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2009年04月 アーカイブ


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2009年04月01日

エイプリルフール。

外国では、新聞やテレビなどで嘘のニュースを放送したりもするらしく、騙される人も結構居るみたいなのだ。

有名なのは空飛ぶペンギンのニュースだろうか。空を飛ぶペンギンの撮影に成功したというニュースで、数百のペンギンが空をビュ〜ンと飛んで行く映像は圧巻だ。ペンギンが渡り鳥になったのだ。そのまま飛んで飛んで飛んで・・・南の島に行っちゃったのだ。

スイスでスパゲティが大豊作というニュースは、木からスパゲティがぶら下がっている映像で、スパゲティの木を自分も育てたいという問い合わせが殺到したらしいし、テレビがまだ白黒放送だった頃には、ストッキングをテレビに被せることでカラー映像になるという嘘ニュースを流したのだそうだ。

全部、ゆっくり考えるとジョークだとわかるものばかりだが、私は騙されるクチだ。ニュースでエイプリルフールの嘘ニュースの紹介を見ている時に、「え!ほんと?」と早速騙されて釘付けになっていた。

よ〜し。

私も誰かを騙してやるぞ。

出来るだけ凝った嘘で驚かせたらいいな。

うーん。うーん。

・・・・。

・・・・・・。

<はっ・・>

<今、何時?>

今年、私のエイプリルフールは、誰にどんな嘘をつこうかといろいろ策を練って、アイデアを考えているうちに眠くなって寝てしまったことが大きなロスとなり、夜に居眠りをしたただの日で終わったのであった。

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2009年04月02日

高円寺は私の家から行ける近い駅のうちの一つなのだ。

最初に住んだ家からも割と近かったので、その当時遅くまで店が開いていて人が飲んでいるなぁと驚いたが、ここ数年で「遅くまで」を通り越して「朝まで飲んでいる」人が結構居る街になった。

とにかくこの街は飲み屋さんが多いのだ。で、ニワトリが先か卵が先なのかはわからないが、お酒が好きな人がまた多く住んでいる。「この人、何の仕事をしている人なんだろう」と謎な感じの人も沢山居て、そういう人達が店のどこかしらにお客さんで居るのだが、朝から普通に仕事をしているサラリーマンも、高円寺在住の人は平日から遅くまで飲んで酔っ払っていたりする。

今日はトランペットの辰巳くんとリハーサルの後で、軽く打ち合わせをかねてちょこっと店に行こうということになったのだが、たつみっちも高円寺の飲み屋さんで、相当なお金を使っている一人で、話を聞いていると朝まで開いている店どころか朝から開く飲み屋さんまで知っていた。

数百メートルの商店街を歩きながら、たつみっちが教えてくれる店は全て焼き鳥屋さん。

「ここは、割と最近出来たとこ」

「で、ここは最近ちょっと味が良くなった」

「あ、この店、割とイケるよ」

「ここも、旨い」

「ここはちょっと狭いねんなー」

なんでそんなに知ってんの。

焼き鳥屋さんを多分全制覇していると思われる。

が、それにしても一つの商店街にこんなに焼き鳥屋さんってあるものなんだろうか。この商店街をお互いそれぞれ通っていたが、私が目に入るのはカフェとパン屋さんだった。以前から私は高円寺ぐらい大きな街だったら、もっと可愛い雑貨屋さんやケーキ屋さんがあってもいいのになと思っていたが、そういう店は入る余地無し。今日はいかに高円寺が焼き鳥屋さんの多い街なのかがよくわかったのだ。

全国の焼き鳥とお酒の消費量って統計が出ているんだろうか。

ジモティ、毎日遅くまで飲み過ぎ。

社会人の割に明日のことをあまり考えずに飲み過ぎ。

高円寺は間違いなく全国のベスト3に入る”沿線の街”だと、今日は確信したのであった。

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2009年04月03日

最近、お気に入りのもので「おうちで簡単!デリサラダ」というサラダのトッピングがある。

私は野菜サラダを食べることが多いのだが、野菜だけでちょっと寂しいかなというサラダの上にパラパラっとまぶすだけで、野菜サラダがグレードアップするトッピングなのだ。

中身はかぼちゃの種とピーナッツ、クルミ、クコの実、ひまわりの種、玄米パフの6種類のミックス種で種だけの品物なのだが、何故かこれが野菜にピッタリ合う。美味しいのだ。

このトッピングが気に入って、野菜サラダを食べる率が更に上がったのだが、悲しいことにこの品、近所のスーパーで買ったものの商品の補充がされないままになっているので、次に商品が並んでくれないのだ。

こんなに美味しいのだから、よそのスーパーに置いてあるだろうと他の店にも探しに行ったがその品は見つからず、類似品を探してみたがそれもなかった。

一度美味しいサラダになった後で、種なしの野菜サラダは味気ない。

「美味しかったのになぁ・・・」

そう言えば、見た感じは鳥の餌に似ていた。

昔飼っていたセキセイインコが「プチ、プチ」と音を立てて食べていたっけ。

あの頃は美味しそうにも見えなかった。

そうね。食わず嫌いだったのね。

食卓から消えた「おうちで簡単!デリサラダ」。

どのスーパーにも置いていないので、今度はペットショップに行って鳥の餌を買おうかと思っている。

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2009年04月04日

今日4月4日は「ピアノ調律の日」。

AprilのA、調律に使うAの音の周波数が440Hzという所から来たのだそうだ。

うちにもアップライトのピアノがあって、調律師が一年に一度ぐらい家に来ていた。

ポ、ポーーン。

何か曲を弾いたりすることはなく、単音でピアノの鍵盤を押さえて音がポ、ポーーンと鳴る。それの連続。ピアノの蓋を開けて、長い柄の工具でカチャカチャと作業をしている姿が職人のお仕事に映り、”今は静かにしていないといけないんだ”と子供心にも思って、そぉ〜っと見ていたっけ。

