2010年01月04日 |
2010年、初夢が悪夢だった。
夢の中で私はビルの中に居た。そこで爆発が起き人々が一斉に逃げるのだが、私は出遅れてしまい「あぁ、もう自分はダメだな」と覚悟をしあまりのショックで目が覚めたのだった。こんなに動悸がする状態で目覚めたのは初めて。多分私の脳が「これ以上夢を見させていたらショック死する」と判断したと思われるのだ。
<ゆ、夢だったのかぁ・・・・>
動悸がおさまって、ホっとしてまた眠ったのだが、そこでは次の悪夢が待っていたのだった。
今度の夢では実家近くの住宅街の中に私は居た。亀田くんの家の隣と隣の家で何か事件があったらしい。前を通りがかったら警察の車が止まっていて、どうもそこで猟奇殺人があったようなのだ。近所の人が何人か集まって現場を見ていて、のどかな実家の住宅街でこんなことが起きるだなんて・・・と、初夢はイヤな夢の連続だったのだ。
悪夢は逆にいい夢だと言われることもあるが、ショック状態になって目覚めるというのは健康上あまりよくない。私の脳みそもイタズラが過ぎるなぁと思う。
ダンボと一緒に自転車で近くの八幡宮にお参りに行き、川沿いの道を帰る途中で早くも菜の花が咲いているのを見つけた。
ひょろっと痩せた菜の花。
あれ?なんで?
と、思ったら一本だけでなく数本が咲いていた。
春はまだだよ。今はお正月だよ。
時計は回る。ゆっくり回る。
せっかちはダメですよとおみくじに書いてあった。
今日ぐらいの自転車のスピードで進めたらいいな。
行こう、行こう。
みんなに2010年が始まった。
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2010年01月05日 |
スーパーに買い物に行ったら、エレベーターを降りた所に大きく「今日はいちごの日」と書いたポップが張ってあった。
なるほど、1月5日だから「いちご」なのか。
しかし、なんでそれでいちごが1パック498円なのだ。ゴルフのホールインワンだったらホールインワンを出した人がご祝儀を出す。お誕生会の日にはお誕生日の人がケーキやお寿司の食べ物を用意して友達を招いたりするじゃないか。
私はいちご大好き購買者。いちごが市場に出回る一年の2/3いちごを買い続けているのだから、「いちごの日!」と言うのなら、この日ぐらいいちごを振る舞ってもらいたい。だいたい500円近い値段で「いちごの日!」と言い切られても納得がいかない。それは私からすればちっとも記念日じゃなく、とてもじゃないがいちごに対してお祝いをする気にはなれない。それならば「いちごの日」とせずに「いちごを買って欲しい日」と表記してくれたほうがうんとわかりやすいのだ。
買わないぞ。
今日は買うもんか。
頑なに前を通り過ぎたのだった。
前も夏のある日、タクシーに乗ったら車内に「8月5日はタクシーの日」というのが貼ってあって、<あら、それって今日じゃない?>と偶然タクシーに乗ったことで縁を感じていたのだが、「今日ってタクシーの日なんですね」と運転手さんに話しかけたら「そ〜みたいですねぇ」と他人事な返事が返って来て脱力した。当然そのタクシーの日にタクシーに乗っても何の変化もなく、タクシーの日のいわれについて説明も受けず・・・、だったら私も毎日誕生日だと言おうかと思ったぐらいだった。興味のない乗務員の車へのステッカーを印刷するより乗車した客に配るティシュを作ってくれた方がうんとよかったと思うのだ。
いちごの日にいちごを買わなかった。
498円の値段は、今日は5000円ぐらいの値札に思えたのだ。
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2010年01月06日 |
今年は寅年。
そう言えば私はトラにおしっこをひっかけられたことがある。あれは京都の岡崎動物園でのこと。あそこの動物園はフラっと訪ねやすい場所にあるのと、こじんまりした所が「公園にお散歩に行く」感覚になれるので、好きでたまに行っていたのだが、その日はトラの檻の前でトラを見ていたら、トラがこっちに向かってきて「シッ」とおしっこを飛ばしてきたのだった。
煽ったりしていない。トラに話しかけたわけでもないし、騒いだりもしない。ただトラの檻の前に来て「トラだなぁ」と思っていたら、トラにとっては「なんかムカつく」存在だったようで、数人の人が檻の前に居たにもかかわらず、トラは私を標的にしたのだった。
そこの動物園のトラはムカつくとおしっこをひっかけるのだそうだ。どうも私はネコ科の動物にムカつかれるようなのだ。
そんな干支だが、来月ぐらいになったらもう今年が何年だったのか曖昧になっていくのだろう。
干支は今ではお正月にしか用いられない「季語」のような存在となったのだ。
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2010年01月07日 |
新聞を見て、あぁ嬉しいなぁと思う瞬間は、医療関係の新しい発見についての記事を目にした時だ。
そこから実際の治療に至るまでがまた長い道のりになると思うのだが、それまで解明されなかった未知の世界の扉が開くということは、本当に素晴らしい出来事だ。
私の重症筋無力症も、今は治療方法があり決して亡くなる病気ではなくなった。だが昔は呼吸困難で亡くなる患者さんも多く、私が今こうして社会生活に戻れていること自体が魔法をかけてもらっているようなことなのだ。
時々ふと思う。自然の法則に逆らって私は命の続きをもらったのかなぁと。だが、だからこそその分有り難く時間を無駄にせずにいようという気持ちがある。かつては日常でそれを意識出来ること自体なく、無意識に持っているものに対しては考えることもなかったから、日々何かの折りにこのことについては頭をよぎるのだ。多分魔法をもらった人達は、一度はこんな風に何故自分の今があるのかを考えているのだと思う。
大きな発見がその先の道を明るく照らす。
こういうニュースを見つけると、「早く早く」と早く次の一歩に進まないかしらとせっかちな気持ちで記事を読んでしまう。
暗いニュースが多い中、光がそこだけスっと差す発見のニュースだった。
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2010年01月08日 |
帰りに百貨店に寄ったら売り場に袴が展示されていた。
もうすぐ成人式だからなんだろう。
私は袴を履いたことが一度もないのだ。振り袖は着た。ウエディングドレスは20代前半に2着着て写真にも残しているので、心残りはないのだが、袴だけは機会を逃してしまったので、未だに袴を見るとあこがれの気持ちがムクムクっと沸いてくる。
