが、シンセサイザーなど電子楽器を使う時には起き得るので、これが演奏以外にドキドキすることだ。
植田くんは、このバンドでモントレージャズフェスティバルに出たいという夢をMCで話していて、ステージの上で初めてそれを聞いて「えー!」とお客さんと一緒に驚いたのだ。
ライブが終わってから、またうえだっちは同じ夢を口にした。
きっと長年、心の中であたためてきた夢だったんだろう。モントレーやジャズは同じ音楽でも、私にとっては遠い位置にあったので、本当に本気の夢なんだなぁと思ったら、なんだか「応援するわ!」や「私も行きたい〜!」と言うのが失礼な気がしてきて、「そうかぁ〜」という返事しか出来なかった。
そうかぁ・・・。
そうだったのかぁ。
こんな風にいつか夢を話してくれて、それを叶えた友が何人か居る。
”本当に、叶えたね”
それはすごく嬉しいことだった。
今日は、夢のスタートに一緒に居られたってことかぁ。
それって大きなことだ。
また、一緒にやろうよ、うえだっち。
私はその一回一回を大事にして行くことだ。
夢を持っている人は生き生きと目の前の難題に向かっていく。
「バンド名、TokyoSmoothでいいのかなー」
「東京から発信しているってことをバンド名からでもわかるようにしたい」と言っていた。
その理由だけで、十分いい名前だと思う。
夢は情熱という温度で出来ている。自分と音楽を繋ぐものは、結局それが一番になっている。
私もそういう場所が好き。
夢はあたたかく、力強く、周りの人をも照らすそれだけで素晴らしい存在なのだとあらためて思ったのだった。
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2008年11月08日 |
「H&M」というスウェーデンのファッションブランドがある。リーズナブルな価格でお洒落なラインナップが手に入ると人気のショップで。9月に銀座店が日本初オープンとなったが、今日は原宿店がオープンして、約2000人のお客さんが並んだのだそうだ。
チョコレートの「M&M’s」と、語感がなんとなく似ているこの「H&M」、価格帯としてはユニクロと同じラインにある。だが、IKEAにしてもそう、「スウェーデン」というところがブランドイメージを上げているようで、北欧は日本での人気が高い。
私が「スウェーデン」に最初に触れたのは、ABBA。ピチピチタイツ服を着たサルの様な男の人とお人形さんのような女の人が並んで歌っていた。その姿は私には宇宙人程遠い存在に思えて”この人は何の人達なんだろう”と驚きながらテレビに釘づけになったものだ。
しかしお店がオープンしただけで、2000人も人が並ぶだなんて・・・・、その店は期間限定の店なのかと思うのだ。
「ソ連館には2000人の人が並び、太陽の塔にも相当の行列が出来ています」
大阪万博じゃないよね。
「H&M」のオープンで、ほんの少し私は時間旅行をし、最後に1970年の日本を思い出したのであった。
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2008年11月09日 |
夜、キッチンに物を取りに行ったら視界に動くものを見たような気がした。
「あっ」
コンロの横のシンクの上に、まだ若い青年ゴキブリが居るのを発見したのだった。
んもぉおおおおおおっ。
シューーーー。
シュシュシューーーーー。
なんで。
何故、私はゴキブリをいつも見つけてしまうんだろう。きっと世の中には、気付かずに過ごせる人だって居る。
はぁ〜〜あ・・・・。
私は多分、旦那や彼氏の浮気を見つけてしまうタイプなんだろう。知らないならそれでまぁよし、だと思っているのに、浮気を不意に見つけてしまう・・・・という星の下にどうも在るようなのだ。
世の中には別に真実を知らなくていいことは沢山ある!