寡黙な時間が流れていた。

<この人は、曲を弾いたりしないのかなぁ>

楽器を目の前にしながら、演奏をしないことが不思議だった。演奏をしない音楽の専門家が居ることを、私はこの「調律」で知った。

耳だけで音程を合わせて行く。

すごい技だと思う。

以前、金沢で服部祐民子ちゃんと一緒にライブをした21世紀シアターに置いてあったピアノの調律師さんは、リハーサルを終えてから「すごく弾きやすいです」とお礼を言うと「本番はもっと良くしますよ」と言って調整して下さったが、本当にビックリする程更にタッチと音が良くなって、そのおかげでベーゼンドルファーという楽器が大好きになったぐらいだ。

そう言えば、最初の頃かたくて苦手だった「晴れたら空に豆まいて」に置いてあるピアノも、この一年ぐらいですごくニュアンスが変わったなぁと個人的に感じる。ライブで頻繁に誰かが演奏することもあるだろうが、調律師さんの力も大きいんじゃないかと思っている。

そこには居ないけれど。

確かに音楽を残していく。

それが私から見た調律師という仕事だ。

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2009年04月05日

あるお店のお花見会に参加をしに、近くの緑地公園に行った。

今年も東京のお天気と桜は、人々の期待に応えるように土日に絶好のお花見のロケーションを作ってくれたのだ。

それにしてもすごい人だ。トイレには長蛇の列。敷地にはブルーシートを敷いた花見客がギッシリ居る。しかしこれらの人たちはみな、普段高円寺で飲んでいる人たちなのではないかと思われる。高円寺の焼き鳥屋さんで飲んでいる人たちが場所と時間をかえて、今日はここに集まったという雰囲気だ。

あらまー。

酔っ払った老人同士がケンカをしている。

すぐそばではカラオケ大会。

日中からみなさん、壊れています。

でもいいや。

ダンボとこうして元気にお花見に参加が出来たことが、なにより私は嬉しい。

いつからか、花見のブルーシートには花見犬なるものがついて来るようになったみたいで、今日もあちこちのグループでワンちゃんが同席している。

ダンボはここのグループの花見犬だよ。

しかし相変わらずダンボはこういう場所は嫌いな様子。私の膝でイヤそうに座っていたのだが・・・。

やはりさすがは動物。

イヤそうに座っていると見えていた時、本当はダンボは食べ物をどうやったらゲット出来るのかについて考えていたのだ。

ぴょーん。

パクっ。

「あーーーっ」

少し離れた場所にあった太巻きをパクっとくわえて逃げて行った。離れた所に行って急いで太巻きを食べているダンボの顔は、小型犬ではなく獰猛な肉食獣。病院に通うようになって、より一層口にするものに気を使ってきたのに、お前は私の気持ちをちっともわかっていませんね。

ダンボが花見に参加するのは、多分4回目ぐらいじゃなかろうか。

<お花見なんて大嫌い>

お花見の時期は、普段は落ちていない物がいろいろと落ちている。”お花見が大嫌い”なフリをして、ダンボはその後もまた落ちたエビを見つけて拾い食いをした。

「あっ、ダメ!」

ショック。
道にエビが落ちているとは思わなかった。

桜はごったがえすこの花見客達を見下ろして、何て思っているだろうな。

桜さん、騒がしくてすみませんね。

お酒が好きな人が約8割。
花が好きな人は約2割。

今日の日もまた心に残る春の思い出になるんだろう。

こういうのを幸せっていうんだ。

満開の桜の下で、人々の笑顔も満開に咲いていた。

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2009年04月06日

夕方のニュースでまた、スーパーでの万引きGメンの特集をやっていた。

「あの女性が不審な動きをしています」

「了解、では監視します」

「あっ。こちらの動きに気付いたかもしれません」

「一旦、通り過ぎます」

こういう特集を見ている時、私はここに出て来るスーパーが特殊な場所に思いながら、フィクションの世界を眺めているような気がするのだ。

「今、女がカバンに入れました」

「レジで会計をしましたが、カバンの中に入れたものはそのままです」

思えばもう長年こういう万引きの特集を見て来た。同じ手口で万引き犯は万引きをし、同じように捕まえられている。私が捕まえる側だったら、長年に渡って同じことばかりを繰り返されて本当にガッカリした気分になるだろう。

それにしても・・・

毎度思うこと。

万引きGメンって、自分がよく行くスーパーにも居るんだろうか。3店舗共気配を感じたことがないので、どうも自分の身近なスーパーには万引き犯もGメンも居ないように思うのだが・・・実際のところはやはり居るのだろう。そう言えば、母方の祖母が一度トイレットペーパーを万引きしたと言って万引きGメンに連れて行かれたことがあった。結局店側の勘違いだったということがわかり、後日スーパーの店長さんが菓子折りを持って謝りに来たのだが、それが保谷駅前のSスーパーだ。やっぱり大手スーパーには監視員が常駐しているのだろう。

今日の私はスーパーに行って、万引きGメンが歩いているのかどうかを探していた。

品物でないものを探す姿は、これまた不自然。

「あの女の動きが少し怪しいですね」

「了解、監視を続けて下さい」

万引きGメンはプロの人なので、気を消すことが出来る。

きょろきょろ。

私は万引きGメンを見分けられず・・・、しかし私の方は恐らく「要注意人物」としてしっかり監視をされていたのであった。

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2009年04月07日

西川峰子さんのアルバムのレコーディング。今日は午後にトランペットの上石さんに来てもらって、その後2曲分のトラックダウンをする。今ではスタジオはインターネットが繋がる場所が多いので、作業の待ち時間はパソコンを繋げられる。パソコンを持って来ると有効に時間が使えるので、トラックダウン作業の時は特にだ。

上石さんの演奏もエンジニアの大西さんの音作りもすごくいいので、お二人の引き出しにあるものを頂けた感じがする。私にとっていい録音というのは、自分にはないその人ならではの感性や引き出しをもらえたように感じた時がベストで、そこが目指したい所だ。少しずつ方向を変えながら進んで行く、直進するのでなくほんの少し向きを変えつつ進む。そこにふくよかな力が備わるような気がする。そういう物作りがしたいなと思う。

「いいですね!」と自分が口にする時、口だけの「いいですね」は絶対に言わないのが信条だ。

アレンジという立場で音作りに携わることも、最近は少しは機会を頂くようになった。”作品を預かって形にする”時、根拠はないが、いい物に仕上げることを「信じる」気持ちが強くなった気がする。自分の曲を仕上げる時はもうちょっと先行き不安な気持ちになるので、ちょっと不思議な違いだ。