凛としていて、でも優雅なところがある袴姿。
あぁ〜あ。一回は着ておけばよかった。
そんな想いがあるので、私は袴を見かけると前で立ち止まって眺めていたりするのだ。
<どうやって履くのかしら>
<これって、風が入ってきてスースーするのかしら>
<トイレは不便じゃないかしら>
履いたことがないので、まず「仕様」についての疑問が浮かび・・・。
<着ておけばよかったわ>
<もう、今更無理よね>
などと考えていると3分ぐらいは経っている。
<ハッ>
ここで夢から覚めるように、通行人の人達のことが視界に入って、そうすると急に”今自分が物欲しそうに袴を眺めていたのを、この人達に見られていた”といった自意識過剰モードになるのであった。
<私が着るんじゃないんですよ>
<娘のです>
可愛いなと思って中に入ったら、10代の子達が来るような店だった時も私はフェロモンならぬ<私は娘の洋服を選びに来ているお母さんなんです>オーラを途中からプンプン出しまくって、そしてなんとかその店を出るまで妙なバランスを取っているのであった。
今や<着たいなぁ>と思っても、着たらコスプレのジャンルに行ってしまう服が増えた。
思春期とはまた違う意味での微妙なお年頃なのである。
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2010年01月09日 |
土曜日は家でテレビを観るのが好きなのだ。それはテレビ番組があまり変わっていないことも理由の一つ。長い間続いている番組というのはなんとなくこっちにも愛着がある。テレビの中ぐらいはあまり激しい入れ替わりのない状態の方が、私の場合は落ち着いてのどかな気持ちになるのだ。
朝は、「旅サラダ」で温泉やプチ旅行を楽しみ、それからは「ぶらり途中下車の旅」で東京の身近な路線の街を私も一緒に散策をする。昼になったら「メレンゲの気持ち」にチャンネルを合わせ、ゲストトークに「うんうん、そうなの~?」とテレビの前で頷き、後半は石ちゃんの「まいう~~」の笑顔に「私も食べたいわ」とそそられる・・・。
そして日が暮れて雨戸を閉める頃になると「人生の楽園」にチャンネルを合わせる。田舎暮らしはあこがれだが、今や私は近くに大きな病院があるかどうかが自分の住む町の条件から外せなくなってしまったので、山奥で木を切りながら生活をしたり、無人島に渡って一から生活を始めるなんてことは、怖くて出来なくなったのだ。いいなぁ。こういう暮らし。そうねぇ・・・、ピザが焼ける石釜を作りたいわ。で、家具は少しずつ気に入ったものを作り足して行く。つるバラを這わせて、花は絶えないお家にしましょうよ。・・・なので、私はこの番組の間だけ、つかの間想像上の旦那に話しかけて、想像上の田舎暮らしをしているのである。
7時になるとテレビ東京が2時間枠でやっている旅番組にチャンネルをかえる。私はこの温泉宿系の番組を見ながら夕飯を食べるのが、土曜日の中で最も至福の時なのだ。絶景温泉や温泉宿での豪華カニ料理を食べている出演者を見ながら、私は明太子スパゲティを食べていたりするのだが、それは普通にレストランに行って友人がスキーキセットを頼んだのに対して、「私はパスタにするわ」というのと同じなので、全然違和感がない。
そして9時、同じチャンネルの「出没!アド街っく天国」というこれまた東京の町を毎週1つずつ特集する番組があって、それをつけている。この辺になってくると、「へぇ〜、そうなの?」と私はテレビに向かってしゃべりかけている。で、必ず「明日、行ってみようかな」と番組で取り上げられた町に行きたい気分になるのであった。
土曜日のテレビが大好き。
要するに私は「食べる」か「旅する」かどっちかのことやっている番組が大好き。ということなのである。
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2010年01月10日 |
今月の前半は締め切りのお仕事を頂いているので、メモ書きとCD-Rが机の上にどんどん増えて行く。メモ書きはメモが書いてあるから、何の紙かがわかるのだが、CD-Rはパソコンに取り入れたりそのデータを取り込んだりしているうちに、枚数が複数になっていき、ある時どれがどれなのかがわからなくなってしまうパターンが割とあるのだ。
<あれ、どこ行っちゃったんだろ>
<これとあれ、どっちがどっちだったっけ>
<これは何が入っているのかしら>
てきぱきと仕事をこなす人が居る。
素晴らしい。
振り返ればバイト先でも、私はややトロい方だったと思う。どこのバイトに於いても「この人の手順、素晴らしい!」と尊敬する人が居た。家での作業だと、約束の日に間に合えば途中経過は誰も見ていないので、長年「失敗をして叱られる」ということは免れてきたように思うが、多分私みたいなアシスタントが居たら私だったらクビにするだろう。だいたい、家を出てから忘れ物をしてまた取りに戻る率が3割を越えるうっかり者だ。
何も書いていない中身のわからないCD-Rが溜まって行く。
なので私の休憩時間は、たいていCD-R中身当てクイズの時間になるのである。
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2010年01月11日 |
私の乗っているチョイノリは、ガソリンを入れる蓋を締める時にちょっとしたコツが要るみたいなのだ。
パーツ同士がハマる位置というのがあって、そこにスポっとハメてクルっと45度ぐらい回す。そうすると締まる。慣れた店員さんだと2〜3回位置を確認してすぐ蓋は締まってくれる。慣れない店員さんだと「あれ?」「あれ?」ということになって、先輩に応援に来てもらってそれで上手く締まるのだが・・・・
この間は、多分あれは新人さんなんだと思う。いつものようにガソリンを入れてもらって、蓋を締めてもらう時になって「あれ?」「あれ?」という感じで、そのお兄さんは蓋を締めることが出来ない。
「あれ?締まらない」
こういう時の私は、ちょっとだけ気を遣って自分からアイデアを言わないようにしている。だって向きを何度か変えてトライをすれば、蓋は必ずどこかしら合う場所にハマってくれる。
<少し待とう。いつものように自分でなんとかするか、先輩に手伝ってもらうかしてくれるだろう。>
ところが、この新人くん。
「壊れてる」
と、そのうちに口にしてムキになってガチャガチャとやりだした。
<ちょっと!それじゃ壊れちゃうじゃない!>
そして・・・・周りをキョロキョロしたあとで、今度は思い切り体重を乗せて無理矢理蓋をしようとし始めたのだった。
違う違う、そ〜じゃなくて!