と、いうのに何故。
ゴキブリというネーミングに、自分が拒否反応をもうしているのかもしれない。
今日から違う名前をつけましょう。
スズムシでもなく、コオロギでもなく。
「チョコレート虫」
私は貴方をいっそのこと愛したいですよ。
はぁ〜〜あ。
昔は秋って「恋の悩み」とかがあったよなぁ。
なんだか、なつかしいわ。
今は、秋の夜長「なんでゴキブリが出るのか」が、私の頭ん中をほぼ占めるメインテーマとなっているのである。
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2008年11月10日 |
先日、踏み切りの近くで停まっていたら、降りて来た遮断機に激突してそのまま走り去って行った女の子を見た。
「バーーン!」という音がしたので、相当痛かったはずだ。その女の子はパトロール中という札を自転車のかごに張った2台の自転車で男性と一緒に移動をしていて、前を走っていた。丁度鼻を遮断機に思い切り殴られた位の衝撃を受けながら、女の子はその後鼻に手をあて、自転車の速度を緩めることなく、全速力で駆けて行ったのだった。
その場に居た人達はみんな「大丈夫なのかしら・・・」と、いう顔で彼女を振り返っていた。後ろを付いて走っていた仲間の男性もやはり「大丈夫〜?」と声を掛けていた。しかし女の子は痛みより、早くその場から立ち去りたかったのか、男の人を置いて更にスピードを上げて行き、最後は男性の「おーーい、待ってよ〜」という声だけが残って、そして2人共視界から消えてなくなったのだった。
相当痛かったと思う。
鼻の骨が折れたかもしれない。
少なくとも鼻血は出ていたんじゃないか。
他人ごとながら心配になったが、もう居ない。
2人共パトロール服のオレンジ色のウインドブレーカーを着ていた。何のパトロールだったんだろう。「パトロール中」はどちらかと言えば、速度が少し遅いというイメージがあるが・・・・、
最後は立ち漕ぎになっていた。あんなに必死で自転車を漕ぐ大人を私は久しぶりに見たのであった。
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2008年11月11日 |
小室哲哉容疑者、転落人生。
ここしばらく、テレビではこんな言葉がよく出ていた。
犯罪をおかしたことは確かであったとしても、だからと言って、テレビに出ている人が他人の人生を「転落人生」とひとことで言ってしまうのに対しては”どうなんだろう”という風に考える。
事件を伝えるには、他の切り口がいくらでもあるだろうに。
戦争がテーマになると、「世界が平和でありますように」と神妙な顔をし、イジメがテーマになると、「世の中からイジメがなくなって欲しい」と言っている人が、今度は他人の「転落人生」をあきれた表情で紹介が出来ることに違和感を覚え、その後に虚しく残念な思いになるのだ。
言葉には、その言葉自体が持つ力がある。
「転落人生」って、随分ひどい言葉だなと思う。口にしながら、この人達って抵抗もないんだろうか。
事件が起きるとテレビの中の人はよく言っている。
「こんなひどいことがよく出来ますよね」
でもあなた達もコロコロと言動がよく変わる。時々、あなた達だってひどいんじゃないのとテレビを見ながら、腹が立って来ることがある。
例え遠く知らない人であれ、誰かの人生を「転落人生」と言える人を、私は人として信用出来ない。
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2008年11月12日 |
先日、クリスマスツリーを出した。
去年は出せなかった。一昨年もそう言えば仕舞ってある場所が奥の方で、あきらめたっけ。
新しいのを買ってもよかったが、東京に来て中野の部屋に住んだ時に、おもちゃ問屋で買ったささやかなツリーは、キッチンの窓辺に置いてチカチカと瞬くとちょっぴり豊かな気持ちになれた。外から帰って来ると窓にツリーの灯りがついているだけで、自分の部屋が少し温かく感じた。
その後引っ越しをしても、毎年秋の終わりになると部屋のどこかに飾ってきた。電源を差す時には「今年は灯りがちゃんとつくかなぁ」とドキドキしたものだった。
かなり時間がかかったが、押し入れのものを一つ一つ動かして自分で出すことが出来たツリー。
「つくかな」
一度目はつかなかった。
そうだよなぁ。
もうあれから10年ぐらい経っているから・・・。
だがあきらめられずもう一度差し直してみると、
チカ・・・チカ・・・。
少し間を置いてから、ツリーが点滅し始めた。
チカ・・・チカ・・・。
赤や青や黄色の電気が瞬いて。
ツリーにとっては、4つ目の家。
久しぶり、ツリーさん。
引っ越しをしたんで、新しい家になったんですよ。
サンタが道を迷わないように、この部屋からも照らして下さいね。
私の家には昔サンタが来てくれて嬉しかった。
だから子供達にはサンタが来て欲しいなと思う。
寒いけれど、あたたかいこの時期が好き。
今年もクリスマスの季節がやってきた。
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2008年11月13日 |