私が携われるのは、このレコーディングという短い時間だけ。後は良くも悪くも、そのアーティストが作品を抱えて長い時間を共にする。

昨日より1ミリでも澄んだ悔いのない邪念のない物を、作りたいと心から思うのだ。

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2009年04月08日

月曜日に結膜下出血をやってから今日で3日目。右の白目がベットリ血の色で痛々しいままなのだ。

「結膜下出血」を知らない人には、充血といった風貌ではなくて血のりがベットリついている感じが、重傷に見える様子。私は今までに何度かやっているので、今では「またやったんだ」と落ち着いて考えられるが、それでも最初はビックリしたのだ。

結膜下出血は、痛々しい見た目とは違って本人は痛くも痒くもない。ダメージとしては蚊に刺された瞬間ぐらいの痛みだろうか。今回はプールの帰りにバイクに乗りながら蚊に刺された痒みを感じたので、信号待ちの時にミラーで顔を見たら出血していた。

目薬も投薬もない。自然に体に吸収されるのを待つだけだ。1〜2週間で元に戻るしくみになっているのだが、その間は「どうしたんですか」と心配そうに声を掛けられるので、かえって申しわけなく思ったりするのだった。

見た目と違って痛くないんですよ。

って、何回言ったかなぁ。

と、言いつつも鏡を見る度に「どうしたの!」と尋ねるもう一人の自分が一番回数が多い。

やっぱりちょっと痛々しい。

見た目と内情とのギャップがとても大きい「結膜下出血」なのだ。

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2009年04月09日

代官山「晴れたら空に豆まいて」にてライブ。

今年のライブの目標は新曲を出来るだけ多く演奏したいのだ。今日は初めての曲が2曲ある。今日のライブで演って、それからまた歌詞を変えたくなるかもしれない。やっぱりボツだな・・・と二度と演奏しない曲になるかもしれない。そういった過程も含めて身近な距離でライブが出来たらいいなぁと思っている。

プール通いのおかげか、少し肺活量が増えたので、前よりも声の調節が出来るようになって、そうするとメゾピアノぐらいの音量のニュアンスが出せるようになってきた。

「声がちゃんと出ないことを気にされているようですが、今の歌い方、好きですよ」というメールをファンの方から頂いたことがあって、その言葉は多分とても大きく私の背中を押してくれたように思う。

今出来ることって何だろう。
今日出来ることって何だろう。

頑張ってみたい。
私は音楽という課題で。

私の今日はこんな感じです。

ハウ、アー、ユー。
君はどんな感じですか!?

いろいろあるけれど、前にまた進んで行きたいね。

そんな風につぶやきながらピアノの前に座っている。

人は何度も会える人を人生のうちに何人持てるのだろう。

ライブも一期一会だ。

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2009年04月10日

プールに通うようになって1年半。途中間が開いたりしつつもプールでのウォーキングは続けていて、ふとある変化に気付いたのだ。

最初にここに来た時から見かける利用者さんが、この1年半で確実に痩せた。あの人もこの人も、どれぐらいか前までは”プールで頑張って運動しているわりに、みんな体型って変わらないのねぇ”という感じだったのに、この春ぐらいになって「あれ?」と、様子が変わってきたのだ。

みんなちょっとずつシェイプされている。

同じ人かなぁと確認する人も少し居る。

プールで体をシェイプアップさせるなら、来れる時に来て、それを無理なく継続すれば、1年半で効果が出るということなのかもしれない。

”あの人も!”

”この人も!”

ついチラチラと見てしまう。

イチ、ニー、サン、シ。

ところで私はどうなんだろう。

う〜〜む。
一番変化率が小さいような気がする。

しかし、継続は力なり。

プールはお勧めなのだ。

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2009年04月11日

ブ〜〜ン。

「としまえん」を目指せ。

トイザらスで買いたいものがあって、調べたら最寄りが練馬のとしまえん店だった。

地図で見ると簡単な道順で行けると知って、取り合えず向かうことにしたのだが、思っていたよりもうんと早い時間に到着をした。

トイザらスのとしまえん店はとしまえん遊園地のすぐ横にある。としまえん遊園地は子供の頃、夏休みに祖母の家に来た時に必ずと言っていい程、プールや遊園地に連れて来てもらった思い出深い場所なのだ。流れるプールや遊園地内にある乗り物は大阪にはその頃なかった規模のもので、華やかな東京のレジャースポットとしての記憶がある。

入ってみたいなぁ。

外から中をしばらく眺めていた。

が、夕方の時刻になっていて閉館まであと少しだったことと、一人で入るのがちょっと勇気が要ったので結局しばらく立ち止まってそこに居るだけで終わった。

一人ちょっぴりたそがれて。

本当は多分・・・としまえん店が近かったから、ここのトイザらスに来たんじゃなかった。
”としまえん”に惹かれて来たのだ。

思ったより近かったとしまえん。
保谷駅近くにあった祖母の家からも割と近かった。

うん。だけど、そう。
ちょうどこんな感じ。

少し遠くまで遊びに来た感覚が同じだ。

また来てみよう。

今度はお弁当にサンドイッチを作って。

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2009年04月12日

兵庫県の日本海側で、例年より1ヶ月早く夜光虫が現れたのだそうだ。

随分昔、5月に船で舞鶴港から小樽に向かった時に見たのが私の見た同じ夜光虫だった。甲子園浜で見たのは蛍光の緑色で、日本海で見たのはハッキリした青白い光の帯。船が過ぎた後にレールのように続いていて、それはそれは綺麗な夜の景色だった。

「いってらっしゃい」

その船旅は、デビューが決まって初めて全国8ヶ所のツアーに出る最初のライブだったっけ。

夜光虫のあの綺麗な帯を見たことがない人は、もしも見る機会があればきっと感動すると思う。形があるようでないような、儚い海の波の描いた絵はとてもロマンティックだ。

近寄ってさわると幻になる。

虹とオーロラとかげろうと夜光虫。

幻はこれらのことを指すのかな、と思う。

今年も美しい幻が夜の日本海に踊る季節となった。

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2009年04月13日

普段私は家に居ることが多いので、外出をする時に吠えるダンボに何かいい対策はないかなぁと考えていて、テレビをつけて出るようになったら、外出時に吠えることがなくなった。