あまりに力づくでやるので、私もとうとう口を開いたのだった。
「えっと、カポっとハメて、それでグルっと回すと締まりますんで」
「え〜!?」
新人くんはもはや熱くなっており、私の意見を聞く様子ではなく、私の言葉をかき消して更に力づくで体重をブンブン乗せていた。
<壊れちゃうじゃないの!>
と、腹が立って来た時に「スポン!」という音がして、蓋は無理矢理締まった。
「締まった!」
お兄さんは言っていたが、若干強引なことをしたという後ろめたさはあったのだろう。周りをキョロキョロして先輩が今の様子を見ていないか窺っているようだった。
「はい、どうぞ」
はい、どうぞじゃないだろう。
今の接客は失格だぞ。
私はその日、急いでいた。
だからそのまま去ったが・・・・
本当はあの時あのガソリンスタンドに居た人間の中で一番怖いのは先輩でもオーナーでもなく・・・私だったのだ。たまたま怒る時間がなかったが、もう少しで「ちょっと。上の人呼んで来てくれる?」と、こわ〜〜い顔で言うところだった。
あれからあのお兄さんに会っていない。
教えてあげればよかったかな。
チョイノリのガソリンの蓋の締め方を間違えて覚えたので、次のチョイノリの人にもやって、それでいつかこっぴどく叱られるのだ。
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2010年01月12日 |
まだ実家に居た頃、私は電車の中でスリに遭いかけたことがあるのだ。
厳密には”結果スラれはしなかったがスリに遭った”ということになるだろうか。その日の夜、私は京都駅からJRに乗って家に帰るところだった。多分10時頃だったんじゃないだろうか。私鉄の阪急は割と混んでいるのだが、京都から大阪に向かうこの路線はそれほど混んでいない。私の家から近くにはJRの駅はないので、普段はほとんど乗らない電車だったのだが、この日は山崎駅で下車してそれから阪急電車に乗り換えて家に帰る順路だった。
車内にはポツン、ポツンと人が座っていた。
乗車率1〜2割ぐらいの空いた電車。
ぼ〜っと座っていたら、私の真横に男性が座ったのだった。
<こんなに空いているのに、なんでわざわざ隣に座るのかしら>
一瞬そう思ったが、まぁこの位置に座るのが便利な人も居るんだろうと思ってそんなに気にもしないで座っていた。
ところが。
私の降りる駅が次、という時になって異変は起こる。
ガタンガタンと電車が揺れる中、モゾモゾと別の動きが身体に伝わってくるではないか。
<もしかしたら、痴漢??>
ふとそう思ってドキドキしながら、モゾモゾの方に目をやると、男の手が私のカバンのチャックを開けている所だったのだ。
<スリだ>
車内に居る人が少ないので、今叫んでも誰も察知してはくれないだろう。
<どうしよう!>
ドキドキで胸が一杯になった時に、電車は私の降りる山崎駅に着いた。
「コイツを捕まえてやる!」なんて強気にはなれず、知らん顔で降りるのが精一杯だった。
男は何を思ったのか、私が改札を出るまで後をつけてきて、改札を出たらクルリと振り返ってまた戻って行ったのだった。
なんでつけて来たんだろう。
で、私もどうして警察に言わなかったんだろう。
あまりにドキドキすると思考って止まってしまうのだ。
確かその頃私は20代前半だった。とてもお金があるようには見えない風貌だったと思うのだが・・・。ええ年をした男の人から財布を狙われたことは事実だ。
空いている電車で隣に座って来る人物には要注意。
スリである場合があるのだ。
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2010年01月13日 |
帰り道の渋谷駅にて。
京王線の駅構内にあるブティックに私は行きも帰りもよ〜く吸い込まれてしまうのだ。ここは入りやすい店の作りになっていることもあって、私は9割の割合でここに立ち寄っているんじゃないだろうか。
今日は男性店員さんが、プラカードを持って立って何か叫んでいた。
「ただ今の時間、タイムサービスで更に付いている値札から20%オフになります〜」
「9時までにレジに並んで頂いた方までとさせていただきます」
たった今まで普通に駅に向かって歩いていたのに、またもや<え!本当なの?>といった風に吸い込まれて、今日も結局店内に入っていたのであった。
いつもこの店はお客さんであふれている。だが、この呼び込みの効果で更に店内にはお客さんが沢山入っている。しかもレジには既に長蛇の列。
「はい、残り10分となります」
「お急ぎくださ〜〜い」
「9時までにレジに並んで頂いた方、のみ!となりま〜〜す」
<あと10分しかないわ!>
<急がなくちゃ!>
私も単純だが、同じように単純女性がわんさか居る。別に買わずに帰っていいのに、ほぼ全員が10分以内に好きな洋服を探してレジに走るということが課せられたように、店内みな早回しビデオのようにちょこまか動き出した。
「お急ぎ下さい、残りあと5分です」
「まもなく終了致します」
<えっ、ちょちょっと待って!>
「は〜〜い、終了させていただきま〜す」
その言葉に押されるようにして、結局私はよく品物を見ないまま2つ手に取ってレジ列に並んでしまった。レジはその時点で30人ぐらい並んでいるではないか。更に20%オフって言っていたけれど、もうしばらくしたらクリアランスセールでそれぐらい値段が下がるんじゃなかったっけ。
手にした洋服をあらためて見たら、そんなに安くならないことに気がついて、しかもそのうちの1点は「なんで私、これを持っているのかしら?」とちょっと自分でもよくわからない品だった。
駅構内にあるので、駅に向かう人達が不思議そうにレジ列の私達を見る。
「すごい人、何かやってんのかな」
めずらしそうに見ているので、少し恥ずかしくなってきた。
私もなんでこうして並んでいるのか、わからないんですよ。
きっと一緒に並んでいる人達も並んでいるうちにこう思ったことだろう。
バミューダトライアングルよりも磁場が強い、女性が次々に吸い込まれていく京王井の頭線渋谷駅構内にある「I」という店なのであった。
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2010年01月14日 |
「あとでね」
ダンボが覚えた言葉のうちの一つに、この言葉がある。
もうちょっと待ったら、お散歩に連れて行ってもらえる。もうちょっと待ったらご飯をもらえる。
「あとでね」と、言うと<今はだめなんだ>ということを理解して、それなりに折り合いをつけてピョンピョン跳ねていたのを一旦収めてくれるので、「あとで」は共通の認識を持っているんじゃないかなと思うのだ。
最近、お風呂嫌いのダンボにもうちょっと風呂好きになってもらおうと思って、私がお風呂に入っている時にお風呂場に来たらオヤツをあげるようにしたのだった。
お風呂場の扉をちょこっとだけ開けておく。
するとオヤツが欲しいダンボがぴょこんを顔を出す。
<来たよ>
「はい。じゃぁ、オヤツ」
いっこボーロをあげる。
<もっと欲しいな>
そのまま待っているので、「もうおしまい。またあとで」と言うと、面白いことに一度浴室を出て、それから洗面所を出て、廊下をトコトコと歩いてキッチンから自分の居る部屋に戻っているのだった。
そして1分ぐらい経つと、向こうから足音がする。
トコトコトコ・・・。
ぴょこん。
<また来たよ>
一度部屋に帰って、出直すということを自ら考えるところがなんだか可笑しい。犬は犬なりに<うん、もうそろそろ行ってもいい頃かな?>と思っているのかもしれず、私が「あとで」という言葉を使うと、こんな行動をするようになったのだった。
「もうおしまい。もう終わり。ない。おしまい」
最後はこれで終わる。
犬はトコトコと帰って行き、もう風呂場には来ない。
私がお風呂から上がって部屋に戻るとベッドにもぐって寝ている。
お風呂嫌いをなくそうと始めた試みだったのだが、ダンボの行動が可愛く思えてその先の訓練にちっとも進めない私達なのだった。
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2010年01月15日 |
バイクに乗るようになって思うようになったこと。
世の中で一番強い乗り物は「自転車」だ。
速いのではない。
強いのだ。
まぁ、わかりやすく言うと、自転車は乗り物界の中の「無敵のおばちゃん」ということになる。
最近は信号が青になっていても、自転車が突っ込んで来ないかどうかを確認して出るし、自転車と近い位置で走る時には距離をおいて自転車が去って行くのを待つぐらいなのだ。他の原付だともうちょっと馬力があるので、自転車との速度感がチョイノリとは違うだろうが、さすがはチョイノリ。バイク店の人に「これは原付じゃないですよ。ほとんど自転車みたいなものだから」と言われた通り、自転車の馬力の原付なので、自転車軍団が来れば一気に集団にのみ込まれるのだった。
でも。
ちょっと運転が無謀すぎやしないかい。
家の割と近い位置に青梅街道という道路がある。片側2車線の交通量の多い大きな道路で、チョイノリで走る時もちょっと緊張する道なのだが・・・。
自転車の男性は、私を追い抜いて行ったあと更に右側の追い越し車線に出て、車の間をスス〜っと抜けて行ったのだった。
信号が赤になり、一瞬止まったかと思ったのだが・・・・
カロリーメイトか何かをパクパクと食べながら、ひと呼吸おいたあとに走って去って行ったのであった。
こら!待ちなさい!