「ちょっと待っててね」
ダンボが物を拾ってくれたりすると、ごほうびのおやつをあげることになっているのだ。
だが、たまに手が離せない時がある。
前にごほうびをあげなかったら、「やってらんないよ」と、お手伝いを放棄されたことがあるので、ダンボとの約束は自分の為にも守った方がいい。だから、すぐにごほうびのおやつをあげられない時は、「後でね」「ちょっと待っててね」と口にするようにしているのだ。
ダンボはこの言葉を多分理解している。犬の知能は人間の知能に置きかえると2、5歳〜3歳ぐらいなのだそうだが、ダンボは結構記憶力がいいんじゃないだろうか。
たまに「ちょっと待っててね」と言ってから、そのまま用事に気を取られて忘れてしまうと、ダンボの方は「後で」の約束をずっと覚えていて、見える位置に座って私をずっと見つめている。
視線に気付いて「あ、ごめんごめん」と私が思い出すと、”やっと今度はボクの番だ”と喜び、「どうしたの?」と思い出せないまま普通に声を掛けると”もう待てない!我慢していたのに!”と急に二本足で立って、両手をグルングルン回して暴れるのだった。
「あー、ごめんごめん。ごめんね」
私が2歳半の時ってどれぐらいの記憶力だったのか。自分の記憶自体が3歳以降のものしかないので、比べることも出来ないが、犬は思っているより”さっきやった悪いコト”も覚えているし、”後で散歩に行く”ことも覚えているのだ。
特に教えたわけでもないのに、生活の中で彼が覚えたこと・・・。
「お風呂」という単語を聞くと、ダンボはベッドの下に急いで隠れに行く。
「見ーつけた!」と、言うとうなだれてものすごく悲しそうな顔をする。
「かくれんぼ遊び」も覚えた、ダンボなのであった。
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2008年11月14日 |
収録で渋谷に出掛けた。
渋谷駅の構内は昼夜問わず人が多いのだが、歩く人のお洒落度数はと言えば、やはり高いような気がする。
洋服自体のデザインが洒落ている人も居るが、それ以上にコーディネイトを工夫している人、ちょっとしたお洒落アイテムをつけ足したりと、出掛ける前にもう一手間掛ける時間を作っていると思われる人が更に多い気がするので、時計はしてもアクセサリーにまで気が行かないタイプの私は、渋谷に出た時に少し反省をするのだった。
持っているもので、上手い組み合わせを作れたり、ちょこっとアクセサリーを加えたりすることで、お洒落の幅は広げられる。要はアイデアなのだ。
せっかく家にやって来た洋服達だって、気持ち的に”じゃ、いっちょこのヒトを引き立てて綺麗にしてやろうぜ”と、盛り上がるかもしれないのに・・・・。
「何、着ようかな」
クローゼットを開けた時、
”あ、あの人と一回組ませて下さい”
”新しい企画があるんです!”
”今日こそはボクを使って下さい”
”それでは少々保守的に思うんですが”
バタン。
今日もまた私は沢山の洋服達の叫びに気付かなかった。
不満爆発。
私が渋谷駅構内を歩いて、こんな風に反省をしている今頃はクローゼットの中で、洋服達が文句を言い合っているのである。
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2008年11月15日 |
日が短くなってきた。
「もう雨戸を閉める時間かな」と、思って時計を見たらまだ3時半だったりして、一日が早足で過ぎて行く感じがするのだ。
9月になったら、アっという間に師走になっているという感覚があるが、日が短くなって行くのも感覚を後押ししているのかもしれない。
今年も落葉樹達は一年を無事に終えたよう。
「お先に」と手を振って休暇に入って行く。
川沿いを歩くと、カレンダーや時計も見ないのにどの木も例外なく時間通りに事を進めていることを知る。
大きな木のそばに行くと、彼等は長く生きているだけの強さとエネルギーをしっかり持っているから、いいエネルギーをもらえますよと整体の先生が言っていた。
常緑樹は葉っぱを手放さない。
そして、落葉樹は全部手放す。
100か0だなんて、木も両極端だ。
落葉樹達はもうオフシーズン。
人間ってやっぱり時間を守れないんだなぁ。
人間達だけが遅れを取り戻す為に、一番忙しい時期となって行く。
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2008年11月16日 |
東側の部屋の窓のすぐの所には塀があって、ここは近所の猫の通り道になっている。私に気付かずに通り過ぎて行く猫、チラっと部屋の中を見て行く猫、犬が居ることを知ってわざわざダンボの姿を見に戻って来た好奇心旺盛な猫も居たが、今日はたまに家の中に上がって来る人懷っこい近所の猫ちゃんが通り掛かった。
猫ちゃんはいつも玄関の方で会うので、この塀のそばの部屋が私の部屋であることを多分知らない。
塀の上でふと部屋の中の私と目が合うと、「あれ?」と言った顔で立ち止まったのだった。
”ここが、ウチなん?”