「じゃ、行ってくるからね。テレビ見ててね」

そんな風に声を掛けるのだが、家に帰った時に”この犬は本当にテレビを見て過ごしていたんではないだろうか”と思うぐらい、いい位置に座っていたりすることがあるのだった。

テレビを見ながらウトウトしていた・・・という状態で、今日も寝ぼけた顔をこちらに向けていた。

私が留守の時。

ダンボは本当に羽根を伸ばして過ごしているのかもしれない。

二足歩行で部屋をウロウロし、時にはパソコンで調べものをする。犬の手で扱える家電は今は多い。パソコンでメールも打てるし、テレビのチャンネルだって変えることが出来る。電話もかけられるし、ヒーターや冷房もワンタッチだ。出来ないのは冷蔵庫の扉を開けたり、洗濯をするといったことで、考えてみれば世の中の便利は犬が使えるように、という基準になっているのではないか。

私がわざわざテレビをつけて外出する必要はなくなった。

多分もう随分前から、ダンボはテレビが見たくなると自分でスイッチを入れて見ていたのであった。

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2009年04月14日

渋谷HOMEでのライブ。

今日は長い音楽仲間のトランペットの辰巳くんとのコラボ。普段温和な人なのだが、一度楽器を持てば何にも動じない強さがある。昔から知っていたが、こんなに頼もしかったかなぁと思う程、いいプレイヤーだと感じるようになった。

「文字」と「演奏力」は似ている。

人の文字もある程度の年齢になったら、その人の文字というのが完成する。演奏力も始めてからある一定の期間、もしくはあるだいたいの年齢で大枠は完成するのだと思う。その後はいろんな音楽の場所での経験や、あとは人としての経験が「演奏力」を「演奏」へ成長させてくれる糧となってくれるのだと思う。

辰巳っちと一緒に居ると、妙な安心感が自分に起きるのはプレイヤーとして自立していることが大きいと思う。

長い付き合いの音楽仲間が尊敬出来ることは、私にとって幸せなことの一つ、辰巳っちはいつの間にか音楽をやっている人として尊敬する存在に変わった。

今日は天気予報通りの東京は冷たい雨。

また一緒に演奏がしたいトランペッター辰巳くんだ。

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2009年04月15日

今年ももうすぐゴールデンウィークがやって来る。

平均休日が5.5日、多い人で半月程の休みになるのだそうで、今年は高速料金が安くなるのを利用して車で出掛ける人がきっと多くなるのだ。

いいなぁ、ゴールデンウィーク。

私はゴールデンウィーク頃の陽気が大好きなのだ。

ブーンとバイクに乗って出掛けたくなる。とは言っても都内が行ける範囲になるだろうが、上野公園辺りをブラっとしたいなぁと思う。上野公園の近辺は美術館も多いし、あとは池や公園など緑が綺麗なエリアと新旧素敵な建物が建っているので、ちょっとした旅気分を味わうことが出来るのだ。

いいなぁ、上野。

上野まで来たら浅草はすぐそこ。前はコミュニティバスに乗って行ったが、バイクでそのまま行っちゃった。という行きあたりばったりな感じがすごくよい。そうして私は浅草の方にフラフラと行くのであろう。

来ちゃった。
浅草。

ところが浅草に来ると、浅草めぐりより今度は私は船に乗りたくなるのだ。駅そばには隅田川のウォーターフロントライン系の船が出ているのだが、私はどうも昔からこういう船に乗ってプチ観光をするイベントが好きなのだ。昔はデートで彼氏にこういうものに付き合わせていたが、今はもう一人立ちしたので一緒に乗ってくれる人なんて居なくてよくなった。

「船、乗っちゃおうかな」

バイク置き場にバイクを止め、私はきっと船に乗ってしまうのである。”また、ここに戻って来る”という前提で・・・・。

しかし、これが間違いなのである。

船に乗ってお台場まで行くと、今度はせっかくだからゆりかもめに乗ってみようという気分になり、浅草にバイクを取りに戻ることを”最悪、明日取りに行けばいいんだし”といった”明日まわし”的な発想にだんだんなっていくのである。

「お腹、空いたなー」

何故かふとインドカレーが食べたくなり、インドカレー屋を探して品川、丸の内と流れて行き、ようやく店で食事を終えたらもう夜の10時。

「疲れちゃったなぁ」

東京駅から中央線で座って帰りたくなり・・・・。結局東京から電車に乗って阿佐ヶ谷駅で降り、タクシーに乗って家に帰るパターンになるのである。で、次の日浅草までバイクを取りに行くという所までが、私の「上野までブラっと行く」の全貌になるのだ。

そうして過ごしても、誰もそうやって過ごしたと知らないまま、それが私の暮らしなのである。

ゴールデンウィークっていいなぁ。

私は多分、バイクに乗れる猫なのである。

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2009年04月16日

「ゴキブリがいなくなるスプレー」という新しい商品を買った。

CMによると、スプレーをシューっとかけておくだけでそこにゴキブリが近寄らなくなるらしい。効果は持続性なので2週間に1回シューをすれば、やがてゴキブリが来なくなり、姿を見なくてすむ。ということらしい。

そうなのだ。

ゴキブリ嫌いの人間は、ゴキブリに死んで欲しいわけではない。ただ、ゴキブリを家の中で見たくないだけなのだ。

なんで今までそんなことに気付かなかったのだろう。

なんて画期的な品なんだろうと感動をして、早速買いに行ったのだった。

シューーーーー。

今までゴキグッズと言えば、ゴキブリに向けてシューーーするしかなかった。シューしながら体じゅうにサブイボは立ち、私にとってはあのシューーータイムは苦行以外の何ものでもなかったのだ。