<乗り物には免許がなければ乗れない>という決まりがあるのはもっともな話だなぁ・・・と、自転車を見送りながら今日も苦々しく思うのであった。
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2010年01月16日 |
私はスクラッチくじが大好き。
宝くじ売り場の前を通る時にフラっと買ったりしているのだ。
「10枚下さい」
前回当たった200円を交換して、新しく10枚買うというパターンがほとんど。トータルはもちろん負け。今までのうち「こんなに当たったのは初めて!」と喜んでいたのが2400円ぐらいだったので、それが多分一番高額当選だったと思う。
まぁ、でも「宝くじにつぎ込んでいる」風ではなく、大人が駄菓子屋さんで「当てもん」をやっているような感じかもしれない。頻度で言えば「楽しみでたまに買っている」程度だとは思う。
それでもお店の人というのは、お客の顔を覚えているんだろう。
夕方、スーパーに買い物に行った時、いつも時間が遅くて閉まっていることの多い宝くじ売り場が開いていた。ここの売り場は買い物に来た時に寄ることがあって、だがトータルでは10回も来てはいない売り場だ。
交換して、また10枚新しいスクラッチくじを買おう!
ここの売り場のご婦人は品のいい優しい感じの人だ。
「いつもありがとうございます。」
あら?今いつもありがとうございます?って言われたような気がするけど・・・。
「10枚下さい」
「お楽しみいただけますように」
ご婦人はこう言って新しいくじをくれた。
そう言えば・・・最初の頃は「大きく当たりますように」と言ってもらっていたっけ。それが最近は「お楽しみいただけますように」と文言が変わってきた。そりゃそうだ。換金して渡すお金が200円ばかりなので、当たっていないことは売り場の人が一番よく知っているのだ。
<また当たらなかったのねぇ>
売り場の人は売り場の人で、お客さんの「ハズレ」に胸を痛めてくれていたのだ。
よぉおおおし、今年は当てるぞ!
その日買ったくじは、またもや当たり200円で終わったのであった。
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2010年01月17日 |
バスに乗っていたら、男性が携帯電話で話をしていた。
前もこのバスの中で、携帯電話で話をしていた男性が運転手さんから注意を受けていた。
<注意される前に切った方がいいですよ>
年は50代といったところだろうか。人前で注意をされるのは多分バツの悪い年齢だと思う。
大抵の人は、うっかり電話が鳴ると一瞬電話を取って「今バスの中なんで」と言って電話を切っている。でも平気な人も居るもんだ。
男性は一度電話を切ったが、その後電話がかかってきた時に、とうとう運転手さんにマイクを通じて注意をされた。
「え〜。携帯電話での通話はご遠慮下さい」
さすがに男性はまずいと思ったのだろう。
<今バスの中なんで>
が、次の言葉だと私は思ったのだった。
「今日本なんですよ〜」
バスでなく、うんと広い定義になったのでびっくりした。
「なので、後でまた連絡もらえますか〜」
別に「日本」でなくても「バス」で十分会話は成り立ったと思うのだが・・・。
「今、日本なんで携帯電話でしゃべれない」ってどういうことだろう。
車内は静かになり・・・。
きっと私と同じように謎解きタイムになった人が数人居たのであった。
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2010年01月18日 |
少しずつだが日が長くなってきたのが、感じられるようになってきた。
私の住んでいるところは1階なので、冬の間は日当りが十分ではない。同じ場所でも2階の部屋は冬も関係なく日が沈むまでお日様が当たっている。あのお日様があれば冬の間も植えたい花はたくさんあるのだが・・・。
時々、私は家の2階のベランダを見上げている。
お2階さんはガーデニングをしていないので、余計にスペースがもったいなく思えてしまう。
あのベランダで花を育てたい!
2階に上がりたい!
ついでに間取りも1階とどう違うのか見てみたい!
あぁ・・・。
日差しのない時期は、だから私は欲望との戦いなのだ。
太陽の力ってすごいんだなぁと実感するようになったのは、花を育てるようになってからだ。
以前、2階の南向きの部屋に住んでいた頃は、晩秋にビオラやノースポールなどの苗を植えていた。ビオラやパンジー、ノースポールなどは晩秋に小ぶりの苗が店先に並ぶ。その苗が冬を越えて4月を迎える辺りからあふれんばかりに咲き誇ってくれるのだが、日当りのいい場所で育てると真冬でも花が楽しめるのだ。晩秋に植えてそのまま冬も楽しめて、春になるとう〜んと楽しめるというホップステップジャンプ的な段階を経る。なので特に何もしなかったのに「我が家はガーデニングを楽しんでいます」的な華やかな景色になっていたのだ。
ところが1階に住むようになってから、晩秋に買った苗は3月に向かってどんどん痩せて元気がなくなっていくのを目の当たりにした。ある年は日差しが当たるようにと、時間差で場所をマメに移動させたりもしたがそれでもダメだった。ようやく春の日差しが届くようになってからは元気を取り戻して、4月にはどれも花を咲かせてくれたのだが、同じ苗でも、その後の日当りでこうも違ってくるのかと、可哀想なぐらい差が出ることを知ったのだ。
今は寂しい我が家の庭。
自転車で買い物に行く途中に「あのベランダだったら、きっといいわね」などと他人の家のベランダばかり気になってしまう。
お日様よ、早く戻ってきておくれ。
日差しが足りないと、私はベランダフェチになるのであった。
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2010年01月19日 |
昼前に京都のCさんからメールが届いた。
タイトルを見た時に、「あぁ・・」と重たい気持ちになったのだが、もう20年以上前からお世話になっているドラムの五十川清さんが食道ガンで亡くなられたという連絡だった。
その後次々と別の友人知人からメールが届く。
少し前にあまり具合がよくないということを聞かされていたが、最後にもらったメールはつい最近、お見舞いに送った本のお礼と「また連絡するね〜!」という、いつもと同じ締めの文章だったのに。
少し元気になられたのかも・・と淡い期待をしたのだがそれは違っていた。
五十川さんは沢山の人を音楽で繋げた人なので、お世話になった人は本当に沢山居る。
丁度一年前、アウルのライブで一緒に旅をしたのに。
まだ実感がない部分もある。
もう会えないってどういうことなんだろう。
あの時、「いつか年を取って、誰かが亡くなってこのメンバーが揃わなくなったら、今日をとても幸せだったと振り返るんだろうなぁ・・」という話をしたが、それがその1年後になるとは思いもしなかった。
Posted by 吉川みき 2010年01月19日 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2010年01月20日 |