塀から既に窓の所に半分体を移して、この猫は本当に人懷っこい。
”こっち側の部屋にも入りたい”
明らかに顔が訴えているので、仕方なくダンボを別の部屋に入れて窓を開けることにしたら・・・
”よっこらしょっと”
猫ちゃんは塀から飛び移って早速部屋に入ってきた。
”ふぅう〜〜ん。こっちはこんな風になっていたのか”
猫も他人の家には興味があるらしい。まるで人間のお宅訪問のようにキョロキョロと部屋を見回して、ちょっとめずらしそうな様子だった。
猫ちゃんの家は年を取ったおじいさんと、それから30代ぐらいの息子さんとの二人暮らし。私の部屋は男の人の部屋とはテイストが結構違っているので、猫にとっては新鮮だったかもしれない。
”んじゃ、また”
しばらく探検して猫はまた部屋を出て行った。
猫の不思議は助走もつけずにヒョイと高い場所に上がってしまえる所だ。
行ってらっしゃい。
あまり遠くへ行っちゃだめだよ。
いろんな所が彼等には道になるんだなぁ。
カンロ飴みたいな目で楽しい探検を探す。歩いて走って跳んで、心のままに前に進んでそうして家に辿り着く。昨日を振り返らない生き物なのである。
Posted by 吉川みき 2008年11月16日 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年11月17日 |
”しまった”と思った時に、つい嘘をついてその場をやり過ごしてしまうタイプの人が居る。
何回かは上手く行く。
だが、たまにポロっとバレてしまう時もある。
「あなた、嘘をついたでしょう」
そんな時にこんな風に指摘をする人ばかりではない。むしろ気がつかないフリをしてその場をやり過ごす人の方が多いのではないか。
だがそれを機会に、その人は信頼をなくす。
しかし当の本人は、以後自分が警戒されていることに気付かないのだ。
嘘が多い人は、繰り返し人が離れて行く。
出会っても出会っても、また人は去って行く。
ある時、「これからは誠実に頑張ろう」と、反省する。
それからは、丁寧に一歩一歩毎日を送ろうという努力を意識してするようになった。
穏やかな時間。
人とのつながり。
ようやく新しい芽が出て来るかもしれないなという実感が持てるようになって来た頃・・・
またふとしたことで、その誓いを忘れてしまう。
「一回ぐらい、いいじゃないか。」
そんな言い訳が聞こえてくる。
何も薬物だけではない。
嘘も身を滅ぼす。
嘘は身近で誰でも簡単に手に出来る、常習性のある危険な物だと思う。
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2008年11月18日 |
11月と言えば・・・・。
七五三?
ぐらいしか私は思い浮かばないが、ワイン好きの人達にとってはボージョレ・ヌーボーの解禁月というのが一番に来るらしい。
「ボージョレ・ヌーボー、いよいよ解禁!」
これはフランスのボージョレで作られる赤ワインの新酒なのだそうで、ヌーボーはフランス語で「新しい」という意味。毎年11月の第3木曜日が一般市場に出していい販売解禁日となるので、ワイン好きの人達が心待ちにしているのだそうだ。
「ボジョレー・ヌーボー」「ボンジョレ・ヌーボー」と今一つ名前もうろ覚えだったが、いくら飲めないとは言え、私ももういい大人なんだからせめて名前ぐらいは覚えよう。
今年は円高で少し安く買えるらしい。
そして肝心のお味の方は、例年に比べフルーティなのだそうだ。
それって、美味しいの?
微妙な言い回しにも聞こえる。
例年に比べ、濃厚な味です。
例年に比べ、深みのあるお味です。
の、方が聞こえとしては美味しいように思える。
フルーティなお味=さっぱり=ちょっと薄いかも・・・と個人的には想像をしてしまうが、何せワインの味自体自分がわからない。
「これはちょっとフルーティ」
「あまり甘くなくて好き」
「まったりした感じがいいわ」
味の感想が言える人をすごいと思う。
ワインと言えば、昔お酒訓練をしたがワインは特にすぐに回ってしまい、まっすぐに歩けなくなって飲み会早々に退場していた。
ワインを飲むと足元の地球が小さくなった。
曲芸は無理。
地球が玉乗りの玉ぐらいになってバランスを取るのが大変であった。
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2008年11月19日 |
外来で病院に行った帰りに、駅近くにあるとんかつ屋さんでランチを食べることにした。
「いらっしゃいませ〜」
店内は思ったよりテーブル席が少ない鰻の寝床風の造りになっていて、壁に向かってカウンター席が多く設けられていた。
「奥のお席にどうぞ〜」
案内されて行った席はカウンターの奥から二つ目の席。3つ隣りには男性と若い女の子の二人が座っていた。
注文をして待っていると、新しいお客さんが通されて一つ置いて隣りに50代後半ぐらいの男性が席についた。
私は新幹線で毎週京都にラジオで行っていた時に、これぐらいの年齢の男性の横に座って「油臭い」「足が臭い」「ゲップをする」「息が臭い」と、息が自然に出来なくなる率が高かったので、これぐらいの知らない男性が近くに座るとちょっと抵抗を感じてしまう。早速男性はゲホッゲホッと咳をし出すので、自然と自分の体がおじさんの反対の方に向いて行くのだった。
あれまー!
反対の方を見て視界に入ったもの・・・
私の席の丁度背中側がトイレだったとは。
案内されてこの席に座った時には人の出入りがなかったので気付かなかったのだが、丁度ランチタイムだったこともあって食事を終えた人が一人、また一人とやって来て用を足して行くようになった。
ジャーーー。
カラカラカラッ。
水を流す音やトイレットペーパーのカラカラッという音までが聞こえてくる。
う、う、う〜〜〜む。
こうも頻繁に出入りがあると、ちょっと私としては厳しい。
「おまたせしました〜」
「ご飯とキャベツはおかわり自由です」
おかわりはいいから、席をかわりたい。
横ではおじさんが相変わらずゲホッと言い、後ろは今トイレラッシュとなり扉が開く度に風が背中に流れて当たる。
このままではとんかつが嫌いになってしまう!