それが、今日は楽しくシューーーが出来ている。

トッテモー、タノシイデース。

よく物件探しのこだわりで、「風呂付きアパートに住みたい」「キッチンが広い部屋に住みたい」「南向きの家に住みたい」は聞くが、私は「ゴキブリが居ない家に住みたい」が希望だったのだ。

だが賃貸物件で「ゴキブリ少なめ」「ゴキブリやや多い」などの表示はなく、ゴキブリは各自で対処するしかなかった。

「ゴキブリホイホイ」のように中にゴキブリが入ったゴキブリハウスを触らなくてもよい。バルサンのように煙を焚いて後に死骸を拾うこともない。ましてや動くデカゴキに向かって普段テレビゲームもしない私が急に格闘するなんて無茶もせずに済むのだ。

シューーーするだけ。

本当にこれでゴキブリは来なくなるんですよね。

一番の侵入路だと思われる玄関にシューする。

信じていいんですよね。

「ゴキブリがいなくなるスプレー」

CMを見てすぐ買いに行ったら、もう在庫がわずかになっていた。

いつも思うのだが、ゴキブリにはゴキブリが居ても気にならないという人の家で暮らして欲しい。

ゴキブリを見ないで過ごす幸せを、今年こそは掴みたいのである。

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2009年04月17日

郵便割引不正事件はとても残念な事件だった。

以前、障害者用のステッカーを張った車がある娯楽施設周辺にたくさん止めてあって、路上駐車が出来るということを悪用している運転手達を取材した特集をやっていた。あれも見ていてガックリ来た。

人にはいろいろな事情がある。だが、みんなそれぞれ自分の抱えている事情をなにかしらの知恵や工夫でカバーしつつ、社会の中で生きているのだ。

知恵ってそういう風に使うものなのか。

障害者団体のスタッフの人がインタビューに答えていた。「ウチは本当にお金のない中で郵便物をなんとか出しているんで、こういう事件は悲しいです」と。”なんとかやれている”向こう側にある知恵や工夫の内容は、今回の郵便割引不正をしていた人間にはわからないだろう。

透析を週に3回受けていた病友が、「しんどくてバスの優先座席に座ったら、すごく冷たい目で見られちゃったから、座りたくても座れないんだよね」と言っていた。これは日々のうちのほんの一例でしかなく、障害者手帳を受けていても社会の中で助けが足りない場面はたくさんあるのだ。

<ちょっとぐらいいいじゃん>

と、いった考えをしがちな人がいる。本人は誰にも迷惑をかけていないんだし、と勝手に自分で決めていたりするが、その考えはどこかで誰かに必ず迷惑やしわよせを作っていて、時間が累積していけばどこかでその歪みは表面化するのである。

知恵や工夫はこんな風に使うものじゃない。

「そんなに悪いことをしたのかなぁ」

逮捕者が出たが、心の中では今もそうつぶやいているように私には見えてしまう。

”ちょっとぐらいいいじゃん”という声が、聞こえた気がしたのだった。

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2009年04月18日

今日は「お香の日」なのだそうだ。595年の4月に香木が日本に漂着したという記録が日本書記にあるらしく、「香」という漢字をバラバラにすると一、十、八、日に分けられることから4月18日がお香の日になったのだそうだ。

お香は私も好きでよく焚く。以前京都の某ホテルの玄関口でいい香りがしたので、何の香りですかと尋ねたらそれは松栄堂の「堀川」というお香だと教えてもらってから「堀川」は和の気分の時に焚くようになった。アルファステーションが北山にあった頃、近くにあった系列の「lisn」は今は青山にもお店があるので、そこに買いに行く。ここのお香は独特の品のいい香りがする。数種類お気に入りがあって、来客がある時に事前に焚くお香だ。他には日本香堂のfmシリーズ、エステバンのお香も好きで、結構お香はいろいろ試したと思う。

が、一度だけ「むむむっ」と嗅ぐに耐えられない香りのお香があった。それは某社の出しているあるお香で、その日試しに焚いてみようと買った中の一つだったのだ。

ぷぅ〜〜〜〜ん。

むむむ・・・・。

このニオイには憶えがあるぞ・・・・。

そのお香はわきがの香りのするお香だった。確かにそれはスパイス系のカテゴリーにあったが、ちょっと私にはスパイシーすぎる。こんな強烈なニオイだとは思わずに買ったので、部屋で焚いてからようやく匂いの全貌に気がついたのだった。

一本焚き終わったら、部屋の中がわきがの匂いでいっぱいになっていた。

お香の匂いだと思えられたらいいのだが、たまに電車の中で我慢をしているあの臭いを思い出すとクラクラしてきた。

よく「香りものがダメ」だと言う人が居る。

私にとってはいい香りに思えても「臭い!」と受け付けない人が居て、それを思えば私がダメだったのはあのお香だけなので、かなり匂いに関してはストライクゾーンが広いのだと思う。

あのお香は、今も廃盤にならずにあるのだろうか。

いろんなニオイフェチがいるので、貴重な種類として愛好者が居るかもしれない。

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2009年04月19日

近所に気になるハイツがあるのだ。

2階建ての築浅の、多分間取りは一部屋2DK・・・。そして恐らく合計4世帯が入居出来るタイプの賃貸物件で、そこはたまに前を通っていたのだった。

普通によくあるような綺麗なハイツだった。入居者も居るようで、特に目立つ建物でもなく私もジロジロ見ることはなかったのだが・・・・。ある時に「改装か何かするのかしら」と、前を通った時に思ったことがあった。その時は資材みたいなものが敷地に置かれていたので、何となくそう思っただけで終わったのだが、その頃からハイツに人の住む気配が少し消えた感じがするようになっていったのだった。

”まだ綺麗なハイツなのになぁ”

そして今年に入ったある日。前を通った時に振り返ってハイツを見たら、2階のベランダにズラーーっとゴミ袋が積まれているのを発見した。ゴミ袋は2世帯分のベランダに置いてあって、2階のベランダ全てにゴミ袋が積まれている状態になっていたのだ。

うむむむ。

ここでは何が起こっているのだろう。

いわゆる”ゴミ屋敷”になっちゃったんだろうか。

そして今日。

あのハイツはゴミはそのまま放置した状態で、更に2階部分の窓枠が全部外されていて、風通しの非常に良い状態になっているのを見つけたのだった。改装工事をするには荒れた状態での放置期間が長い。窓枠が外された2階はシートもかけられておらず、2階がこれでは雨ざらしになってしまうのだ。