五十川さんのお通夜に参列をしに、京都に行った。
日帰りで京都に行くのは初めてだ。
去年は一度も帰らなかった。本当なら秋に一度行く予定だったが、体調が悪くなってそれはなくなった。今年はどこかのタイミングで行こうと思っていたが、まさかこんな形で京都に行くことになるとは思わなかった。
久しぶりに乗った新幹線の窓の外の景色。
思い立てばいつでも行ける、本当はこんなに近い距離だった。
東京からも音楽仲間や先輩達が向かっていて、私は京都駅で森俊之夫妻と松井敬治くんと合流をする。森くんは、私が初めてキーボードでツアーデビューをして、その時に一緒に回ったキーボーディストだ。そのツアーは五十川さんが声をかけてくれた仕事で、森くんも当時はまだ東京に出る前だった。敬治くんはアウルの元ベーシスト。ベースとドラムはバンド上での夫婦みたいなもの。五十川さんとはライブ、レコーディングと数えきれないほどのあ、うんの思い出があるのだと思う。
「あ~、みっきん。@@は知ってたっけ?」
五十川さんは会話の中でよく”誰か”のことを口にした。
「え、知らないです」
大抵私は知らないと答える。すると「あ~、そしたら今度紹介するわ」と言って、その人のことをよく話してくれたのだ。居ない所でその人のことを嬉しそうに褒める。それで、その話を聞いて自分も興味が沸いてきて会ってみたいなと思う、いつもそのパターンだった。
本当に沢山の人を五十川さんから紹介してもらった。
自分のネットワークを人に惜しまずにどんどんあげる人だった。
沢山の人が弔問に訪れていた。
アウルのげんたくん、保さん、ぺっぺいくん、マネージャーの千秋ちゃんの姿を探す。五十川さんとはほとんど家族のようなつながりがあった人達だ。気丈に振る舞っていたが、げんたくんはなんとか立ってそこに居る感じで、何て声をかけていいかわからなかった。
「お久しぶりです。」
こんなところでまた久しく会っていなかった人達との思わぬ再会をする。
通夜が始まり、お経が始まる。
めずらしく、ここの会場は若いお坊さんがお経を読むんだなぁ。と、思っていた。お経を読んでいるのはまだ若い男女の僧侶2人で、こういう人はどこから来るんだろうと思っていたら、お経が終わると女性の方がマイクを握った。2人は五十川さんが生前親しくしていたお寺の方で、亡くなる3日前に自分の葬式ではお経を読んで欲しいと頼まれたということをそのあとの話で知ったのだった。
「五十川さんは日頃から、自分は影の存在になりたいと言っておられました。」
五十川さん、そんな風に思っていたんだ。
もしも私がそれを目標にしていたとしたら・・・・、自分でそう目指していても、一年のうちのどれぐらいか、心が弱った時にふと「影なんてあってもなくてもどっちでもいいんじゃないだろうか」と自分の存在についてやるせない気持ちに覆われていただろう。
ギター、スチールギター、ドラムとサポートの役目をする楽器を選んだ五十川さんだったが、もしかしたら「俺って何だろう」と思う瞬間は、なかっただろうか。
どうだっただろう。
あなたが居てくれて本当によかった。
あなたのおかげでとても救われました。
あなたと出会えたことに感謝しています。
今日、こんなに沢山の人が五十川さんを偲んでここにやって来たことを五十川さんは知らない。魂がどこかで見ているかもしれないが、それでも生前の五十川さんは知らない。やっぱりどれだけ口が下手でも、「あなたの存在が私にとってとても大きな喜びをくれたんです」ということは、直接言える時に言わなくちゃいけないとあらためて思ったのだった。
今日はまだ言い足りなかったお礼を五十川さんに伝えに、みんな集まって来た。
棺の中で目を閉じている五十川さんに、私もお礼を言う。
力むことのない生き方をしていた人だったのに、病気はどういうことが理由で身体を蝕んで行くんだろう。ますますわからなくなった。
でも人生には終わりがあるんですね。
小さく痩せていた姿だったけれど、会いに来れてよかった。
お礼の気持ちがどうか届きますように。
私も沢山、頂きました。
五十川さん、どうもありがとうございました。
Posted by 吉川みき 2010年01月20日 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2010年01月21日 |
六本木soft windでバイオリンの依田彩ちゃんとのデュオライブ。
ここはホテルアイビスの向かい側のビルの6階にあるお店。6時前にお店に着くと、窓から見える六本木はそこここの店のネオンが灯り、夜の六本木に変わろうとしていた。
<初めて来たんだけど>
<似た景色の所があったなぁ>
<どこだったかなぁ・・・>
しばらくぼぉ~っと外を眺めていて思い出した。
<あ、あそこだ>
私が大学生だった頃、京都の河原町通り沿いのビルの何階かにSという名前の音楽喫茶があった。レコードが沢山置いてあってブラックコンテンポラリーものが充実していたが、あそこに行くと新譜からツウなレコードまでが揃っていたのだ。最初に先輩に連れて行ってもらって、それ以降は同級生の音楽仲間と行ったりしたが、中に入るとちょっとだけ音楽通な自分になれたそんな大人な店だった。
外苑東通りと河原町通りって似てるんだ。
ふとそんなことを思っていた。
彩ちゃんは、今回一緒にやるにあたって新曲を作って来てくれていて、「みきちゃんのイメージで」と書いて来てくれた曲が、まさに自分の演奏スタイルにピッタリで、そういう音楽のプレゼントというのはとても嬉しいものだ。
バイオリンとピアノという楽器は、アンサンブル的に音域のダブらない楽器なので、お互いの空間がたっぷりある。今日は右手の指がまだ上手く動かず、だいぶ良くなったものの薬指と小指がまだ弱い。2本の指が弱いとソロが本当に苦しいが、それでも今日のベストをやりきりたいなと思って臨んだライブだった。
一緒に演奏をすると、知らなかったその人の魅力がまた垣間見えたりして、そういう発見が楽しい。彩ちゃんの演奏のスリリングで情熱的な一面を、私はそれまで気がつかなかったので、余計に指が万全になって再チャレンジしたいなと思った。
2010年、私のライブが今日が最初。
悔いなく、だけど肩の力が抜けたおおらかな演奏が出来るようになりたい。
今年のテーマにしたいなと思ったのだった。
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2010年01月22日 |
1月22日はカレーの日なのだそうだ。
昭和57年の今日、全国の小中学校の給食を一斉にカレーにしたことからなのだそうだ。
我が家のカレーも、私が子供の頃は甘口カレーだった。それでも辛いと思っていたが、いつの間に中辛カレーに変わっていたっけ。いつを機に大人用のカレーに変わったのか思い出せないが、甘口を食べていた頃「りんごとハチミツが入った」とテレビでカレーのルウのコマーシャルを見た時には、「カレー」なのに、りんごとハチミツが入ったら味がものすごいことになっちゃうじゃない!と困惑したのだ。
辛い「カレー」の中に、果物のりんごが入っているの?