半分ぐらい頑張って食べたが、以後も続くトイレラッシュにとうとう吐きそうになって店を出た。
店ってやっぱり味だけじゃだめなんだ。
いや、味も覚えていない。
本日ランチ失敗の巻であった。
Posted by 吉川みき 2008年11月19日 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年11月20日 |
先月ぐらいから、私の楽しみはじゃらんのサイトで温泉を眺めることから編み物に変わった。レッグウォーマーにストール、犬のセーターを数枚とお散歩用のバッグと割と少ない日数で仕上がるものを選んで編んでいる。形になっていくのが目に見えてわかるので、これがなかなか楽しいのだ。
自分用だからちょっと失敗しても良しと出来る。洋裁だとシビアな部分が毛糸物だとそんなに不器用が目立たないので、編み物は性格的にも合っているように思える。
難しいことは出来ないので、簡単な編み方位しかしないが、それでも今年は初めてアラン模様に挑戦をしたのだ。途中20回ぐらい失敗してやり直し泣きそうになったが、ついにダンボのセーターを完成させて、数枚のセーターの中の「よそいき用」となった。
それにしても、最初に毛糸を編むということを考えついた人はすごいなと思うのだ。二本の棒を使って一本の毛糸を服やバッグなど、形のあるものにしてしまう。乱暴な言い方をすれば「表編み」と「裏編み」の二つを変化させるだけで模様になったり、凝った編み目になったりするわけなので、「次が表編みで次が裏編み」と図面に沿って何も考えずに機械的に編むと完成したら、ちゃんとサンプル通りに物が出来上がる。
うちは母方の祖母が編み物と洋裁が好きで、子供の頃からダンボール一杯のセーターが冬になると送られてきていた。
孫の中では一番私が「手芸」からほど遠いと自分でも思っていたが、今はこうして編み棒も各種揃う家に住んでいる。
私は意外な成長を遂げた。
ほんとに意外だったわ。
祖母の豆タンクっぽい体型にも、まさかと思っていたが最近似てきたなと思う今日この頃である。
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2008年11月21日 |
金曜日の夜は「太陽にほえろ」。
毎週楽しみにしていたのに、一度だけ見られなかった回があった。
その日の私は何をしたのかもう忘れてしまったのだが、母にえらく叱られて「出て行きなさい」と追い出されたのだ。男の子でも家から追い出されることなんて、あまり聞かないのだが、とにかく私はやんちゃをして母の怒りを買うことが多かった。
しかし、納屋に入れられたことはあったが、夜に門の外に出されるのは初めて。小学生だったからそりゃぁそん時間に外に出たら心細い。
”追い出されちゃった”
隣りの空き地にしょうがないのでしゃがんでいた。
”おばけ、出ませんように”
”おなか空いたな”
”いつか家に入れるのかな”
”あーあ。”
”こんなはずじゃなかったのにな”
どれぐらいしゃがんでいただろう。近所の足立さんが犬の散歩で、この空き地の前を通り掛かったのだった。足立さんは母より少し年輩のご婦人で、挨拶しかしなかったが、言葉の感じや表情から「優しくて賢いおばちゃん」という印象があった。
夜に空き地の真ん中でしゃがんでいる姿はさぞ滑稽だったと思う。
「みきちゃん、どうしたの」
黙ってうつむいていたら、それ以上のことは何も聞かずにお家に帰りましょうと言って足立さんは私を連れて、家のインターフォンを押してくれたのだった。
「はい」
母が出ると、「みきちゃんが外にいらっしゃったから」と柔らかい口調で足立さんは言った。
「まぁ、すみません」
母は恐縮して慌てて門の所まで出て来た。
足立さんの振る舞いは終始まるで迷子の子供を送り届けたかのように、実に大人なやり方だった。
足立さんのおかげで、ようやく私は家に入ることが出来たのだった。
家に入ると、テレビがついていた。
時刻は「太陽にほえろ」が半分終わったあたりだった。
その日の夕飯はカレーだったのを覚えている。
一人だけ居残りでカレーを食べ、気まずかった。
「太陽にほえろ」も見れなかったし。
最悪と言えば最悪だったけれど。
その日私は、寒くて暗い空き地でピカピカと輝く女神さまを見たのだった。
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2008年11月22日 |
来週は西川峰子さんのレコーディングの歌入れがあるので、今はその準備でデータや譜面の整理をしたりする時間が多くなっている。