で、1階はまだ人が住んでいる様子。

この建物、どうなっちゃったの。

見えないのに、背のびをして前を歩いてしまう。

今とっても気になるお宅。

渡辺篤史の建もの探訪で是非訪れてもらいたい一軒なのである。

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2009年04月20日

西川峰子さんのレコーディング。

今日は歌入れを2曲、それとエンジニアのKさんが録音をしたテイクを微調整しながらまとめて下さる作業をした。

レコーディングをご一緒させてもらって思うのだが、峰子さんはやっぱり歌がすごく上手い。「私、この曲上手に歌えるかしら」と歌う前に不安を口にされる時もあるのだが、2回3回と回数を重ねるごとに、歌が見張るように生き生きとしてくるので、携わる者としたらこういう歌録りはとても楽しい作業になる。

エンジニアのKさんは耳がよく仕事も早い。

2曲共いい歌が録音出来たと思う。

いい一日だった。

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2009年04月21日

暖かいなぁと思ったら、夜になると冷え込んだり、寒いかもしれないと思ってコートを着て出たら、街ではみんな軽装だったりと、4月の天気はまるで気まぐれな彼女に振り回されているような感じなのだ。

今日は小雨の東京。

彼女の機嫌がちょっと悪いらしい。

何を怒っているのかはわからないけれど、どうも冷たい気がするんだよね。

といった天気だ。

4月の春は、気まぐれな彼女の尻に敷かれて。

「勝手にしろよ」と言って彼女に合わせるのを放棄したら、風邪を引く。

あーぁ。
裸足にサンダルは失敗だった。

寒いよ・・・。

だけどさ、一体キミは何を怒ってるのさ。
早く機嫌を直しておくれよ。

今日はちょっぴり彼女の機嫌が悪い日、なのだ。

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2009年04月22日

外来日。

診察と診察の間に3時間程の待ち時間があったので、バイクで病院周辺をブラっとすることにした。

まずは何となく「北」の方に言ってみる。

まっすぐ進んでいたが、やがて大通りに出て、流れ上左に曲がることとなった。

しばらくブーンと進む。

気まぐれにまた左に曲がってみた。

”そうだ、ここって上野まで結構近いんじゃないの”

急遽予定は決定、バイクに乗れる散歩猫は、前から行ってみたかった上野公園の国立博物館にある某レストランでランチをすることにしたのだった。

以前、友人にここの博物館内にあるレストランは、とあるホテルのレストランが入っていて、美味しくてロケーションもいいので豊かな気持ちになれるとお勧め話を聞いていたのだ。その後、2度程来ようとしたが博物館までが駅から遠いので途中でリタイアした経緯があり、行きたいのに行けなかった場所としてどんどん自分の中での価値が上がっていったのだった。

今日こそ、ホテルNのランチを頂くわ。

ところが・・・・。

平日にもかかわらず、今日の博物館はすごい混雑。60代ぐらいのご婦人方がツアーか何かで来ているのか、ちょっとしたバーゲン会場のように人がやってきていて、レンストランの方に行ったが既に待っているグループが10組ぐらい、土壇場で更に徒競走のように2組のおばちゃんらに抜かされたので結構な待ち時間となったのだ。

でも、やっとあこがれのお店に来ることが出来ました。

待ち合いの椅子に座ること30分。ようやく席に通された。メニューがちょっと少ないかなと思いながら、ランチメニューのさわらのソテーのセットを頼んだのだったが・・・。

「お待ちどうさまでした」

注文して出てきた料理は、正直言って「まずい日の病院食」と同じぐらいのまずさだった。魚が生臭かったのと、それから注文をして3分ぐらいで料理が出て来るという点が謎だった。コーヒーとライスがついただけで、1980円ってちょっとどうなんだろう。というのが感想だったのだ。

しかし、上野公園の辺りって、どうも私自身は惹かれるエリアなのだ。時々、家から近いわけでもないのに無性に訪ねたくなる。そういう場所は前世で縁があった場所だったりするんだと聞いたことがある。前世占いでは私のスタートはカブトガニだったそうだが、その頃に上野周辺に生息していたのかもしれない。

博物館は時間の都合で回れなかった。

カブトガニはバイクに乗れる猫になった。

また来たいのだ。

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2009年04月23日

D−naughtライブリハーサル。

リハーサルでお世話になっている幡ヶ谷のここのスタジオは、機材やスタジオが使いやすいことに加えて、スタッフの対応が気持ちがいい。全部で3店舗あるが、どこを利用しても対応もきちっとしているので、安心して電話も出来るのだ。

最近はリハスタも丁寧な対応をしてくれるところが増えた。で、丁寧な対応をしてくれるスタジオは機材のメンテナンスや使い勝手も工夫がされているので、スタジオに行かなくても電話を掛けてみた時の応対で、だいたいそのスタジオがどんな感じなのかがわかると思う。

昔、付き合っていた彼氏が貸しスタジオでアルバイトをしたことがあったが、話を聞く限りすごくイヤなスタッフだったと思われる。

「オレより若いヤツにエラそうにされるのが許せん」「オレより下手なヤツに頭を下げるのが腹が立つ」とよく言っていて、必要以上にピリピリしていたのだ。その頃はスタジオのバイトはバンドをやっていてギラギラした兄ちゃんがスタジオ番に居たりすることも少なくなかった。なので、お客さんをお客さんだと思わずに”練習に来る下手な後輩”だと勝手に見下しているバイトくんも居て、昔の彼氏はその典型だったのだ。

今はスタジオ利用の際に、「様」を付けられることもある。昔の扱いからするとビックリするほど丁寧で、というか、スタジオもようやく普通の社会での流れに沿うようになった。