更にトロっとした甘〜いハチミツが入っているの?
それをご飯にかけて食べるの?
一体どうなっちゃうの?
苦手だった水彩画の絵の具を混ぜれば混ぜる程、どんどん汚い色になって取り返しのつかない色になってしまうあの方程式がまず頭に浮かんだのだ。
<いろいろ混ぜたら、とんでもない味になってしまう!>
そのう〜んと後に、友人宅でカレーを食べたことがあった。
「すごく美味しい!!これどうやって作ったの?」
彼女ん家のカレーはヨーグルトやらいろいろなものが隠し味に入っているということだった。
あんなに美味しいカレーに出会ったのは初めて。
カレーは絵の具とは違ったのだ。
今、私の作るカレーはヨーグルトやしょうゆやガーリックやソースや・・・。
冷蔵庫にある「使えそうな食材」はポンポンと放り込む。
カレー、大好き。
さすがに3日目ぐらいに、「またカレーか・・・」と、うんざりする時期に突入するが、しばらくしたらそれを忘れる。
基本的に好きな食べ物なのだ。
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2010年01月23日 |
いつ頃からだったか、女性のバッグにつける「チャーム」というものを見かけるようになって、それが今ではすっかり定着した。
電車に乗って街にでも出かければ、女性のバッグにぶら下がっているのを見つけることが出来るだろう。キラキラしたものが何個かまとまってぶら下がっているアレだ。
私は最初それを「キーホルダー」だと思っていた。だが鍵をつけるキーホルダーとは使い方が違い、バッグの取手にぶら下がっているのが「チャーム」らしい。
やっと「スパッツ」を「レギンス」と呼ぶのに慣れてきたと思ったら、今度はキーホルダーじゃなくて「チャーム」なのか。ピン留めもパレッタと言えるようになったが、あれで終わりじゃなかったのか。
ううう~~~む。
は、ふぅ~~。
しょうがない。
あまり深く考えずに丸覚えするのがいい。「apple」がどうして「りんご」のことを指すんだろうと考え始めたら、だんだん思考がおかしくなってくる。「チャーム」や「レギンス」も、「何故」と考えないのが一番だ。しかし日本で流行っているグッズが、だんだん私には英単語を覚えるような感覚になってきているのである。
よ~し。
私もこの一年で「チャーム」をやっと覚えられてきたぞ。
と、思っていたら・・・・
この「チャーム」にまた変化系の物が出て来た。それはクリップみたいなものがぶら下がっている、やはりキーホルダーっぽい物なのだが、一体これは何を挟むものなんだろう?とずっとわからずに居たのだった。
半年ぐらいこの謎が解けなかったのだが、このクリップがついたヤツは「グローブホルダー」という名前がついているらしい。手袋を一つにまとめてクリップで留めるアイテムのようだ。
なんかいろんな物が出ている。
しかし、皮肉にもこのアイテムの使い方を知ったのは、先日クリップに挟まって落ちていた高級そうな手袋を拾って落とし物で届けたからなのだった。
「このクリップの形をどこかで見たことがある!」
片方の手袋をなくさないようにという便利でかつお洒落アイテムだが、バッグの外にぶら下げて諸共落ちたらどうしようもない。
どこからかニョキニョキと伸びる「草」のように、ファッションアイテム単語は育つ。
次は何て単語を覚えたらいいのデスカー。
今年もわんさか、新しい芽が世の中に出るのを待っているのである。
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2010年01月24日 |
サザエさんを見ながら、タラちゃんの物まねを口にしてみたら、そこに居たダンボがピクっと動いてこっちを見た。
<今、お前はこっちに興味を持ちましたね>
時々、デタラメ英語でダンボに話しかけた時も、首をかしげて不思議そうに私を見つめるので、可笑しくてしばらくダンボをからかうことがあるのだが、タラちゃんの物まねはデタラメ英語と同じぐらい、聞き慣れない不思議な響きがあるようだ。
普段、ダンボは私に興味を示すことはあまりない。
3時間程の外出だったら、家に帰っても全く無反応で布団の中で寝ていたりするので、単純なのだが犬が私を見ていることがヤケに嬉しくて、調子に乗ってタラちゃん言葉でダンボに話しかけてみた。
「そろそろ、おなかが空いてきたでちゅー」
「今日は寒いでちゅー」
「冬なのでちゅー」
犬は、時々言葉がわからないと首をかしげるのだが、私が何か言うごとにダンボが首をかしげるのが面白い。
しかし、今度は私が飽きてきた。
タラちゃんの物まねって、無理に高い声を出そうとするから結構力が要るもんだ。ふと我に返ると、こんな意味のないことをやっている自分がバカバカしく思えてきた。
「は〜、しんど」
つい、元の自分の声が出たのだった。
その瞬間にダンボが掛かっていた魔法は解け・・・・。
私への興味が失せ、振り返って去って行った。
<ずっとタラちゃんだったら、よかったんでちゅかー>
ダンボはその後、呼んでも布団の中にもぐったまま来ることはなかった。
部屋に静寂が訪れ、ちょっと寂しい日曜の夜なのであった。
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2010年01月25日 |
もうすぐミスタードーナツが40周年を迎えるのだそうだ。
家から一番近くにあったミスタードーナツは高槻駅の南口のバス通りを行った所にあった。今はあの辺りの店がどうなっているのかはわからないが、ファーストフード店が出来てはなくなる中、当時ミスタードーナツだけは変わらずにあり、学校帰りにわざわざ電車に乗ってやって来て友達とお茶をしたのもここだ。
高校生の限られたお小遣いでも来れる、リーズナブルで親しみやすい場所だったのだ。
大学生になってからよく通ったのは、京都の出町店。学校からは遠かったが、バスで帰りに寄りやすかったのでやはりここも友達とよく来たものだった。近くに同志社があって学生がお茶しに来るのがこの辺り、セカンドハウスという美味しいパスタ店が隣りにあって、よく「席、空いてるかなぁ」と言いながら店内を覗いたっけ。
もう一つのお楽しみは、点数を集めたら可愛いグッズがもらえるという点だった。ポイントを集めたら全員がもらえるプレゼントというのは、「すごく可愛い!」ではないものとう印象があり、はなから期待しないものなのだが、このミスタードーナツのグッズは「すごく可愛い!」「欲しい!」と乙女心をくすぐる品ばかりで、よく点数を集めてグッズをもらったのだ。私が夢中になっていた頃のグッズはosamu goods。お弁当箱や水筒、ミニバッグやポーチと可愛いものが次々に出るのでグッズに交換出来た日は本当に「ルンルン」だったのだ。
その後、車に乗るようになってからは箕面のドライブスルーのミスタードーナツにも行った。ここは店自体がお洒落なバーのような感じで、ちょっと夜遊び風の若い男女が集まっていたが、今はもうこの店舗はなくなってしまったらしい。残念なのだ。
少しずつメニューが変わって、今は軽食的なメニューもすっかり定着をした。でも私が買って帰る品物は相変わらず変わっていない。
エンゼルクリームを私は今までに一体いくつ食べただろう。
友達がオールドファッションを頼むのが大人に見えた。何のトッピングもないこのドーナツは、10代の頃の私には大人の食べ物だった。
また久しぶりに通って、グッズをゲットしたいな・・・。
明後日ミスタードーナツは40周年を迎える。
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2010年01月26日 |