昔はレコーデイングスタジオに行ってからやっていた作業が、機械が優秀になったおかげで自宅でも出来るようになった。なので今自宅作業をしている音楽仲間は、家で一人でこの作業をしている人がすごく多いのだ。
だが、いくらメカが賢くなろうとも「音を録音する実時間」だけは省くことが出来ない。
この行程は地味ながらもかつてはレコーディングスタジオで誰かと一緒に作業をしている連帯感が持てた。救いはそこだったのに、今では独りマラソン状態で黙々と進めるだけの、より地味な笑いのない暗い作業になったので、友だち間でも”我慢風呂タイム”と表されているのだ。
録音の行程は、ドラムを例えば打ち込みにした時の録音は、一曲分をそれぞれバラバラに録音をするので、ハイハットの「チッチッチッチッチッチッチー」を途中エラーがないかをチェックしながら、4分ぐらいその「チッチッチッチッチッチッチー」を聴いてまず録音をする。それが終わると次はバスドラムの「ドっ。ドドっ。ドっ。ドドっ」を4分聴き続け、それから今度はスネアドラムの「・・・スタン!・・・スタン!」を4分。
家での録音は、音色が変わりつつこれらの作業を数時間することになるので、演奏もせずただ監視するだけって本音を言うとすごーく眠たくなってしまうのだ。ヘッドフォンをかけて一人で聴いていたら、そのうちに「ひつじが一匹、ひつじが二匹・・・」「ヒツジガイッピキ、ヒツジガニヒキ・・・」「hitsujigaippiki,hitsujiganihiki・・・」効果に変わってくるのだった。
今日はよくレコーディングでお世話になっている西司さんにお願いをしていたコーラスデータを頂いた。
毎回本当に素晴らしいコーラスワークに感動するが、今回も圧倒。すごい才能の人だ。
コーヒーで一服よりこういうことでエネルギーって補給されるものなんだ。
「よーし、もうちょっと頑張るぞ」
今日はまた夜になって元気が沸いて来たのであった。
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2008年11月23日 |
ニュースを見ていたら、渡り鳥のように長距離を移動する蝶々の話題をやっていた。
春から夏にかけては日本列島を北へ、秋になると南下するこの渡り蝶々は「アサギマダラ」という蝶々なのだそうだ。
移動範囲は主に日本と南西諸島、台湾間の行き来で、同じ個体が行って帰る渡り鳥と違うのは、行き来は子供に継ぐ形でなされるらしく、寿命の関係があるのかもしれない。が、それでも海を渡る蝶々である。信じられないのだ。
このアサギマダラを調査している団体の発表では、台湾からそれぞれ鹿児島、滋賀県に渡った個体を確認したということで、一体どんなお化けみたいな蝶々なんだろうと思っていたら、その姿はモスラ風でも何でもない水色と茶色っぽい二色で羽色を作る「綺麗なチョウチョウ」だった。
大きさは4〜6センチ。とても見た目からは長距離を移動出来るような感じはしない。
親から子にバトンを渡し、大移動をするのが彼等の宿命なのか・・・・。
こんなに可憐なフワフワした蝶々なのに?!
飛んで、飛んで、飛んで。
1000km以上もの遥か遠い道程を旅する。
それが生きている証のアサギマダラという蝶々がいるのだ。
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2008年11月24日 |
渋谷駅構内の店達もこの時期はより華やかになるので、つい予定外に吸い込まれてしまうのだ。
今日は雨。
傘が増えるとそれだけで動きが鈍くなる。
京王井の頭線を渋谷で降りると、道玄坂に抜ける一番近い出口がある。道玄坂にあるライブハウスに行く時は、ココから出ると駅からの上り坂分をほぼショートカット出来るので、すごく楽なルートになるのだ。
だが、ここの駅ビルを出たあとに信号まであるちょっとした道の横にあるオブジェのような鏡には、いつも驚かされる。いや、鏡というよりも、厳密には鏡に映った自分の姿に愕然とするということなのだが・・・。
ここの鏡は通路に沿って建っているので、歩きながら顔を向けると自分と目が合うようになっているのだが、照明の角度なのか、照明の色なのか、鏡なのか原因はわからないが、10〜20歳ぐらい自分が老けてみえるというかなりショッキングな映り方をするのだ。
懐中電灯を顔の下からあてると幽霊顔になる。丁度あのようなパターンで、顔色もやや悪く見える。
「えっ、これ私なの?」
ここで私は還暦を迎えた頃の自分の顔に出会ってたまげたのだ。
どの鏡でも見たことのなかった自分の顔だ。