私もうんこ座りをしていた怖い者知らずのフリーターから、今はだいぶ丁寧語でスタッフの方との会話が出来るまでに成長をしたのである。

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2009年04月24日

パーマとカットで美容院に行った。

家の近くに可愛い外観の美容院があって、ここは前から気になっていたのだ。

この辺りは店が少ない。ワンちゃんのお散歩コースだったり、ウォーキングやジョギングをしている人も居て、それにテニスコートだってある。ここら辺は「急いでどこかに行かなくちゃならないヒト」ではなく、ちょこっと豊かな時間を何かの間に充てているヒト達が往来しているので、カフェやレストランが一軒ぐらいあったっていいのに座れる場所は川沿いのベンチしかない。

だから、この美容院を見つけた時は「やっと可愛いカフェが出来たわ!」と一瞬とても喜んだのだ。

美容院は姉妹でお店を構えたのだそうで、置かれている雑貨や植物などが可愛いらしい。髪をやってもらいながら、「この辺りに可愛いカフェやレストランがあればいいのに」という話で一致した。

「お店、そんなに難しくないですよ」

「なんとかやっていけるもんですよ」

「思い切ってやってみられたらいかがですか」

「絶対流行ると思う」

妹さんが冗談まじりに勧める。

カフェや雑貨は大好きだ。自分に経営力があると思えば、もちろん店を開く側になるべく目標をたてているだろう。だが、どう考えても私にはその才能がない。ガレージセールやヤフーオークションで着なくなった服を売ったりしたが、我ながら”これじゃ子供のお店屋さんごっこだなぁ”と、商売人に向いていない感じがしみじみしたのだ。

しかし、美容院の姉妹との会話で”家の近所はカフェやレストランがあって欲しい場所”なことがやはり事実なのだと思った。

うんと前、実家では「この駅に急行が止まりますように」と願い、前に住んでいた家では「近くにコンビニが出来ますように」と願い、今は犬の散歩をしながら、「ここはカフェになりますように」「ここにレストランが出来ますように」と願っている。

またここに引っ越して来て、他人の敷地や家をジっと見ている気持ちの悪い女性になっているのである。

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2009年04月25日

レコーディングで新宿御苑そばの某スタジオに行った。

ここはビルの地下一階にある。上の階は一般の会社が入っていて、平日は人の出入りが多いのだが、今日は土曜日で上の階にある会社は全てお休みみたいなのだ。

平日はエレベーターが頻繁に利用されていて待ち時間があったので、最初は空いていていいなと思っていたのだが、夜になって来るとちょっと寂しく不気味な感じがしてきた。

前回、音楽スタジオには幽霊が出る所が多いという話題をエンジニアのKさんとしたところだ。ここのスタジオも見える人には見えるらしく、生首を見た人も居るなんてことも聞いてビビったのだったが・・・・。

このビルは、女子トイレが2階と3階の間にある。エレベーターで上ってから、階段を下りてトイレに行くのだが、一人でエレベーターに乗ってシンとした上階で下りて、そこから人気のない階段を下りて更にトイレの電気を自分でつけて一人でトイレの奥まで行くというのが、夜が更けていくにつれだんだん憂鬱になってきたのだ。

さすがに「トイレについて来て下さい」とは言えないので、勇気をふりしぼって行く。こんな日ほど、トイレに度々行きたくなってしまうのだ。

急いで手を洗って急いでトイレを出て、急いで地下に戻る。急いでもせいぜい2秒ぐらいしか時間は短縮出来ないのだろうが、とにかくトイレに行くのが怖いというのは久しぶりかもしれず、ずっと心の中で「こわい、こわい」とつぶやいていたのだった。

しかし何度目かのトイレの時、ふと鏡を見たら、恐怖に怯える自分の顔が何よりも恐ろしい表情になっているのに気がついた。

「生きている人間が一番怖い存在なんですよ」

と、いつだったか誰かが言っていた。

鏡を見て私も思った。

<自分の顔が怖い。>

化粧のノリやブサイク云々を越えていた。

何かに怖がってビクビクしている時、本人は自分自身のことを小動物か何かになっているつもりだが、見た目は恐怖マンガに出て来る斧を持った老婆の顔にそっくりになっているのである。

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2009年04月26日

リハーサルが終わって、ミホちゃんとなっちゃんの3人でご飯を食べに行った。

2人は気付けばもう長い付き合いになる。でも3人でご飯を食べるのはどれぐらいぶりになるんだろう。10年以上は開いているはず・・・・

もう思い出せない遠くの点と点が繋がって線になる。

会わなかった頃の話は、そんなに重要じゃない。だってお互いいろいろあったに違いない。

何かで「女性はしばらく会っていない人と再会したら、”連絡もしなくてごめんね”という会話になることが多いが、男性は昨日も会っていたかのように間が開いたことについて触れない」と書いてあって、男性的な再会っていいなと思ったことがある。

空にはたくさんの星があって。

星と星を結んで星座を作る。

人の歩いて来た道にも、無数の星がある。

それらを繋いだら、暗い闇を照らしてくれる明かりになってくれることがある。

出会った人達は星だ。

何でもない話が楽しかった。

そうだね。

明るい星が「明日も頑張ろうよ」と帰りの駅までの道を照らしていた。

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2009年04月27日

お隣に住むご婦人は、旦那さんを亡くされてから一人暮らしをしておられる。息子さんからもらったネコちゃんが去年だかに同居人になったみたいで、時々動物の会話になることがある。

「ジャンボは元気?」

私がいつも「ダンボ!」と叱っている声で、名前を覚えて下さったんだろう。しかし、惜しかった。ご婦人には「ダンボ」でなく「ジャンボ」と聞こえていたのだ。

確かにチワワにしてはジャンボサイズなのだが、冷静に見れば子犬サイズの大きさなので、「ジャンボ」となれば完全に名前負けしている。

当のダンボは「ジャンボ」と呼ばれると反応をしている。私が「バンビ」と呼んでも反応をしないので、「ジャンボ」は「ダンボ」に近いらしい。

「ジャンボは元気?」

「はい、元気です」

いいよね、別に。
ジャンボでも。

私も3年間お世話になったゼミの先生に、「吉田さん」と呼ばれ続けた。女子生徒が数人しか居ない中、名前を覚えてもらえないってどういうことなんだろうと思ったこともあったが、「吉川です」と言い直すことにも、あまり意味を感じなかったので、「吉田さん」を満喫させていただいた。