近くの緑道はサイクリングを楽しむ人、ジョギングや散歩をしている人、犬を連れた人、台本を覚えながらウォーキングをしたりとそれぞれ自分の目的に合ったことをしに来ている。ベンチではサックスを練習したり、ギターの弾き語りをしたりする人も居るので、本当に人それぞれの過ごし方がある場所になっているのだ。
私は犬の散歩、もしくは自転車でブラブラ楽しむのが緑道での過ごし方になっているのだが、最近はこれに発声練習も加えるようになり一石二鳥な時間となっている。
犬を自転車かごに入れて、自転車をゆっくり漕ぎながら、「ウゥウウウウウ〜〜」「アァアアアアーー」「ウッアアアー」「ハァアアアア〜」などの発声をする。そして人のあまり居ない所に着くとそこで自転車を止めて、また発声練習を続ける。というパターンなのだが、発声練習は「歌」ではなく動物が寄声をあげている風に聞こえるかもしれない。
すれ違う人、すれ違う人、皆さん私から目をそらし、そこに居ないヒトの様に自分がなっていることに気がついた。
<発声練習なんだけどなぁ・・・>
別に発情期の動物ではないんだけど・・・。
まぁ、いいや。
今日も広場に着いたので、そこでアーウーと声を出していたのだった。
しばらくすると黒いラブラドールが飼い主さんと散歩にやってきた。
そうなのだ。発声練習をしている時、飼い主さんには無視をされているが一緒に居る動物がこっちを見ていることは多いのだ。今日も同じく、飼い主さんは私を見ないのだが黒ラブちゃんが私の方を見ていたんだった。
<ねぇねぇ>
黒ラブちゃんが飼い主さんの方を何度も見ている。
<あれ、なあに?>
<何をしているの?>
子供のように黒ラブちゃんが飼い主さんに尋ねている様子なのだが、飼い主さんは頑としてまたこっちを見ない。見ないのだが、強くリードを引っ張って私から離れて行こうとしているのはわかる。
黒ラブちゃんは逆に興味津々。
何度も私の方を振り返り、飼い主さんに「あの人なあに?」とやっている。
別に私は怪しい者ではありません。
声を出す練習をしているのです。
しかし、飼い主さんは一度も私を見ずにとうとうラブちゃんを引っ張って遠くの方に去って行ったのであった。
向こうの方でもう一度ラブちゃんが振り返った。
いいんだよ。
別に深く悩むことじゃない。
バイバイ、またね。
最後に「メェエエエエ」とヤギの鳴き声をして黒ラブちゃんに挨拶をした。
黒ラブちゃんのしぐさがあまりに可愛かったので、何かオマケをあげたい気分になった私なのであった。
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2010年01月27日 |
夜、近くのスタジオに練習に行った。
昔からどこの楽器屋さんやスタジオも、掲示板にメンバー募集の張り紙がたくさんしてあったのだ。
「ベース募集」
「完全プロ指向のバンドです」
「初心者歓迎」
「ボーカルで加入出来るバンドを探しています」
みんな何かしらのパートナーを求めて、ここに張り紙をする。
私も学生の頃、楽器屋さんにこうしてメンバー募集の張り紙をしたっけ。
で、結局どうだったんだったっけ。張り紙の効果について、何故かしら思い出せなかった。思い出すのは「ここに張って、誰か連絡をくれるかしら」と張る時にドキドキしたことだけだ。
掲示板があるとふと懐かしくなって眺めていることがある。
するとそのうちの一つが目に留まった。
「熱い演奏をします!」
女の子の可愛い文字で書いてある張り紙。
自分のパートをでっかく「DRAM」と書いてあった。
えっとえっと・・・。
惜しい。
目に留まったのは、「ドラムってこの綴りだったっけ」という妙なことからだったのだ。
ドラムは「DRUM」、「DRAM」と書けばそれは通貨や質量の単位になってしまう。
お、惜しい。
が、
一番惹かれたのもこの張り紙だった。
<ハートを賭けて演奏します!一緒に演奏して下さい!>
そこには書かれていなかったが、でもこんな想いが張り紙から伝わって来た。
そうだよね。
気持ちを込めてやっていれば、きっと伝わることってあるよね。
最初は誤字を見つけた私だったが、その前を立ち去る頃には彼女の張り紙にポンと背中を押してもらっていた。
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2010年01月28日 |
浅草KRAWOODでライブ。
いつも何人かのアーティストの方とのイベント形式でライブに出演させてもらっているが、今日は特別な想いのある友人である黒川あっちゃんと一緒だ。
あっちゃんとは京都の女子大生の時に知り合った。京都には拾得という蔵を改造した老舗のライブハウスがあり、ここで私達はとてもお世話になったのだ。当時あっちゃんはポップスのレディスバンドを組んでいて、そこでキーボードを弾いていた。私も学生バンドを組んでいてそこでキーボードを弾いていたのだが、やっていた音楽のジャンルが似ていたことから、よくこの2つは対バンでライブをしたものだった。
それから曲を書いていたあっちゃんがそのバンドでボーカルをとるようになり、それから一年程経って今度は私も別のバンドを作ってそこでボーカルをとるようになった。あっちゃんの組んでいたバンドが「シイガルズ」で私のバンドが「B#」、2つは京都のライブハウスでその後もよく対バンをし、後に一緒の事務所でそれぞれCDデビューをしたのだった。
とにかく2バンドで、京都府内あちこちのイベントによく一緒に出た。
その頃の京都は「ポップス」を正面を切ってやっているグループは少なかった。ポップスをやるにしてもブルースやファンク、ジャズなど何かしらの要素を加えて、少し音楽的な玄人っぽさを打ち出さないと、ミュージシャンの間では「あれは音楽ではない」と言われるような風潮があったし、やっているジャンルで音楽の優劣みたいなものがつけられることは実際にあった。初期の頃の私の書く曲のコード進行が複雑なのはそこら辺に対する意識が十分あった。「ポップスをやって何が悪い」という私なりの抵抗で、今は若かったなぁと思えるが、そんな中、当時も何の背伸びもせずに「ポップス」をやり続けていたのがシイガルズだった。
上質なメロディにシンプルなコード。
しかしデビューして数年後シイガルズは解散し、あっちゃんは体調を崩して一時音楽を表立ってすることはなくなっていたのだった。
今日は15年ぶりにあっちゃんがライブに帰って来た。
自分も一時、音楽から離れていた。
またこうして会えたんだなぁ・・・。
人はきっと一生をかけて何か一つのことを、続けて行くのだと思う。もっとわかりやすく言えば、何か一つ、ずっと自分自身に悩みを与え続けるものを持って一生を送るのではないかと思う。あっちゃんと私は多分、同じ課題を持っている仲間だ。
「音楽を続ける」ということをテーマに与えられ、その課題でもって悩んだり、苦しんだり、喜びを得たり、人と何かを共有しあえたり、毎回答えを出し、先に進んで行く人生。
お互い、女子大生同士だった頃は若くてピチピチだったよね。
リハーサルで、あっちゃんの声を聴くとそれだけで胸が詰まりそうになった。出番が来て控え室で待っている時にも、涙が出そうになった。
今、大事にしているものが同じ気がしたからだ。
あっちゃん、おかえり。
音楽を続ける人生を送っている。
時々なんだけど。
昔書いた曲を今歌った時に、周りの景色が前よりもっと見える時があるよ。
長い間続けていたら、たまにそういうことに出会う。
みんな、誰も、今まで歩いてきた道に無駄はない。
決して遠回りの人生を歩いてはいないんだと思えた一日だった。
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2010年01月29日 |
夜、ファックスを使おうと思ったら電話が繋がっていなかった。
むむむ?