異常なまでに「私、鏡を見るのが嫌いなの」と鏡に映った自分の姿をイヤがる人もいくらかは居るが、私もここの鏡は本当に見るのがイヤになる。
うーーーむ。
行きはいつも見ないのだが、帰りに必ず見てしまう。
年を取るタイムマシン的トンネル。
実サイズより若干小太りで背が低く見えるのも不思議に思っている。
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2008年11月25日 |
夜、冷蔵庫にあったヨーグルトを、「今日で消費期限が切れるから」と、普段食べる分よりかなり多い量を食べた。
この量だと、ヨーグルトだけじゃ飽きちゃうなと、同じく冷蔵庫にあったブルーベリーのソースとブルーベリーの果実を入れ、上にホイップクリームを乗せてちょっとしたデザートにしてみたのだが、あまり多い量を食べると体って冷える。どれも冷凍されていなかったが、食べているうちにだんだんアイスクリームを食べている感覚になってきたのだった。
あらま。ヨーグルトを沢山食べると、ある時点から舌と頭はフローズンヨーグルトを食べている感覚に変わるのだ。
フローズンヨーグルト。
あまり食べる機会に巡り合うことはないが、私が10代の頃に梅田の阪急ファイブにフローズンヨーグルトの店があって、女の子達に大人気だったことを思い出したのだ。
電車に乗って隣り町の高槻に買い物に行くのが、せいぜいのお出掛けだったので、梅田の阪急ファイブなんかに行った時にはそこに来ている女の子達も店もみな洗練されていて、歩くだけでドキドキだった。
フローズンヨーグルト専門店は、あこがれのお洒落な場所だったのだ。
ヨーグルトを大量に食べながら、舌と思考がだんだんマヒをしてきたことで、こんな思わぬ思い出を思い出すとは・・・・。
もう、さすがになくなっているだろうなぁ。
あのフローズンヨーグルトの店。
フローズンヨーグルトは、アイスクリームケーキを同じぐらい食べる機会があまりなくて、だが好きなデザートなのだ。
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2008年11月26日 |
明日からレコーディングが続くので、スタジオに持って行くOKデータの最終チェックと打ち込みの残りの作業をして一日が過ぎた。
ヘッドフォンがボロボロになっているので、新しいのを買わなきゃなぁといつも思う。だがヘッドフォンを外したらもうそれでそのことを忘れてしまっているので、「新しいのを買わなくちゃ」ともう3年ぐらい思っているんじゃなかろうか。その間にもどんどんヘッドフォンはボロボロになって、今では両側共「sony」と書いたフタが取れ、右側の耳の所の接触も悪くなってしまっているのだった。
いよいよ、さすがにもう買わなくちゃいけないだろう。
この機種はヘッドフォンのスタジオ仕様の定番で、最初の頃は音の違いが全くわからなかったが、今ではこのヘッドフォンの音質が自分のもろもろのジャッジのものさしとなっているので、私の音楽作業の重要な鍵を握っている。
イタチにさんざん噛まれた跡も残っている悲惨なヘッドフォンになってしまった。
お疲れさん。
来月になったら、新しいヘッドフォンに交代出来るようにするから、あとちょっとだけ頑張ってね。
家での作業の時、いつも「独り」だと思っていた。
あぁ、だけどそうじゃなかった。
一番にキミがその音を伝えてくれていた。
一緒に聴いていてくれた。
とてもよくやってくれた。
音を伝える無言の相棒。
このヘッドフォンがいつもそばで支えてくれていたのだった。
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2008年11月27日 |
麻布のスタジオで、午後からはホーンセクションの録音でその後は西川峰子さんの歌入れがある。
麻布はレコーディングスタジオがいくつかあるのだが、レコーディングで来る以外には機会がないので、この辺りも久しぶりだ。
”そうそう、こんな景色だったなぁ”
麻布方面に向かう道で、ようやく記憶にある建物や交差点と繋がった。
”あっ”
そう言えば、私は以前この辺りの交差点で「小林稔侍」を見たんだった。
テレビではその頃、少し情けないオヤジ役どころが多かったので、電車の中で見掛けても違和感なくくたびれた感じで吊り皮につかまって居そうなイメージを抱いていたが、本物の「稔侍」はスラっと背が高くパリっとスーツを着こなして颯爽と歩くとっても素敵なおじさまなのであった。
ヨレヨレのスーツで猫背気味に歩いていると思ったら全然違っていた。
”か、かっこいい!”