ダンボの名前は血統書上では「エキサイター・オブ・アライ」。”新井さんちの刺激的なヤツ”という妙ちくりんな名前だ。

ダンボにジャンボに新井さんちの刺激的なヤツ。

いろいろ名前を持つ、贅沢な犬なのである。

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2009年04月28日

D−naughtライブで六本木に行く。

リハーサルの後、自分の出番まで時間があったので、六本木ヒルズにちょこっと出掛けることにした。

いい衣装があれば買いたいなということもあったが、洋服の値段って本当にわからない。なんでこんな安っぽそうなTシャツが26000円もするのか。と理解出来ないアーティスティック値段のものがあったり、そうかと思えば2900円でワンピースが買えたりもする。値札をペロっとめくる時は、「クイズ!ハイ&ロー」的なクイズの回答者になったみたいで、「これは7800円といったところでしょう」と思ってめくると「59000円」という答えを知る。

私はしょっちゅう「何でやねん!」と心の中で叫んでいる。「なんでなのか」の理由が書いてある値札って、一度ぐらい見てみたいのだ。その理由に感動すれば、例え59000円の品であっても、リボ払いにして買うことは私にも可能なのである。

六本木ヒルズのRというお店に入った。

ここは割といいお値段のするカジュアル系のお店なのだが、やはり「可愛い!」と思った品は予想より2倍程高い値段だった。「理由もなく金額だけが表示されている値札」のままでは財布を開くことは出来なかったのだ。

「いらっしゃいませ」

「よかったらご覧になって下さいね」

値札に憤慨して店を出ようとしたら、めずらしくすごく笑顔の素敵な青年が店員さんであることに気付いた。

めずらしく、知らない人に「素敵なひとだわ」と胸キュンした瞬間であった。

一瞬、乙女な私になったのだが・・・

値札を思い出すと、紅潮した頬は消えた。

<あなたと私の間には深い溝があるの。>

<それに、そろそろ戻らないと>

そうしてシンデレラは店をあとにしたのであった。

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2009年04月29日

随分昔、丁度今ぐらいの時期に、大学1回生の時のゼミの初めての親睦コンパがあった。H教授のクラスは30人弱、女子生徒が数人という内訳になっていて、週に1回しかゼミクラスは開講されなかったので、みんなまだ友だちになれていない関係だった。

場所は金閣寺に近い西大路通り沿いにある中華料理店。

ゼミのH先生は当時35歳ぐらいだったんじゃないだろうか。ご結婚されてそんなに経っていないような話で、おとなしく育ちのよさそうな男性なのだが、見た目のおとなしそうな雰囲気と変わって、乾杯の音頭を取った時に「今日は僕のおごりなので、みなさん楽しんで下さい」と太っ腹なことを言ったのだった。

<大学教授ってすごいんだなぁ>

そう思ったのを覚えている。

コンパはその後普通に盛り上がった。まぁ未成年でお酒を飲んだ人が結構いたということはあったが、それ以外はよくあるコンパの一次会といったムードだった。

そして店を出たら二次会は喫茶店に行くことになった。

二次会の喫茶店にて。

「あら」

先生が具合いが悪そうに、店の隅っこに座っているではないか。

飲み過ぎちゃったんだろうか。そうでなければ、先生は持病があると言っていた。もしかしたら具合いが悪くなられたのかもしれない。

「先生、大丈夫ですか」

女子数人で声を掛けると、先生は生気のない顔でこう答えたのだった。

「みんなに奢ると言ったけれど・・・・、」

「こんなにお金を使うとは思ってもいませんでした」

えぇ〜〜〜〜〜っ。

「10万円、下ろして来たんですけれど」

「まさか使ってしまうとは・・・」

そうしてガックリとうなだれるのであった。

まぁ・・・・30人が飲み食いすれば、10万円ぐらい行くかもしれない。

男子達はそういうことも知らずに、「ここの喫茶店も先生の奢りですよね〜」なんて調子のいいことを言っている。

そんな中教授はひとしきり「どうしよう」「どうしよう」と暗くうつ向いているばかりなのだ。

他の女子は何て思ったかは知らない。

だが、18歳の私はあまり同情的ではなかった。そんなに暗い顔をするのなら、明るい顔で「すまない、ちょっとやっぱり徴収させてくれ!」と言ってくれたらいいのに、先生頑張ってよと思って黙って聞いていたのだ。

H先生は、ひとしきり落ち込んだ後でヤケになって暗い声でこう言った。

「もうみんな、パフェでも何でも食べて下さい」

別に奢ってくれなくていいよ、先生。

<大学の先生ってすごいんだなぁ>

と、思った3時間後。

「この人、ちっこいわ」と心の中でつぶやいたのであった。

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2009年04月30日

マスクの季節が過ぎれば、鉄仮面の季節がやって来る。

UV仕様の仮面風サンバイザーをかつては笑っていた私も今ではすっかり愛用者となった。この仮面をつけたらUVカットはもちろん、向こう側からはこちらの顔が全く見えないので、すっぴんのまま気軽に買い物に出掛けられるというのが何より有り難いのだ。

しかしながら「仮面」はやはり存在感があるらしい。よく「再度見直される」形でジロジロと人から見られている。人というのは目が合わなければ興味のあるものはジロジロ見てみたいという心理が働くのだな、ということがわかったのだが、おかしいのは私からは本当は見えているということなのだ。

”まぁ、顔が全部隠れているわ。このヒト”

と、ビックリ目で堂々とこちらを見ている無防備な様子を、逆に私に直視されていることに気がついていない。

このUVサンバイザー、互いに動物園の檻の中を見せる役割を持っている。

「他人に知られずに、覗き見が出来る不思議なサンバイザー」

・・・・というグッズ。文言だけ取り上げてみたら、これって「王様のアイデア」に置いてそうな品ではないか。

鎧兜を被って私もいざ出陣。

図書館へ本を返しに行って、それからドラッグストアで洗剤を買ったら帰りにスーパーでイチゴを買わなくちゃならぬ。

ダン坊よ。
キミは城で待っていなさい。

ひひひ〜〜ん。

黄色い馬に乗ってぶぅうううんと城を出たのであった。

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