何度やっても「ツー」という音がしない。
電源を差し直したがやはり無理。
電話機の問題なのかしら?
そこでパソコンを開けてみた。
するとパソコンも繋がらなくなっている。
午後には普通に使えていたのに、どうしちゃったんだろう。
とりあえずひかり電話の説明書に書いてある番号に掛けてみた。半年近く前、ひかり電話にかえた直後にも今日と同じことがあったからだ。その時は外の電柱の何かが外れていて、そこをつなぎ直してもらうことで解消した。
とにかく原因がわからないので、電話をしてみたのだが・・・・。あいにく午後5時で故障修理の受付窓口は終わっているということだった。明日の午前9時に再度掛け直すか用件を留守電に録音をすれば、後に担当者から電話が来るということだったが、それでは時間が見えないので緊急の場合というアナウンス番号を押すことにしたのだった。
「はい、どうしましたか」
「あのぉ〜」
「事故ですか、災害ですか」
「え?」
この部署は電柱が倒れたとか、事故で電柱にぶつかったという理由のときの部署らしく、私のケースだとやはり明日の午前9時に電話をし直すか、留守電に入れて返事が来るのを待つらしい。だが留守電に入れても返事が来るのは明日かもしれないと言われ、それでは私も困る。だって私も私の中では緊急なのだ。理由もわからず急に電話が使えなくなった。謎なのだ。
う〜〜〜ん、困った。
こんな時に携帯電話があって本当によかったと思う。
その後ファックスの件はあきらめて、携帯から電話で先方に連絡をして済んだが、次はパソコンをつながないとダメだ。深夜ならまだしも、まだ6時台だと言うのに、明日までこの状態で待つというのはやっぱりもろもろ困る。
そこで、とりあえずまだ開いている部署を探してもう一度相談の電話をしてみたのだった。
が、結局担当の違う部署にかけても、原因はわかるはずもなく・・・。
電源の差し直しももうやり尽くした。
最初に電話が繋がらなくなってから2時間が経とうとする頃・・・。
携帯に電話が鳴った。
「もしもし〜」
ひかり電話の別の担当者の男性からで、杉並区の一部の地域の電話が繋がらない現象が起きていて、まもなく復旧しますのでということだったのだ。
人って「何がどうなっている」ということがわかると、それだけでトラブルが解決した気分になるものなのかもしれない。まだその時点では電話は復旧していなかったが、うんと気分が明るくなったのだ。
実は最初に電話を掛けた時の「緊急窓口」の人は冷たかった。とにかく「急ぎの場合ではない」と窓口であしらわれたのだが、その後も私以外にも電話が繋がらないんですという連絡をした人は居たと思う。一人だと緊急案件としては考えてはもらえず、人数が多くなってきて初めて緊急対処を検討するのかなといじわるな思いもしてきたが、まぁ復帰すればよし。
午後8時過ぎ、電話は復旧して、何事もなかったかのように部屋の中の時間がまた動き出した。電話が繋がらなくなるだけで私達はすぐにでも無人島に行ってしまう。便利な世の中なのである。
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2010年01月30日 |
近所の猫ちゃんは、最近家のすぐの塀の所でくつろぐことがなくなった。
日の高さが少し変わって、この塀にあまり日が差さなくなったからだ。
そっか。前は別に懐いてくれたわけじゃなかったのか。
日向になっているエリアを選んで座るようになった。
今日は久しぶりに姉妹猫がやってきて座っているのを見つけた。
「久しぶりだねぇ」
ブチの方は少し警戒心が緩いので話しかけても逃げなくなった。
「にゃ」
時々返事もする。
「何を見てるの」
姉妹猫はさっきから斜め上の方に気を取られている様子。
裏の家の屋根に何かいるのかな?
と、思ったらもっと上にカラスが止まっていた。
「カァッカァッカァッ」
すると直後に
「にゃ、にゃ、にゃ」
ブチの方がつられて鳴いた様な気がしたのだが・・・。
気のせい?
「カァッ、カァッ、カァッ」
「にゃ、にゃ、にゃ」
今度はハッキリわかった。
カラスに誘われて猫が鳴く。
カラスがどこかに飛んで行って、猫姉妹も探検にまた行ってしまった。
<あっちで、今日はおまつりをやっているみたいだよ>
<そうなの、じゃ後で行ってみる>
そんな会話をしていたのかもしれない。
人間が知ったら、すぐに横入りしてきて勝手なことをするもんね。
楽しんでおいで。
ダンボは行かないらしく、ヒーターの前で毛繕いをしていた。
<人間と暮らしているから、ボクはバレないようにこうしているよ>
土曜日の午後なのだ。
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2010年01月31日 |
この間から家のすぐ前の道に、缶ビールが落ちているのだ。
ここは私有地。悪意で誰かがここに毒物を置いた様子ではなく、この一角に住む誰かの落とし物だとは思うのだ。斜め前の家の人のバイクの所にコロンと転がっていたので、多分そのバイクの持ち主であるお兄さんが買い物袋から落としたと思うのだが、お兄さんは落としたことに気がつかないのか、その缶ビールは数日が経ってもまだ道に転がっていたのだった。
多分、あのお兄さんのもの
だが落ちている飲食物なだけに、自己判断で家に届けるのはちょっと気が引ける。
早く気づかないかなぁ。
数日経って、こんなに目につくのにここにまだ缶ビールが落ちていることで、今度は持ち主がわからなくなってきた。
あのお兄さんのではないってことなのかしら。
今日は転がっていた缶ビールが、ちゃんと道端に立ててそこに置いてあった。
<美味しいよ、飲んでね>
この辺の家の人の落とし物じゃないのなら、今度は何かの罠に見えてきた。
落とし物はいつしか危険物に変わり・・・。
<警察に電話をした方がいいのかしら>
真面目にそう考え始めているのだが、最近やっている”こんなことで110番や119番に電話を掛けないで下さい”というCMを思い出す。
「さっきも、ただの缶ビールを、誰かが置いて行った毒物で爆発するかもしれないと言う変な女から電話がありましたよ」
「ほんと、困るんだよね。そういう電話は」
<あぁああ。>
<どうしよう。>
<そうですよね。>
<だけど・・・・。>
<本当にそれでいいのかしら。>
缶ビールがそこにあることで、今日も私は心が揺れるのであった。
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