交差点で信号待ちの時に見掛けて、信号が変わって渡り終える頃には稔侍にすっかり夢中になっていたのだ。
吸い寄せられるように、交差点を稔侍の歩幅に合わせて後をつけたような気がする。
稔侍、待って〜。
あぁ、そうよ。
そんなことがあったんだわ。
「丁度、この辺!」
私が思わず叫ぶと、車の運転をしていたY氏も「そう!」と突然叫んだ。
「え?」
「稔侍でしょ。ボクも丁度思い出していたんだよ。」
「え!あの時って一緒に居ました?」
稔侍しか見えて居なかったので、私の記憶からはY氏が消えていた。だが、Y氏曰くその日もレコーディングだったからその辺りを歩いていたということだった。
当たり前なのだが、稔侍は今日は居なかった。
でも
また、レコーディングで来れて嬉しい。
上石さんのホーンアレンジがすごくかっこいい。ホーンセクションは上石さんがディレクションをしてくれたので、安心してお任せ出来るので作業もスムーズに進み、仮で自分が弾いていたシンセブラスから大進化した。すごくいい形にして頂いたのだ。
峰子さんの歌も出足からすごくよかった。
とてもいいオーケーテイクが録音が出来たと思う。
東京タワーが近くに瞬いていた。
歌録りは大好きだ。
歌録りに携わっていると、ふと私の音楽観はここに集約されているのかなぁと感じたりする。自分でも不思議なぐらいジャッジの軸がブレないからだ。
一年のうちでも数少ない、自分が最も得意としていることに携われた充実感のある日だった。
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2008年11月28日 |
クリスマスイルミネーションの飾りつけをする家が増えた。
バス通りにある「年中クリスマスイルミネーションの家」は、もうイルミネーションブームが終わったようで、この時期になっても夏と変わらない。いいや、むしろあれから切れた電球の分だけチカチカが減ったかもしれない。とにかくすっかりここのお家のイルミネーションは中途半端になってしまったのだ。
だが、かわりにスーパー近くにあるイルミネーションの館は、年々パワーアップしてきている。
程よい感じってどういう感じ。
こういうのってなかなか数値に出来ないが、私の中での判断基準としては、「レストランかな?」と間違える辺りがボーダーラインであろう。
「何の店なんだろう?」と不思議に思ったら、もうその家のイルミネーションが私にはtoo muchに映っているのだと思う。
スーパー近くのイルミネーションの家は、今や電飾だけでなく手作りの看板みたいなのも立て、その上花も所狭しと飾っている。しかしそれらはビッシリと詰められていて、綺麗というより「出したら片付けなさい!」と言った方がいいぐらい散らかった様子になっているのだった。
イルミネーションは「あたたかい」イメージなのだが・・・やりすぎると、暑苦しくなる。
私の家の近辺は一軒たりともイルミネーションの飾りつけをしている家がない。それどころか門灯がついている家自体が何故か少ないのだ。
そうね。私も切れた門灯の電球をそろそろつけかえなくっちゃ。
「年中クリスマス」の家があれば、年中「夏休み」の家もある。
お隣りもお向かいも、まだ朝顔の鉢。
あぁ、私の家にもありますよ。
角っこの二軒の家では、今日も「チリンチリン」と風鈴が鳴っているのであった。
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2008年11月29日 |
大久保のスタジオで西川峰子さんのレコーディング。
大久保のON AIRスタジオは、随分前に来て以来なので久しぶりだ。最後に来たのは「愛を守る嘘」のレコーディング。一番最初はオープン当初に来たことがあったと思う。
ここはスタジオのコントロールルームからも、外の景色が見える。レコーディングスタジオは、窓のない所がほとんどなので、外の景色が見えるのはやっぱり閉塞感がなくて気持ちがいい。
今日の天気は晴れ。
前半はデータの流し込み作業などオケの録音、夕方からは歌録りに入る。
本日もとてもスムーズにいい歌が録音出来た。
峰子さんも歌うのが楽しいと言って下さったので、そういう良い気、迷いのない気持ちが歌に寄り添っているとその歌はきっとより生き生きとすると思う。
峰子さんが帰られて、エンジニアの方の作業タイムとなって、待っている時間に少しスタジオの外に出てみた。
すぐ近くが新宿なのに、思ったより静かだ。
もうすぐ12月とは思えない、風のあたたかい夜だった。
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2008年11月30日 |
今日で新幹線の初代0系の定期運行が終わるのだそうだ。あとは12月に臨時運行があるのみ。大阪駅には0系を見おさめようと集まった人達がニュースで映されていた。
「びゅわーん、びゅわーん、は、し、るー」
「青いひかりの超とっきゅう〜」
子供の頃、妹がよく歌っていたっけ。
東京のおばあちゃん家に行く時に乗ったのが新幹線。ある年は夏休み、ある年は春休み。学校が休みになると母と妹と3人で1週間ぐらい練馬の祖母の家に行っていたので、毎年一年のうちのどこかで新幹線に乗ってはいたと思う。
山崎駅からJRで京都駅に出る。通路を渡って新幹線のホームに上がると、しばらくすると向こうの方から新幹線がホームに入って来る。
「わー。速そう」
座席がみんな前向きになっている所が、いかにもかっこいい「特急」で、その椅子に座ってお出掛けを今からするだなんて、当時は贅沢な感じがしたのだ。
「ビュッフェ」という響きも他で聞かない言葉で、特別な感じがした。
車内販売のアイスクリームを買ってもらって食べながら、大人になったら「ビュッフェ」に行ってみたいなと、あこがれたのだ。
東京駅に近くなったところで、新幹線が減速をする。その辺で右を向くと銀座の不二家が見えてきて、「タンタタンタタンタタンタ」とオルゴール音楽が聞こえてきたらもう駅に到着だ。
「びゅわーん、びゅわーん、びゅわーん」
「走れー」
乗ったら座っているだけで、遠くに住むおばあちゃんに会いに行けた。
東京ってビルや家がぎゅうぎゅうにあるんだなぁと驚いた。
夢の超特急、0系新幹線。
私にとっては何でも追い越して行く無敵の電車だった。
同じレールを走りながら、周りの景色もたくさん変わったね。
ありがとう。
長い間、おつかれさまでした。
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